ゆるやかにかたむく断層で「超巨大地震」が起きやすいわけ 東京大学などが解明
日本はむかしから地しんの多い国です。みなさんも学校で、地しんは土地を変化させ、災害を引き起こすことがあるので、日ごろからの備えが大切だと学びましたね。地しんには小さなものから、とてつもなく大きなものまであります。では、なぜ同じ地しんでも、あるものだけがけたちがいに大きく成長するのでしょうか。そのなぞにせまる研究が発表されました。
東京大学大学院理学系研究科の井出さとし教授と、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究チームは、2026年7月1日に科学雑誌「Science Advances(サイエンス・アドバンシズ)」で論文を発表し、次の日の7月2日には東京大学がその内容を発表しました。地球の表面は「プレート」と呼ばれる大きな岩の板でおおわれていて、海のプレートが陸のプレートの下にしずみこむ場所では、プレートの境界が「断層」となり、そこがずれ動くことで地しんが起きます。井出さとし教授たちの研究チームが明らかにしたのは、この境界のかたむきが20度以下のゆるやかな「超低角断層」で、マグニチュード(M)9クラスの「超巨大地震」が起きやすいしくみです。井出さとし教授たちの研究チームによると、かたむきが10度のプレート境界では、かたむきが40度の場合と比べて、M5級の地しんがM9級にまで大きく成長する確率が約60倍も高くなりました。さらに、プレートがしずみこむ場所では、岩にかかる力の向きが周期的に変化していて、その変化が「超低角断層」をえらぶようにして「超巨大地震」を引き起こすことも分かりました。
ここで、むずかしい言葉をまとめておきましょう。「プレート」は、地球の表面をおおう厚い岩の板のことです。「断層」は、地下の岩がずれてできた、ずれ動く面のことです。「超低角断層」は、かたむきが20度以下の、とてもゆるやかな断層のことです。「マグニチュード(M)」は、地しんそのものの規模を表す数字で、数が大きいほど大きな地しんです。「超巨大地震」は、M9クラスの、けたちがいに大きな地しんのことです。どんな場所で「超巨大地震」が起きやすいのかが分かれば、国や都道府県が進める防災・減災の対策に役立ちます。わたしたち一人一人も、家庭での備え(自助)や地域の助け合い(共助)を大切にしながら、こうした科学の研究にこれからも注目していきたいですね。