ロケット会社スペースXがつくった町 アメリカにスターベース市が誕生
みなさんは、宇宙にロケットを打ち上げるアメリカの会社スペースXを知っていますか。スペースXは、大きな宇宙船スターシップの開発を進めていることで世界的に有名な会社です。日本の町や市は、長い時間をかけて人が集まってできてきましたが、アメリカでは、一つの会社が中心となって新しい町が生まれることがあります。今回は、スペースXのロケット開発の中心となってきた場所が、正式に一つの市になったというニュースです。
アメリカのテキサス州にある町ブラウンズビルの近くの海沿いに、ボカ・チカという地区があります。2014年8月、スペースXは、この人があまり住んでいない海沿いの土地を、宇宙船を打ち上げる基地の場所として選んだと発表しました。同じ年の9月22日には、ボカ・チカビーチで、工事の始まりを祝う起工式が行われました。2018年の終わりごろからは建物や設備づくりが本格的に加速し、2019年にはエンジンの試験や、スターシップの試作機を少しだけ飛び上がらせるホップと呼ばれる飛行試験が始まりました。2021年3月、スペースXはこの場所をスターベースという名前の市にする考えを発表しました。2022年の初めには、最初の家族がウィームズストリート(今のミームズストリート)の家に入居し、人々がずっと住み続けるための住宅地ができました。2023年には、この場所から初めて軌道への打ち上げが行われました。そして2025年、スペースXが正式に願い出たことで、スターベースは新しい市として編入され、スターベース市が誕生しました。今では500人をこえるスペースXの従業員とその家族が住み、企業城下町として発展しています。ただし、スターベース市の中には店などの商業の建物がまだほとんどないため、買い物や観光に来た人たちは、近くのブラウンズビル、ポート・イザベル、サウス・パドレ・アイランドといった町に向かいます。また、スターベース市はスペースXと協力して、1000エーカー(およそ4平方キロメートル)をこえる海沿いの自然を守る土地ロックハンズ・ミティゲーション・バンクの取り組みも行っています。
ここで、ニュースに出てきた言葉を確認しましょう。「軌道」とは、宇宙船や人工衛星が地球のまわりを回るときの通り道のことです。「編入」とは、ある地域が決められた手続きを経て、正式に市や町として認められることです。「企業城下町」とは、一つの大きな会社を中心に、そこで働く人たちとその家族が集まってできた町のことです。ロケットの打ち上げというと遠い世界の話のように思えますが、このニュースは、宇宙開発が、働く人たちの住む町づくりや、海沿いの自然を守る活動とも深く結びついていることを教えてくれます。みなさんが大人になるころには、宇宙に関わる仕事や町が、今よりもずっと身近なものになっているかもしれません。