2026年8月5日(水)のこどもニュース
中止になった花火玉、万博の夜空へ キリンビールが全国の花火大会の今を調査

夏の夜空に大きな花火が開くのを、楽しみにしている人は多いでしょう。しかし今、全国の花火大会の中には、続けるのが難しくなっているものがあります。花火大会を開くには、花火玉を買うお金や、会場の準備と安全を守るための人手など、たくさんのお金と人の力が必要だからです。そこで、キリンビール株式会社は、「晴れ風ACTION」という活動を通して、花火の文化を支える取り組みを進めています。

キリンビール株式会社は2025年7月31日、中止となった全国の花火大会で打ち上げる予定だった花火玉を集め、大阪・関西万博で打ち上げるイベント「晴れ風ACTION特別共催 未来につなぐ希望の花火」を開くと発表しました。大阪・関西万博は、世界の国や地域が参加して大阪府で開かれている大きな国際イベントで、花火は2025年8月23日の土曜日に打ち上げられます。
あわせてキリンビール株式会社は、全国の花火大会の運営事務局や自治体461件と、生活者800名を対象にした独自の調査をまとめた『全国花火大会白書2025』を公開しました。調査では、約4分の1にあたる24.1%の花火大会が、新型コロナウイルス以外の理由で、過去5年以内に中止または規模の縮小をしていたことが分かりました。理由は、資金不足が55.0%、人手不足が33.3%、雨や風などの天候不順が30.6%でした。
また、花火大会の運営の90%が運営上の課題を感じていて、最も多いのは資金不足の83.4%、次が人手不足の63.9%でした。大会を開く費用は過去10年で平均34%値上がりしていて、79.4%の運営が、市民や生活者からのお金の協力が必要だと答えています。花火大会を運営する人の平均年れいは約49才、花火師の平均年れいは約55才でした。一方で、全国の花火大会の経済波及効果の総額は2兆3687億円にのぼります。生活者への調査では、55.9%の人が花火大会が減ったり規模が小さくなったりしていると感じていて、73.2%の人が今後も花火大会が続いてほしいと答えました。
ニュースに出てきた「白書」とは、調べて分かったことを報告するためにまとめた本のことです。「花火師」は、花火玉をつくったり打ち上げたりする花火の職人のことです。「経済波及効果」とは、あるできごとをきっかけに、世の中でお金が動いて広がっていく効果のことです。花火大会が開かれると、見に来た人が電車やバスに乗ったり、食事や買い物をしたりするので、地域にたくさんのお金が回るのです。
夏の花火は、多くの人の力とお金に支えられて続いてきた文化です。みなさんが花火大会に出かけて楽しむことも、その文化を支える力の一つになります。中止になった花火玉が万博の夜空に上がる8月23日、花火を未来につなぐことの意味を考えてみてはどうでしょうか。
使い終わったロケットが月にしょうとつする見通し NASAが観測を計画

夜空の月を望遠鏡で見ると、表面にたくさんの丸いくぼみがあることが分かります。これはクレーターと呼ばれ、多くは宇宙から飛んでくる石がぶつかってできたものです。ところで、宇宙にロケットを打ち上げたあと、使い終わったロケットの部品がどこへ行くのか、考えたことはありますか。今回、人間が打ち上げたロケットの一部が月にぶつかるという、めずらしい出来事が起ころうとしています。

アメリカのNASA(米航空宇宙局)とロケット会社のスペースXは、2026年8月4日(米東部時間)、スペースXのファルコン9ロケットの使用済みの上段(上の部分)が、8月5日に月にしょうとつする見通しだと発表しました。ぶつかる場所は、月のアインシュタイン・クレーターとベル・クレーターの近くと見られています。この上段は、2025年1月15日に、ファイアフライ・エアロスペース社の月着陸船ブルーゴースト1を打ち上げたときに使われたものです。この打ち上げは、NASAが民間の会社に月への輸送をまかせるCLPS(商業月輸送サービス)という計画のもとで行われました。上段はその後、太陽の活動と重力のえいきょうで、予定していなかったのに月の近くを回る道すじにもどってきてしまいました。
NASAの地球接近天体研究センター(CNEOS)は、月にしょうとつする確率は100%だと確認しています。しょうとつすると、はば約18メートル、深さ約3.7メートルの新しいクレーターができる見通しです。しょうとつの様子は地球から肉眼では見えませんが、NASAマーシャル宇宙飛行センターの流星などを調べるチームが、地上の望遠鏡でリアルタイムの観測を試みる予定です。ただし、天候や光の当たり方の条件によっては、観測がむずかしくなる可能性もあります。また、NASAの月周回衛星LROと、かん国の探査機KPLOにのせられたカメラのシャドーカムも、しょうとつの前後にさつえいする機会を探ります。NASAによると、このしょうとつで地球に危険はありません。月には大気がないため、いん石はいつも月にぶつかっていて、今回の上段と同じくらいのエネルギーを持ついん石は約6日に1回のペースで月にぶつかっている、とNASAは説明しています。
ここで、ニュースに出てきた言葉をふり返りましょう。「クレーター」とは、いん石などがぶつかったときにできる丸いくぼみのことです。「いん石」とは、宇宙を飛んでいる石や岩のかたまりが、月や地球などの天体に落ちてきたものです。地球では大気があるため多くはとちゅうで燃えつきますが、大気のない月にはそのままぶつかります。使い終わったロケットが月にぶつかる様子をくわしく観測できれば、月のクレーターがどのようにできるのかを知る手がかりになります。宇宙開発が進むこれからの時代には、使い終わったロケットの行き先を考えることも大切になっていきます。みなさんも夜空の月を見上げて、そこで起きている出来事を想像してみてはどうでしょうか。