2026年7月10日(金)のこどもニュース
米の値段、79週ぶりに5キロ3500円を下回りました
毎日の食事にかかせない米は、スーパーなどで買うことができます。この米の値段は、およそ1年半もの間、5キログラムあたり3500円以上の高い値段が続いていました。米の値段は、家庭の買い物に大きくかかわる問題です。そこで国の役所である農林水産省は、全国のスーパーで米がどれくらいの量、いくらで売れたのかを毎週調べて、結果を公表しています。
令和8年7月10日、農林水産省農産局きかく課米流通調査班は、令和8年6月29日から7月5日までの1週間の調査結果を公表しました。この調査は、全国の約1000店のスーパーで米が売れたときの記録である「POSデータ」をもとにしています。この週の米の平均価格は、5キログラムあたり3458円でした。これは前の週より96円(2.7パーセント)安く、前の年の同じ時期と比べても144円(4.0パーセント)安い値段です。平均価格が3500円を下回ったのは、79週ぶりのことです。種類ごとに見ると、売れた量の78パーセントをしめる「銘柄米」は、前の週より87円安い3521円で、前の年の同じ時期より17.6パーセント安くなりました。売れた量の22パーセントをしめる「ブレンド米」などは、前の週より106円安い3237円でした。一方で、売れた米の量は、前の年の同じ時期と比べて12.6パーセント少なくなっています。
ここで、ニュースに出てきた言葉を説明します。「POSデータ」とは、店のレジで品物が売れたときに、何が、いくらで、いくつ売れたかを自動で記録した情報のことです。「銘柄米」とは、産地や品種の名前をつけて売られている米のことです。「ブレンド米」とは、いくつかの種類の米をまぜ合わせて売られている米のことです。米の値段が下がると、毎日ごはんを食べるわたしたちの家庭の負担が軽くなります。みなさんも家の人と買い物に行ったときは、米売り場の値段を見て、数字がどう変わっていくのか注目してみてください。
万博で活やくした給水機52台、高石市の全小中学校に設置へ
暑い日が続く季節、学校で水とうの中身がなくなって困ったことはありませんか。2025年に大阪府で開かれた「大阪・関西万博」の会場には、マイボトルに無料で水を入れられる機械「給水機」が52台設置され、たくさんの来場者の暑さ対策に役立ちました。万博が終わった後、この給水機をどう生かすのかに注目が集まっていました。
給水機などを作る会社である株式会社OSGコーポレーションは、2026年6月11日、万博で使っていた給水機を大阪府高石市にある全部の小中学校10校に移して設置し、児童や生徒の「熱中症」を防ぐ取り組みと、マイボトルの利用を広めるかんきょう教育に生かすことを発表しました。株式会社OSGコーポレーションは、高石市の教育委員会などと協力してこの取り組みを進めていて、お金のもとには「三宅みらい教育基金」という基金が活用されました。
これに先立つ6月2日には、高石市立の「加茂小学校」で、布を外して新しい設備をおひろめする式である「除幕式」と、体験しながら学ぶかんきょう教育の授業「ステハジ」が行われました。
株式会社OSGコーポレーションによると、万博の会場では大きな成果がありました。給水機などを使った「サステナブル体験」の回数は1,200万回にのぼり、へらすことができた二酸化炭素の量は約1,000トンでした。また、ペットボトルからマイボトルへ切りかえた人は半数以上になり、会場内のプラスチックごみは、はじめに考えられていた量の半分にへりました。さらに、万博の期間中に「熱中症」で亡くなる事故は0件でした。
ここで、むずかしい言葉の意味をたしかめましょう。「熱中症」とは、暑さで体に熱がこもり、めまいや頭痛など、体の調子が悪くなることです。「サステナブル」とは「持続可能」、つまり、地球のかんきょうを守りながら、ずっと続けていけるという意味の言葉です。二酸化炭素は、ふえすぎると地球の気温が上がる「地球温暖化」の原因になるといわれている気体です。
マイボトルを使えば、ペットボトルのごみをへらし、二酸化炭素をへらすことにつながります。そして、給水機でこまめに水分をとれば、「熱中症」を防ぐことにも役立ちます。万博で生まれた取り組みが学校の中で生き続けることは、持続可能な社会(SDGs)の実現への一歩です。みなさんも、水とうやマイボトルを持ち歩くことから始めてみませんか。
「きらい」という気持ちは脳の中でどう作られる? 東京大学がマウスで解明
みなさんには、なかよしだった友だちが、ある日きゅうに悪口を言ったりいじわるをしたりして、「もうきらいだ」と思ってしまった経験はありませんか。だれかを「すき」と思ったり「きらい」と思ったりする気持ちは、わたしたちの頭の中にある「脳」で作られています。とくに、いちど親しくなった相手を、あることをきっかけに「きらい」と感じるようになるとき、脳の中で何が起きているのかは、これまでくわしく分かっていませんでした。
2026年7月10日、東京大学定量生命科学研究所の奥山輝大教授と王牧芸特任研究員、東京大学大学院医学系研究科の須藤成俊大学院生たちの研究チームが、この気持ちが生まれるしくみを明らかにしたと発表しました。この研究は科学技術振興機構(JST)と共同で発表され、世界でよく読まれている科学の雑誌「Science」にものりました。論文の題名は「Neural circuits for valence updating in social memory」で、日本語にすると「社会的な記おくの中で、すき・きらいが書きかえられる神経回路」という意味です。
