「内申書」は生徒にどうえいきょう? 東京大学のチームが全国を調査
中学生になると、「内申書」という言葉を耳にすることが多くなります。内申書は、調査書とも呼ばれ、中学校での成績や学校生活のようすを書いて、高校の入試のときに高校へ提出する大切な書類です。テストの点だけでなく、毎日の授業への取り組みや、部活動、委員の仕事なども見られると言われています。そのため、「内申書のために」と考えて行動する生徒も少なくありません。
こうした内申書が、生徒の行動や高校入試の仕組みに、どんなえいきょうをあたえているのかを調べた研究の成果が発表されました。研究をまとめたのは、東京大学大学院教育学研究科の教授である中村高康さんを代表とする研究チームです。東京大学社会科学研究所のふじわらしょうさん(じゅん教授)たちも、いっしょに研究を行いました。
研究チームは、2020年に、マクロミルという会社に登録した人たちを通じて、全国の高校生を対象にアンケート調査を行いました。調査に答えた高校生は、約3000人にのぼりました。この調査では、高校入試の制度と学校生活の関係を、社会学という学問のやり方で調べました。
そのなかで研究チームは、「内申書支配率」という新しい考え方を示しました。これは、内申書を意識して、自分の行動が変わった生徒がどれくらいいるかを表す割合のことです。また、研究チームは、高校入試の制度が都道府県によってちがうことに注目し、いくつかの都や県をくらべて調べました。
この研究は、国のお金などの助けを受けて行われました。そして、その成果は、中村高康さんが中心となってまとめた『高校入試と内申書』という本になり、2025年3月に中央公論新社から出されました。
ここで出てきた「内申書」とは、中学校での成績や学校生活のようすを書いて、高校に伝える書類のことです。「内申書支配率」とは、内申書を気にして行動を変えた生徒の割合を表すために、研究チームが新しく考え出した言葉です。内申書は、全国どこでも同じではなく、都道府県によって入試の仕組みがちがいます。
高校入試は、多くの小学生がこれから受けることになる大切なものです。内申書がどのように生徒の行動とつながっているのかを知ることは、自分らしく学校生活を送るためのヒントになります。中村高康さんたちのこの研究は、よりよい入試の仕組みを考える助けになると期待されています。