クルーズ船で広がった病気「ハンタウイルス」の集団感染 終息をWHOが発表
みなさんは、大きな船に多くの人が乗って、いろいろな国を旅する「クルーズ船」を知っていますか。世界中から集まった人たちが、同じ船の中で何日もいっしょに生活します。もし船の中で病気が広がると、その人たちが自分の国に帰ったときに、病気も世界のあちこちへ運ばれてしまうかもしれません。だからこそ、船の中で起きた病気には、世界の国々が力を合わせて気をつける必要があるのです。今回、世界の人々の健康を守る仕事をしている「世界保健機関(WHO)」が、あるクルーズ船で起きた病気について、大切な発表をしました。
2026年7月2日、世界保健機関(WHO)は、クルーズ船「MV Hondius」の中で広がっていた「ハンタウイルス(アンデス型)」という病気の集団感染が終わったと発表しました。これを「終息宣言」といいます。この船は、5月10日から11日にかけて、スペイン領のカナリア諸島にあるテネリフェ島に着きました。船の中では、13人がこの病気に感染しました。そのうち12人は実験室の検査ではっきりと感染が確かめられ、1人は感染がうたがわれる人でした。感染した13人のうち、3人が亡くなりました。
「ハンタウイルス(アンデス型)」は、人から人へうつることがまれにある種類です。そこで世界保健機関(WHO)は、感染した人と近くで接した人たちをさがし出し、33の国と地域で、600人をこえる人たちを調べました。そのうち、感染するおそれが高い人が317人、おそれが低い人が336人いました。病気がうつってから体の具合が悪くなるまでには時間がかかることがあるため、世界保健機関(WHO)は、これらの人たちを42日間にわたって見守りました。その42日間がすべて終わり、新しく感染した人が一人も出なかったことから、世界保健機関(WHO)は病気の広がりが終わったと確かめたのです。
今回のニュースに出てきた言葉を、もう一度整理してみましょう。「ハンタウイルス」は、熱が出るなど体の具合を悪くする病気を起こすウイルスの仲間です。その中でも「アンデス型」は、まれに人から人へうつることがある種類です。「世界保健機関(WHO)」は、世界中の人々の健康を守るために働く組織です。「終息宣言」とは、病気の広がりがおさまり、もう心配がなくなったことを正式に伝えることです。また、感染した13人のうち3人が亡くなったように、感染した人のうち亡くなった人の割合を「致死率」といい、今回は23%でした。
病気は、船や飛行機に乗る人たちといっしょに、遠くの国から運ばれてくることがあります。だからこそ、世界の国々が協力して情報を伝え合い、感染した人と接した人を早くさがすことが、病気の広がりを止める大きな力になります。わたしたちにできることもあります。手をよく洗ったり、体の具合が悪いときは無理をしないようにしたりして、身の回りから病気を防ぐ心がけを続けていきましょう。