1買い物客が、とつぜんさいがいの中に げきのようなぼうさいくんれん


水道水や川の水から、カビのようないやなにおいがすることがあります。そのもとになるのは、クロロアニソールのなかまとよばれるものです。中でも2,4,6-トリクロロアニソール、みじかく2,4,6-TCAとよばれるものは、水にほんの少しまじっているだけでも人がにおいを感じてしまう、よく知られたにおいのもとです。クロロアニソールのなかまは、「塩素」という水をきれいにするために入れる薬を使った水道水や、えんそを使ってきれいにした下水の水が流れこむ川で、見つかることがあります。

2,4,6-TCAは、これまで主にカビのなかまがつくると考えられてきました。けれども水の中では、「細菌」という、カビよりもさらに小さくて目に見えない生き物もかかわっているのではないかと考えられていました。これが今回の研究の手がかりです。
東京工科大学おうよう生物学部のうらせたろうきょうじゅ、ごとうさきこうし、木村まさひろ助教たちの研究グループは、クロロアニソールのなかまをたくさんつくる、マイコリシバクテリウムというなかまのさいきんに目をつけました。そして、このさいきんの全ゲノム、つまり親から子へつたわる体のつくり方のじょうほうのすべてを調べました。
その中から研究グループは、2,4,6-TCAをつくるのにかかわる「酵素」を見つけました。こうそとは、生き物の体の中で、あるものをべつのものに作りかえるはたらきをするものです。見つかったこうそは、O-メチルトランスフェラーゼという名前です。研究グループは、このこうそをつくるもとになる、いでんしとよばれる部分を、研究でよく使われる「大腸菌」というさいきんに入れて、はたらかせてみました。すると、もとになる2,4,6-トリクロロフェノール、みじかく2,4,6-TCAとよばれるものから、2,4,6-TCAができることがたしかめられました。
さいきんがつくるこのこうそをつきとめたのは、世界ではじめてです。この研究で、さいきんが2,4,6-TCAをつくるしくみの一部が明らかになりました。研究の内ようは、2026年9月7日づけで、世界の研究者が読むWater Research Xというざっしにオンラインでのりました。今後は、水の中でにおいが発生するおそれがどれくらいあるかを調べることに、この研究を役立てることが期待されています。