NVIDIAが日本で「AIファクトリー」を立ち上げへ ロボットを動かすAIを育てる大きな計算設備
みなさんは、スマートフォンに話しかけると答えてくれるAI(人工知能)を使ったことがあるかもしれません。いま世界では、画面の中だけでなく、ロボットや自動車のように実際の世界で体を動かして働くAI、「フィジカルAI」の開発が進んでいます。日本の政府は2026年3月に「AIロボティクス戦略」という計画を発表し、2040年までに世界のAIロボティクス市場の30%以上(お金にすると推定1,330億ドルの規模)を手に入れることを目標にしています。しかし、かしこいAIを育てるには、とても大きな計算の力が必要です。そこで、日本でその計算の力を用意する大きな取り組みが始まりました。
2026年7月16日、AI向けの半導体(コンピュータの頭脳になる部品)で世界的に知られる会社NVIDIA(エヌビディア)は、東京で新しい計画を発表しました。NVIDIAは、Noetra(ノエトラ)株式会社と協力し、経済産業省が支える形で、国家レベルのフィジカルAIの実現を目指す「NVIDIA Vera Rubin AIファクトリー」を立ち上げます。このAIファクトリーは、経済産業省が主導する(中心となって進める)「FRONTiaプロジェクト」に、AIを学習させるための計算の土台を提供します。そこには、13,750基以上の「NVIDIA Vera CPU」と27,500基以上の「NVIDIA Rubin GPU」が導入され、140MW(メガワット)の電力を使える大きなデータセンターがつくられます。この力で、1兆パラメータという大きな規模のAIモデルの学習を支えることができます。発表には、経済産業大臣の赤澤亮正さん、NVIDIAの創業者でCEO(会社のトップ)のジェンスン・フアンさん、Noetra株式会社の社長の丹波廣寅さんの三人のコメントもふくまれていました。
ここで、ニュースに出てきた言葉をかんたんに説明します。「フィジカルAI」は、ロボットや自動車のように、実際の世界で体を動かす機械の頭脳として働くAIのことです。「CPU」と「GPU」は、コンピュータの中で計算を受け持つ部品で、特にGPUはたくさんの計算を同時に行うのが得意なため、AIの学習に欠かせません。「データセンター」は、たくさんのコンピュータを集めて動かすための建物です。「パラメータ」は、AIの頭の中にある調整できる数のことで、多いほど複雑なことを学べます。「メガワット」は電力の大きさを表す単位で、140メガワットはとても大きな電力です。「AIファクトリー」の「ファクトリー」は英語で「工場」という意味で、工場が製品をつくり出すように、AIをつくって育てるための設備のことです。今回つくられる大きな計算の設備は、日本がロボットとAIの分野で世界の中で大きな役割を果たすための土台になります。2040年、みなさんが大人として働くころの日本を支える、大切な一歩となるニュースです。