2026年7月8日(水)のこどもニュース
富山空港の新しい「愛称」が「富山高山すし空港」に決まりました
みなさんは、回転ずしのお店に行ったことがありますか。すしは、今では世界中の人が知っている、日本を代表する食べ物です。海に囲まれた富山県も、おいしい魚がとれる場所として知られています。
その富山県にある富山空港は、飛行機で人や物が行き来する、県の入り口のような場所です。けれども今、この空港はなやみをかかえています。外国と結ぶ飛行機の多くが止まったままで、空港を使う人の数も減ってしまいました。そこで富山県は、世界の人に富山を選んでもらうために、空港の名前そのものを新しくすることにしました。
令和8年(2026年)7月8日水曜日、富山県の新田八朗知事は、定例の記者会見で、富山空港の新しい「愛称」、つまり親しみをこめたよび名を発表しました。新しい愛称は「富山高山すし空港」です。英語では「Toyama-Takayama Sushi Airport」と表します。この取り組みは、富山県の航空政策課が担当しています。
富山県は、「すし」と「高山」という二つの言葉をキーワードにして、空港の「ブランディング」を進めます。「すし」は世界中でよく知られていて分かりやすいので、「寿司といえば、富山」という発信を強めるねらいがあります。「高山」は、富山空港が岐阜県の「飛騨高山」地域へ向かう「空の玄関口」であることを世界に伝え、県境をこえていろいろな場所をめぐる旅を楽しんでもらうねらいがあります。
富山空港では、今年の4月から「混合型コンセッション」というしくみを取り入れ、行政と民間の会社が力を合わせた空港の運営が始まりました。一方で、令和7年度に富山空港を利用した人の数は、5年ぶりに前の年度より減りました。また、「台湾」の台北へ向かう便が、約6年半ぶりに再開することが決まりましたが、外国と結ぶ定期の路線の多くは、今も運休したままです。
言葉の意味を整理します。「愛称」とは、正式な名前とは別につけられる、親しみやすいよび名のことです。「ブランディング」とは、その土地や物のよさを一つのイメージにまとめ、多くの人に覚えてもらうための工夫です。「混合型コンセッション」は、行政と民間の会社が力を合わせて空港を運営するしくみです。「飛騨高山」は岐阜県にある地域で、古いまちなみが残ることで知られています。そして、その土地へ空から入るときの入り口になる場所を「空の玄関口」とよびます。
名前を変えれば、それだけで人が集まるとは限りません。それでも名前は、その土地が何を大切にしているのかを世界に伝える、最初の合図になります。みなさんが住む町にも、世界にじまんできるものがきっとあるはずです。富山県のちょうせんは、自分たちの町のよさをどんな言葉で伝えるかを考えるきっかけになりそうです。
赤ちゃんがなでられて落ち着く仕組み 研究グループが解明
ねむれない夜に、お父さんやお母さんが背中をやさしくなでてくれて、いつの間にかねむっていた。そんな思い出はありませんか。赤ちゃんも、背中をなでられると泣きやんだり、動きが静かになったりします。これは昔から多くの人が気づいていたことです。けれども、そのとき体や脳の中で何が起きているのか、なぜ落ち着くのかは、長い間よく分かっていませんでした。
2026年7月7日、「東邦大学」医学部の「吉田」さちね講師と「船戸弘正」教授らの研究グループが、赤ちゃんがなでられて落ち着く仕組みを解明したと発表しました。「麻布大学」「筑波大学」、東京大学、国立障害者リハビリテーションセンター研究所との共同研究で、実験は何年もかけて行われました。この研究の論文は2026年4月10日にインターネットで先に公開され、7月3日に学術誌 Communications Biology に正式に出ました。
研究グループは、まず0歳から2歳までの子どもとお母さん15組に協力してもらいました。背中をなでると、赤ちゃんの頭と下半身の動きがはっきり減りました。同じようになでても、後頭部や腹では動きは減りませんでした。なでる速さは1秒あたり平均で約10.5センチメートルでした。これは、心地よさを脳に伝える神経「C触覚線維」がいちばんよくはたらく速さと同じでした。
次に、赤ちゃんのマウスで調べました。背中を3分間なでると、筋肉の動きと「心拍数」が下がりました。さらに、ぐっすりねむっているときと同じくらい、ゆっくりした脳の波が増えました。つまり、ねむりに入りやすくなったのです。ひとりぼっちにされてストレスを感じているときには、ストレスホルモンであるコルチコステロンが増えるのをおさえるはたらきも見られました。
ところが、母マウスとふれ合う経験がほとんどないまま人工飼育で育った赤ちゃんマウスでは、こうした反応がどれ一つ起きませんでした。そこで研究グループが、ふつうに育ったマウスと人工飼育のマウスで、脳の「視床下部」の遺伝子のはたらきを比べたところ、人工飼育のマウスでは「Cacna1b」という遺伝子のはたらきが大きく下がっていました。さらに、ふつうに育ったマウスでこの遺伝子のはたらきを実験でわざと弱めると、人工飼育のマウスと同じように、なでても落ち着かなくなりました。
ここで、記事に出てきた言葉を整理します。「視床下部」は、脳の奥にあって、体温やホルモン、ねむりなどを調節している部分です。「C触覚線維」は、ゆっくりやさしくさわられたときによくはたらき、心地よさを脳に伝える神経です。「心拍数」は、1分間に心臓が動く回数のことです。「Cacna1b」は、カルシウムという物質が体の中を出入りする通り道(カルシウムチャネル)をつくるのに関わる遺伝子です。「触覚過敏」は、さわられることを人よりつらく感じることをいいます。
この研究は、なでられて落ち着く力が生まれつき決まっているのではなく、育つ間のふれ合いの経験と、脳の遺伝子のはたらきによって育っていくことを示しました。研究グループは、この成果が、たしかな研究の結果にもとづいた育児や保育に生かされ、「触覚過敏」や強い不安を感じる子どもを理解し、手助けすることにつながると期待しています。だれかにやさしくふれられる時間は、心と体を守る大切な時間なのかもしれません。