かん国の探査機ダヌリ、ロケットが月にぶつかる前後のようすをさつえい

夜空にうかぶ月を望遠鏡で見ると、たくさんの丸いくぼみが見えます。これはクレーターとよばれ、宇宙の岩などがぶつかってできたものです。ところで、ロケットは人工衛星や探査機を宇宙に運び終えたあと、機体の一部が宇宙に残ることがあります。今回、アメリカのスペースXという会社のファルコン9というロケットの上段(上の部分)が、月にぶつかることが前から予想されていました。月に新しいクレーターができるようすを間近で調べられる、めったにない機会です。そこで、月のまわりを回っているかん国の探査機ダヌリが、そのようすを観測することになりました。

かん国の宇宙航空庁(KASA)は2026年8月6日、月周回探査機ダヌリ(KPLO)がさつえいした、ロケットがぶつかる前後の観測データを公開したと発表しました。宇宙航空庁の庁長はオ・テソクさんです。発表によると、ファルコン9の上段は、かん国時間の8月5日午後3時34分、月の裏側寄りにあるアインシュタイン・クレーターの近くの月面にぶつかりました。ダヌリは、ぶつかる30分前の午後3時1分から8月6日の朝7時ごろまで、合わせて8回さつえいしました。さらにその前の7月9日にも、あとで比べるための写真を2回とっていました。さつえいのとき、ダヌリからぶつかった場所までのきょりは約340〜350キロメートルでした。さつえいには、高解像度カメラ(LUTI)と、光の性質を調べる広視野偏光カメラ(PolCam)が使われました。LUTIの解像度は、写真の1つの点が月面の5メートル分にあたる細かさです。この観測データは、国際協力によってアメリカのNASAの月周回探査機LROのさつえい計画にも生かされ、今後はダヌリとLROのデータをNASAと共同でくわしく調べる予定です。新しくできたクレーターの大きさや形、飛び散った砂や岩の広がり、月の表面での光の反射や偏光の変化などが調べられます。
ここで、むずかしい言葉をかんたんに説明します。「クレーター」は、物がぶつかった衝撃などでできる円形のくぼみのことです。「解像度」は、写真をどれだけ細かく写せるかを表す度合いのことで、細かいほど小さな物まで見分けられます。「偏光」は、ふるえる向きがかたよった光のことで、月の表面ではね返る光の偏光を調べると、表面の砂のようすなどを知る手がかりになります。月に新しいクレーターができる前後を調べることは、月の表面や成り立ちを知る大切な手がかりになります。かん国とアメリカのように、国のわくをこえて協力しながら宇宙を調べる動きはこれからも広がっていきます。みなさんが大人になるころには、月のことがもっとくわしく分かっているかもしれません。