2026年6月7日(日)のこどもニュース
宇都宮市のまちなかでクマを見たという知らせがつぎつぎと
みなさんは、毎日通っている学校や、休みの日にあそぶ公園の近くで、もしクマを見かけたらどうしますか。クマはふつう、食べ物やかくれ場所のある山や森でくらしている生き物です。生き物は、まわりのかんきょうと深くかかわって生きています。ところが、その食べ物をさがしてか、まちの中まで出てくることがあります。今回、栃木県の宇都宮市で、住宅街や学校、公園など、人の多い場所でクマを見かけたという知らせがつぎつぎとよせられました。
宇都宮市の農林生産流通課は、2026年6月6日(土)から6月7日(日)にかけて、市内のあちこちでクマを見かけたという知らせが相次いだと発表しました。宇都宮市は市民に対して、外を歩くときには十分に気をつけるよう知らせを出し、いまはりょう友会の人たちが見回り(パトロール)を行っています。
6月7日には、7つの知らせがありました。①午後8時30分ごろ、西川田町の姿川中学校の南がわ300mあたり、②午後4時40分ごろ、西川田町の「たいらや」の南がわ150mあたり、③午後3時58分ごろ、西川田町の姿川中学校の校庭、④午前5時30分ごろ、西川田町の姿川中学校の北がわ100mあたり、⑤午前5時15分ごろ、大つか町の宇都宮高等学校の南がわ300mあたり、⑥午前5時8分ごろ、明保野町の明保野公園の中、⑦午前1時14分ごろ、はなわ田1丁目の栃木県立図書館のあたりです。
6月6日には、2つの知らせがありました。①午後9時10分ごろの上大そ町、②午後6時30分ごろの富士見がおか1丁目です。
もしクマを見かけたときの宇都宮市のれんらく先は、平日が農林生産流通課(028-632-2477)、夜や休みの日はコールセンター(028-632-2222)です。
「りょう友会」とは、狩りをする人たちが集まってつくっている会のことで、今回のようにクマが出たときには、まちの安全を守るために見回りをしてくれます。「注意喚起(ちゅういかんき)」とは、あぶないことがあるので気をつけてください、と多くの人に知らせることです。地域の安全のためには、自分たちにもできることがあります。クマが出ているという知らせを聞いたら、一人で森や草むらに近づかない、朝早くや夜おそくの外出に気をつける、知らせがあった場所をおぼえておくなど、家の人と話し合っておくことが大切です。生き物とわたしたちが、それぞれ安全にくらしていくために、正しい知らせを聞いて、おちついて行動できるようにしておきましょう。
保育所などでの「ぎゃくたい」を防ぐ 新しいルールが始まりました
みなさんが小さかったころ、保育所やようちえんで毎日を過ごした人も多いと思います。そこでは、先生や職員の人たちが子どもを守り、世話をしています。でも、まれに大人が子どもをたたいたり、ひどい言葉で傷つけたり、必要な世話をしなかったりすることがあります。こうした行いは「ぎゃくたい」とよばれ、子どもの心や体を深く傷つけてしまいます。国は、こうしたことを防ぎ、子どもが安心して過ごせるようにするため、新しいルールをつくりました。
こども家庭庁と文部科学省は、令和7年(2025年)8月に、保育所やようちえんなどでのぎゃくたいを防ぐための「ガイドライン」とよばれる手引きを新しく作り直しました。これまでは「不適切な保育」という考え方で整理していましたが、これをやめました。かわりに、ぎゃくたいを「身体的ぎゃくたい(体への暴力)」「性的ぎゃくたい」「ネグレクト(必要な世話をしないこと)」「心理的ぎゃくたい(心を傷つけること)」の4つに分け、それぞれの具体例をはっきり示しました。そして、令和7年10月1日からは、ぎゃくたいが疑われる子どもを見つけた人は、すぐに都道府県や市区町村に知らせる義務(通報の義務)ができました。このルールのもとになったのは、令和7年4月に成立・公布された、あらためられた児童ふくし法(令和7年法律第29号)という法律です。また、都道府県は毎年度、その地域のぎゃくたいのようすをまとめて公表する義務も決められました。令和8年度からは、全国で同じ調査票を使ってぎゃくたいの事例を調べることも予定されています。さらに、ぎゃくたいを防ぐための事業として、専門の人材を活用したり、実務者会議を設けたり、職員の研修を行ったりする取り組みに、国がお金を補助することも決まりました。
「通報の義務」とは、ぎゃくたいがあるかもしれないと気づいた人が、必ず役所に知らせなければならない決まりのことです。今回の新しいルールでは、これまでつかわれていた「不適切な保育」という言い方をやめ、「ぎゃくたい」という言葉を中心に整理し直したことが大きな点です。こうすることで、何がいけないことなのかがはっきりし、まわりの大人が早く気づいて知らせやすくなります。保育所やようちえんは、みなさんの弟や妹、これから生まれてくる小さな子どもたちが過ごす場所でもあります。子どもが安心して毎日を過ごせる場所をつくるこの取り組みは、わたしたちみんなの未来につながる大切な一歩です。
