1買い物客が、とつぜんさいがいの中に げきのようなぼうさいくんれん


広島大学と理化学研究所の研究チームが、2つのグループのマウスを使って、ダニのアレルギーをくらべるじっけんをしました。2つのグループのマウスは、親から子へ受けつがれて体のつくりを決める「遺伝子」が、まったく同じです。どちらのマウスのひふにも、ダニにふくまれるアレルギーを起こすものをくり返しぬると、ひふが赤くはれる病気「アトピー性皮膚炎」とよくにた病気になりました。

ところが、1つだけ大きなちがいがありました。一方のグループのマウスは、病気が進むにつれてはっきりとかゆがる行動を見せましたが、もう一方のグループのマウスは、かゆがる行動を見せなかったのです。
どちらのマウスの体の中でも、アレルギーのときにふえる「IgE抗体」が作られ、ひふにはれを起こすさいぼうが集まっていました。つまり、病気そのものは同じように起きているのに、かゆみだけがちがっていたのです。
2つのグループでちがっていたのは、「T細胞」の表面にある「T細胞受容体」だけでした。T細胞は、体に入ってきたてきを見つけて、やっつけるように命じる、血の中のさいぼうです。T細胞受容体は、そのT細胞がもつセンサーのようなもので、相手をつかむ形がT細胞ごとに少しずつちがいます。どちらのマウスのT細胞も同じダニのものにはんのうしますが、このセンサーの形だけがちがっていたのです。また、かゆみにかかわる「IL-22」というものが、ひふの中にどれだけあるかも、2つのグループでちがっていました。
研究チームは、ダニにはんのうするT細胞から、まったく同じ遺伝子をもつマウスを作る「クローンマウス」の作り方を、世界ではじめて開発しました。こうして、同じダニのものにはんのうするけれどT細胞受容体だけがちがう、2つのグループのマウスができたのです。
この研究は、広島大学のかみぬまおさむ先生と、理化学研究所のいのうえきみこさんたちのチームが、2026年7月1日に発表しました。研究のくわしいことを書いた文章は、6月24日に「Allergology International」という世界の学者が読むざっしにのっています。
アレルギーの病気は、同じものにアレルギーがある人どうしでも、しょうじょうの出方が人によってちがいます。今回のマウスのけっかから、T細胞受容体のちがいが、そうした人によるちがいを生む理由の一つになっているかもしれないことが分かりました。