OpenAIが新しいAI「GPT-5.6」を発表し、仕事を助ける「ChatGPT Work」も登場しました
みなさんの中には、コンピューターやスマートフォンで「AI(人工知能)」に質問をして、答えてもらったことがある人もいるかもしれません。AIとは、人間のように言葉を理解して、文章を書いたり質問に答えたりするコンピューターの仕組みのことです。情報通信技術(ICT)がくらしを便利にしている今、AIを作る会社どうしは「もっとかしこく、もっと安く使えるAI」を目指して激しく競争しています。アメリカの「OpenAI」という会社も、その一つです。
OpenAIは2026年7月9日(アメリカ時間)、新しいAIモデルのファミリー(仲間のまとまり)「GPT-5.6」を発表し、だれでも使えるように提供を始めました。GPT-5.6には「Sol」「Terra」「Luna」という三つの種類があります。同時にOpenAIは、エージェント型の業務アシスタント「ChatGPT Work」も発表しました。代表モデルの「GPT-5.6 Sol」は、コーディング、知識労働(知識を使って行う仕事)、サイバーセキュリティ、科学の分野で、もっとも進んだ性能を、より少ないトークンと低いコストで達成したと、OpenAIは説明しています。
AIの性能を比べる試験の結果も発表されました。「Agents' Last Exam」という試験でGPT-5.6 Solは53.6点を取り、べつのAIである「Claude Fable 5」を13.1ポイント上回りました。「Artificial Analysis Intelligence Index」という試験では、いちばん深く考える設定にしたSolが、Claude Fable 5に1点差まで近づきながら、作業を終えるまでの時間を61パーセント短くし、コストを約半分におさえました。さらに「Artificial Analysis Coding Agent Index」という試験では、Solが80点という新記録を出し、Claude Fable 5を2.8ポイント上回りました。考える深さを中くらいにした設定でも、Claude Fable 5を11.4ポイント上回り、コストは約4分の1でした。
価格は、100万トークンあたり、Solが入力5ドル・出力30ドル、Terraが入力2.5ドル・出力15ドル、Lunaが入力1ドル・出力6ドルです。GPT-5.6は、「ChatGPT Work」、「Codex」というサービス、ほかのソフトから使うための「API」を通じて発表の日から提供が始まり、24時間かけて段階的に全世界へ広げられます。
ここで、難しい言葉を簡単にまとめます。「エージェント」とは、人が一つ一つ指示しなくても、目的に向かって自分で考えて作業を進めてくれるAIのことです。「トークン」は、AIが文章をあつかうときの単位で、言葉を細かく区切ったひとかけらのようなものです。AIを使う価格は、このトークンの数をもとに決められています。「コーディング」は、コンピューターへの指示書であるプログラムを書くことです。「サイバーセキュリティ」は、コンピューターや情報を悪い人から守ることです。AIがより安く、より速く、よりかしこくなると、勉強の調べものや、ものづくりなど、みなさんの毎日の生活のいろいろな場面で役立つようになります。みなさんが大人になるころには、AIといっしょに働くことが当たり前になっているかもしれません。だからこそ、こうしたニュースに関心を持ち、AIを正しく使う力を身につけていくことが大切です。