夏のカビに気をつけて 「夏がた」のはいえんとは
梅雨から夏にかけて、おふろ場やまどのまわり、エアコンの中に、黒い「カビ」が出てくるのを見たことはありませんか。理科で習ったように、生き物はまわりのかんきょうと関わって生きていて、カビも気温が高くてしめりけの多い場所が大すきです。だから、あたたかくてじめじめする日本の夏は、家の中でカビが増えやすい季節なのです。じつは、このカビが原因で起こる病気があります。
2025年7月30日、いっぱん社団法人 日本呼吸器学会が、家の中にいるカビが原因で起こる「夏がたかびんせいはいえん」について、くわしく解説し、注意をよびかけました。これは、カビなどを何度もくり返し吸いこむことで起こる、肺の病気です。
日本で一番多いこのタイプのはいえんは「夏がた」とよばれ、原因は「トリコスポロン」というカビ(真菌のなかま)です。このカビは、気温が20度くらいで、しめりけがとても多い場所で増えます。とくに、古い木造住宅や、風通しの悪い部屋、そうじをしていないエアコンなどが、増えやすい場所になります。
出てくる体のようす(しょうじょう)は、せき、発熱、息苦しさ、体のだるさです。はじめのうちは、ふつうのかぜととてもよく似ているので、気づきにくいのが心配な点です。
そして、同じカビを何度もくり返し吸いこんでいると、病気が長引いて、肺がかたくなってしまうおそれがあります。
学会は、ふせぐための方法も教えています。雨もりしている所はなおすこと、エアコンのフィルターをそうじすること、空気を入れかえてしめりけを取ること、そうじきをかけること、布団やカーテンを洗たくすることなどです。家の中がカビくさいと感じたら、すぐにそうじや点検をします。そして、毎年夏になると同じようなぐあいの悪さがくり返す人は、専門医(その病気にくわしいお医者さん)に相談するとよいそうです。
ここに出てきた「トリコスポロン」は、家の中にすむカビの一種で、「真菌」とはカビやキノコの仲間のことです。「かびんせいはいえん」は、こうしたカビなどを何度も吸いこんで起こる肺の病気です。むずかしそうに聞こえますが、ふせぐ方法の多くは、空気の入れかえやそうじなど、わたしたちが毎日できることばかりです。夏にカビを見つけたら、家族といっしょにそうじや点検をして、元気に夏をすごしましょう。
「内申書」は生徒にどうえいきょう? 東京大学のチームが全国を調査
中学生になると、「内申書」という言葉を耳にすることが多くなります。内申書は、調査書とも呼ばれ、中学校での成績や学校生活のようすを書いて、高校の入試のときに高校へ提出する大切な書類です。テストの点だけでなく、毎日の授業への取り組みや、部活動、委員の仕事なども見られると言われています。そのため、「内申書のために」と考えて行動する生徒も少なくありません。
こうした内申書が、生徒の行動や高校入試の仕組みに、どんなえいきょうをあたえているのかを調べた研究の成果が発表されました。研究をまとめたのは、東京大学大学院教育学研究科の教授である中村高康さんを代表とする研究チームです。東京大学社会科学研究所のふじわらしょうさん(じゅん教授)たちも、いっしょに研究を行いました。
研究チームは、2020年に、マクロミルという会社に登録した人たちを通じて、全国の高校生を対象にアンケート調査を行いました。調査に答えた高校生は、約3000人にのぼりました。この調査では、高校入試の制度と学校生活の関係を、社会学という学問のやり方で調べました。
そのなかで研究チームは、「内申書支配率」という新しい考え方を示しました。これは、内申書を意識して、自分の行動が変わった生徒がどれくらいいるかを表す割合のことです。また、研究チームは、高校入試の制度が都道府県によってちがうことに注目し、いくつかの都や県をくらべて調べました。
この研究は、国のお金などの助けを受けて行われました。そして、その成果は、中村高康さんが中心となってまとめた『高校入試と内申書』という本になり、2025年3月に中央公論新社から出されました。
ここで出てきた「内申書」とは、中学校での成績や学校生活のようすを書いて、高校に伝える書類のことです。「内申書支配率」とは、内申書を気にして行動を変えた生徒の割合を表すために、研究チームが新しく考え出した言葉です。内申書は、全国どこでも同じではなく、都道府県によって入試の仕組みがちがいます。
高校入試は、多くの小学生がこれから受けることになる大切なものです。内申書がどのように生徒の行動とつながっているのかを知ることは、自分らしく学校生活を送るためのヒントになります。中村高康さんたちのこの研究は、よりよい入試の仕組みを考える助けになると期待されています。