2026年7月2日(木)のこどもニュース
ゆるやかにかたむく断層で「超巨大地震」が起きやすいわけ 東京大学などが解明
日本はむかしから地しんの多い国です。みなさんも学校で、地しんは土地を変化させ、災害を引き起こすことがあるので、日ごろからの備えが大切だと学びましたね。地しんには小さなものから、とてつもなく大きなものまであります。では、なぜ同じ地しんでも、あるものだけがけたちがいに大きく成長するのでしょうか。そのなぞにせまる研究が発表されました。
東京大学大学院理学系研究科の井出さとし教授と、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究チームは、2026年7月1日に科学雑誌「Science Advances(サイエンス・アドバンシズ)」で論文を発表し、次の日の7月2日には東京大学がその内容を発表しました。地球の表面は「プレート」と呼ばれる大きな岩の板でおおわれていて、海のプレートが陸のプレートの下にしずみこむ場所では、プレートの境界が「断層」となり、そこがずれ動くことで地しんが起きます。井出さとし教授たちの研究チームが明らかにしたのは、この境界のかたむきが20度以下のゆるやかな「超低角断層」で、マグニチュード(M)9クラスの「超巨大地震」が起きやすいしくみです。井出さとし教授たちの研究チームによると、かたむきが10度のプレート境界では、かたむきが40度の場合と比べて、M5級の地しんがM9級にまで大きく成長する確率が約60倍も高くなりました。さらに、プレートがしずみこむ場所では、岩にかかる力の向きが周期的に変化していて、その変化が「超低角断層」をえらぶようにして「超巨大地震」を引き起こすことも分かりました。
ここで、むずかしい言葉をまとめておきましょう。「プレート」は、地球の表面をおおう厚い岩の板のことです。「断層」は、地下の岩がずれてできた、ずれ動く面のことです。「超低角断層」は、かたむきが20度以下の、とてもゆるやかな断層のことです。「マグニチュード(M)」は、地しんそのものの規模を表す数字で、数が大きいほど大きな地しんです。「超巨大地震」は、M9クラスの、けたちがいに大きな地しんのことです。どんな場所で「超巨大地震」が起きやすいのかが分かれば、国や都道府県が進める防災・減災の対策に役立ちます。わたしたち一人一人も、家庭での備え(自助)や地域の助け合い(共助)を大切にしながら、こうした科学の研究にこれからも注目していきたいですね。
クルーズ船で広がった病気「ハンタウイルス」の集団感染 終息をWHOが発表
みなさんは、大きな船に多くの人が乗って、いろいろな国を旅する「クルーズ船」を知っていますか。世界中から集まった人たちが、同じ船の中で何日もいっしょに生活します。もし船の中で病気が広がると、その人たちが自分の国に帰ったときに、病気も世界のあちこちへ運ばれてしまうかもしれません。だからこそ、船の中で起きた病気には、世界の国々が力を合わせて気をつける必要があるのです。今回、世界の人々の健康を守る仕事をしている「世界保健機関(WHO)」が、あるクルーズ船で起きた病気について、大切な発表をしました。
2026年7月2日、世界保健機関(WHO)は、クルーズ船「MV Hondius」の中で広がっていた「ハンタウイルス(アンデス型)」という病気の集団感染が終わったと発表しました。これを「終息宣言」といいます。この船は、5月10日から11日にかけて、スペイン領のカナリア諸島にあるテネリフェ島に着きました。船の中では、13人がこの病気に感染しました。そのうち12人は実験室の検査ではっきりと感染が確かめられ、1人は感染がうたがわれる人でした。感染した13人のうち、3人が亡くなりました。
「ハンタウイルス(アンデス型)」は、人から人へうつることがまれにある種類です。そこで世界保健機関(WHO)は、感染した人と近くで接した人たちをさがし出し、33の国と地域で、600人をこえる人たちを調べました。そのうち、感染するおそれが高い人が317人、おそれが低い人が336人いました。病気がうつってから体の具合が悪くなるまでには時間がかかることがあるため、世界保健機関(WHO)は、これらの人たちを42日間にわたって見守りました。その42日間がすべて終わり、新しく感染した人が一人も出なかったことから、世界保健機関(WHO)は病気の広がりが終わったと確かめたのです。
今回のニュースに出てきた言葉を、もう一度整理してみましょう。「ハンタウイルス」は、熱が出るなど体の具合を悪くする病気を起こすウイルスの仲間です。その中でも「アンデス型」は、まれに人から人へうつることがある種類です。「世界保健機関(WHO)」は、世界中の人々の健康を守るために働く組織です。「終息宣言」とは、病気の広がりがおさまり、もう心配がなくなったことを正式に伝えることです。また、感染した13人のうち3人が亡くなったように、感染した人のうち亡くなった人の割合を「致死率」といい、今回は23%でした。
病気は、船や飛行機に乗る人たちといっしょに、遠くの国から運ばれてくることがあります。だからこそ、世界の国々が協力して情報を伝え合い、感染した人と接した人を早くさがすことが、病気の広がりを止める大きな力になります。わたしたちにできることもあります。手をよく洗ったり、体の具合が悪いときは無理をしないようにしたりして、身の回りから病気を防ぐ心がけを続けていきましょう。
手足口病が流行 東京都で2年ぶりに警報
夏の初めは、手足口病という病気が子どもたちの間で流行しやすい季節です。保育園や小学校など、人が多く集まる場所で広がりやすく、毎年この時期になると、どのくらいの人が病気になったかが調べられ、流行の様子が見守られています。東京都も、都内の保健所を通じて報告数を集め、流行が大きくなったときには「警報」を出して注意を呼びかけています。
東京都(東京都庁の「保健医療局」)は2026年7月2日、手足口病の報告数が2年ぶりに都の警報基準をこえたと発表しました。第26週(2026年6月22日から28日まで)の1週間あたりの報告数は、都内全体で6.30人となり、警報レベルの判定基準である5.0人を上回りました。都内に31ある保健所のうち、16の保健所が警報レベルになっていて、その地域の人口を合わせると、東京都全体のおよそ半分(48.59%)にあたります。地域別に見ると、報告数が特に多いのは町田市(19.25人)、「江東区」(15.22人)、八王子市(11.91人)です。
「手足口病」は、ウイルスによってうつる病気で、手のひらや足のうら、口の中に発しんや水ぶくれができ、熱が出ることもあります。おもに小さい子どもがかかりやすく、せきやくしゃみ、さわった手などを通じて広がります。「警報基準」は、流行が大きくなっていることをみんなに伝えるための目安の数字で、これをこえると特に注意が必要になります。手足口病を防ぐ特別な薬はありませんが、石けんでていねいに手を洗うことが予防につながります。外から帰ったときや食事の前には手をしっかり洗い、自分と周りの人の健康を守りましょう。