研究チームは、ネズミのなかまである「マウス」を使って実験を行いました。今まで親しくしていた相手から、あるとき急にこうげきされると、マウスはその相手を「きらい」と感じるようになります。チームは、このときマウスの脳の中でどんな変化が起きているのかを、くわしく調べました。
その結果、だれと会ったかという「記おく」をためておく脳の場所(海馬という部分)と、すき・きらいなどの気持ちを生み出す脳の場所とが、より強くつながることが分かりました。さらに、この二つに、やる気などに関わる別の場所を加えた三つの場所が、「神経回路」というつながりを作っていて、そのつなぎ目のつながり方やはたらき方が変化することで、特定の相手への「きらい」という気持ちが生まれていたのです。
研究チームは、この脳のはたらきを外から操作して、特定の相手への「きらい」という気持ちを人の手で作り出したり、反対に消したりすることにも成功しました。これは、だれかへの「きらい」という気持ちが、脳のどの部分の、どんな変化によって生まれるのかを、はっきりと示した大きな成果です。この研究は、JSTなどのしくみによる支えを受けて行われました。
今回の研究に出てきた「神経回路」とは、脳の中で情報をやりとりする神経の細い道すじが、つながり合ったもののことです。また「海馬」は、脳の中でも、だれと会ったか・何があったかといった記おくをためておく大切な場所です。人ではなくマウスが使われたのは、マウスの脳のしくみが、人の脳を知るための手がかりになるからです。
だれかを「きらい」と感じる気持ちは、だれにでもあるふつうの心の動きです。今回の研究のように、その気持ちが脳のどこで、どのように作られるのかが分かってくると、心になやみをかかえた人を助けたり、人と人とがよりよくつき合えるようにしたりする方法を考える手がかりになると期待されています。みなさんが友だちに感じる「すき」や「きらい」の気持ちにも、じつは脳のはたらきがふかく関わっているのです。
OpenAIが新しいAI「GPT-5.6」を発表し、仕事を助ける「ChatGPT Work」も登場しました
みなさんの中には、コンピューターやスマートフォンで「AI(人工知能)」に質問をして、答えてもらったことがある人もいるかもしれません。AIとは、人間のように言葉を理解して、文章を書いたり質問に答えたりするコンピューターの仕組みのことです。情報通信技術(ICT)がくらしを便利にしている今、AIを作る会社どうしは「もっとかしこく、もっと安く使えるAI」を目指して激しく競争しています。アメリカの「OpenAI」という会社も、その一つです。
OpenAIは2026年7月9日(アメリカ時間)、新しいAIモデルのファミリー(仲間のまとまり)「GPT-5.6」を発表し、だれでも使えるように提供を始めました。GPT-5.6には「Sol」「Terra」「Luna」という三つの種類があります。同時にOpenAIは、エージェント型の業務アシスタント「ChatGPT Work」も発表しました。代表モデルの「GPT-5.6 Sol」は、コーディング、知識労働(知識を使って行う仕事)、サイバーセキュリティ、科学の分野で、もっとも進んだ性能を、より少ないトークンと低いコストで達成したと、OpenAIは説明しています。
AIの性能を比べる試験の結果も発表されました。「Agents' Last Exam」という試験でGPT-5.6 Solは53.6点を取り、べつのAIである「Claude Fable 5」を13.1ポイント上回りました。「Artificial Analysis Intelligence Index」という試験では、いちばん深く考える設定にしたSolが、Claude Fable 5に1点差まで近づきながら、作業を終えるまでの時間を61パーセント短くし、コストを約半分におさえました。さらに「Artificial Analysis Coding Agent Index」という試験では、Solが80点という新記録を出し、Claude Fable 5を2.8ポイント上回りました。考える深さを中くらいにした設定でも、Claude Fable 5を11.4ポイント上回り、コストは約4分の1でした。
価格は、100万トークンあたり、Solが入力5ドル・出力30ドル、Terraが入力2.5ドル・出力15ドル、Lunaが入力1ドル・出力6ドルです。GPT-5.6は、「ChatGPT Work」、「Codex」というサービス、ほかのソフトから使うための「API」を通じて発表の日から提供が始まり、24時間かけて段階的に全世界へ広げられます。
ここで、難しい言葉を簡単にまとめます。「エージェント」とは、人が一つ一つ指示しなくても、目的に向かって自分で考えて作業を進めてくれるAIのことです。「トークン」は、AIが文章をあつかうときの単位で、言葉を細かく区切ったひとかけらのようなものです。AIを使う価格は、このトークンの数をもとに決められています。「コーディング」は、コンピューターへの指示書であるプログラムを書くことです。「サイバーセキュリティ」は、コンピューターや情報を悪い人から守ることです。AIがより安く、より速く、よりかしこくなると、勉強の調べものや、ものづくりなど、みなさんの毎日の生活のいろいろな場面で役立つようになります。みなさんが大人になるころには、AIといっしょに働くことが当たり前になっているかもしれません。だからこそ、こうしたニュースに関心を持ち、AIを正しく使う力を身につけていくことが大切です。