水が少なくても元気な小麦『WS1』を見つけた
みなさんは、植物が大きく育つには水がいることを知っていますね。雨がふらない日がつづくと、土がかわいて、植物は元気がなくなってしまいます。パンやうどんになる小麦も、育つのにたくさんの水を使います。だから、あつい夏や、雨が少ない場所でも作れる小麦があったらいいな、と多くの人が考えてきました。
2026年5月8日、神戸大学などの研究グループが、すごい小麦を見つけたと発表しました。その小麦は『WS1』という名前です。WS1は、ふつうの小麦より水をずっと少なく使って、かんそう(土や空気がかわいていること)にとても強い小麦です。神戸大学が調べると、WS1は水をあげるのを20日間も止めたあと、また14日間水をあげると、多くがもとの元気にもどりました。ふつうの小麦なら、こんなに長く水がないとかれてしまいます。では、なぜWS1は強いのでしょうか。
一つめは、葉にある『気こう』という小さなあなの開き方です。気こうは、葉から水や空気が出入りする小さなあなです。WS1は、この気こうの開き方がふつうの小麦より小さいので、体から出ていく水が少なくてすみます。
二つめは、『プロリン』というものが、体の中にふつうの小麦のほぼ二倍もたまっていたことです。プロリンは、植物がかんそうから身を守るのを助けるものです。これまで、多くの植物はかんそうになると、体の中である合図を出して気こうをとじる、と考えられてきました。でも、WS1はその合図がとくべつ強いわけではありませんでした。そのかわりWS1は、体の中のはたらき方を大きく切りかえて、『大きく育つことより、まず生きのこることを先にするモード』になっていたのです。しかもWS1は、かんそうしていないふだんのときから、あらかじめかんそうにそなえた体になっていることも分かりました。
むずかしい言葉を、もう一度せつめいします。『気こう』は、葉にある小さなあなで、ここから水や空気が出入りします。『プロリン』は、植物がかんそうから身を守るのを助けるものです。『WS1』は、神戸大学などが見つけた、使う水が少なくかんそうにも強い、新しい小麦です。
これからは、雨が少ない土地や、水があまり使えないところでも、小麦を作れるようになるかもしれません。そうなれば、わたしたちがいつも食べているパンやうどんを、これからも作りつづけられます。水を大切に使いながら食べものを作る、その新しい一歩になりそうです。