世界29か国以上が共同声明 アメリカとイランの「覚書」をかんげい
みなさんは、友だちと考えがちがって、なかなか仲直りできないことはありませんか。国と国の間でも、長い間うまくいかず、戦争になりそうなほど対立が続くことがあります。アメリカ(米国)とイランという中東の国も、長い間きびしい関係が続いてきました。
イランの近くには「ホルムズ海峡」という、せまい海の通り道があります。世界の多くの船が、ここを通って原油(石油のもと)を運んでいます。日本は自分の国だけでは資源が足りないので、遠くの中東から原油を船で輸入しています。だから、この海の通り道が止まってしまうと、日本をふくむ世界中の生活や経済が、大きなえいきょうを受けてしまうのです。
2026年6月14日、こうした問題について、世界の多くの国の首脳(国のリーダー)が、いっしょに一つの「共同声明」を発表しました。声明を出したのは、英国、フランス、ドイツ、イタリアの4か国に加えて、日本、カナダ、オーストラリアなど、ぜんぶで29か国以上です。
この声明は、アメリカとイランが結んだ「覚書」という約束を、心からかんげいするものでした。長く対立してきた二つの国が話し合いで前に進んだことで、中東という地域の安定を取りもどし、世界の経済を落ち着かせる大きなきっかけになると考えたからです。
声明の中で、首脳たちは次のような共通の考えを示しました。一つめは、アメリカとイランの覚書をかんげいすること。二つめは、ホルムズ海峡で「条件をつけず、制限もない、自由な航行」が必ず守られなければならないこと。三つめは、「イランは決して核兵器を手に入れてはならない」ということです。
そして四つめに、もしイランが核の計画について「はっきりと、だれもが確かめられるやり方」で行動を示したなら、それに関係する「制裁」を解除する準備があると伝えました。さらに、アメリカやイラン、IAEA、近くの国々と協力していくこと、そしてレバノンという国の安定や主権、領土を一つに保つことを全面的に支える、とも述べています。
ここで、いくつかの言葉を説明します。「覚書」とは、国どうしが「こうしましょう」と決めたことを書いた約束のことです。「核兵器」とは、とても大きな力でたくさんの人をきずつけてしまう、おそろしい兵器です。「制裁」とは、ルールを守らない国に対して、ほかの国が品物の取り引きを止めるなどして、考えを改めるようにうながすことです。「IAEA」とは、世界の国々が核を平和のためだけに使っているかを見守る、国際的な組織です。
国と国との約束は、わたしたちには遠い話のように思えるかもしれません。けれども、ホルムズ海峡を通る原油のように、世界の国々はたがいに深くつながっています。多くの国が力を合わせて平和を願うこのニュースは、わたしたちのくらしや未来の安心にも、しっかりとつながっているのです。