東京とうきょうのゲンジボタル、7割わりをこえる群むれに他ほかの地域ちいきの遺伝子いでんしが混まざっていた

東京のゲンジボタル、7割をこえる群れに他の地域の遺伝子が混ざっていた
ホタル 出典: @yb_woodstock さん (CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons)

東京とうきょうにすむゲンジボタルの群むれのうち、70%をこえる群むれに、もともと東京とうきょうのあたりにはいなかったはずの遺伝子いでんしの型かたが混まざっていました。明星大学めいせいだいがく、国際こくさいきりすと教大学きょうだいがく、鹿児島大学かごしまだいがく、佐賀大学さがだいがくの共同研究きょうどうけんきゅうグループが、9月がつ8日ようかに発表はっぴょうした調査ちょうさの結果けっかです。研究けんきゅうの内容ないようは、科学かがくの専門雑誌せんもんざっしConservation Geneticsにのりました。

東京のゲンジボタル、7割をこえる群れに他の地域の遺伝子が混ざっていた
ホタル 出典: @yb_woodstock さん (CC BY-SA 2.0 / Wikimedia Commons)

ここでいう群むれとは、同おなじ川かわなど一ひとつの場所ばしょで暮くらして仲間なかまを増ふやしているホタルの集あつまりのことで、研究けんきゅうでは「個体群こたいぐん」と呼よびます。研究けんきゅうグループは、ホタルの体からだの中なかにある「ミトコンドリアDNA」を調しらべました。ミトコンドリアDNAは、生いき物ものの体からだの中なかにある遺伝子いでんしの一部いちぶで、母親ははおやから子こへそのまま受うけつがれるという性質せいしつがあります。その並ならび方かたの型かたを「ハプロタイプ」といい、型かたを比くらべると、そのホタルの先祖せんぞがどの地域ちいきで暮くらしてきたのかを知しる手てがかりになります。

研究けんきゅうグループは、全国ぜんこく164か所しょの個体群こたいぐんから集あつめた1,109ひきのゲンジボタルを調しらべました。すると、日本にほんのゲンジボタルは、大おおきく分わけて東本州ひがしほんしゅう、西本州にしほんしゅう・四国しこく、九州きゅうしゅうの三みっつの地域ちいきごとの「系統けいとう」に分わかれていることが確認かくにんされました。系統けいとうとは、同おなじ先祖せんぞから分わかれてきた大おおきなグループのことです。ところが東京とうきょうでは、70%をこえる個体群こたいぐんに、東京とうきょうをふくむ東本州ひがしほんしゅうの系統けいとうではない型かたが見みつかりました。特とくに西本州にしほんしゅう・四国しこくの系統けいとうの型かたがたびたび見みつかり、九州きゅうしゅうの系統けいとうの型かたも一部いちぶの地点ちてんで確認かくにんされました。調しらべた他ほかの地域ちいきには、東京とうきょうのように地域全体ちいきぜんたいで広ひろく混まざっている様子ようすは見みられませんでした。

今回こんかいの結果けっかは、人ひとが他ほかの地域ちいきからホタルを運はこんで放はなすことが、長ながい時間じかんをかけてできあがった地域ちいきごとの分わかれ方かたを乱みだしてしまう場合ばあいがあることを示しめしています。

そこで研究けんきゅうグループは、東京とうきょうのゲンジボタルを、複数ふくすうの地域ちいきの系統けいとうが混まざり合あった一ひとつの「管理単位かんりたんい」、つまり守まもり方かたを考かんがえるときのひとまとまりとしてあつかうことを提案ていあんしました。また、ホタルの数かずを増ふやすために外そとから個体こたいを放はなす「補強ほきょう」や、ホタルがいなくなった場所ばしょにもう一度いちどホタルを放はなす「再導入さいどうにゅう」を行おこなうときには、どこから来きたのか分わからない個体こたいを決きまりのないまま放はなすことはさけ、その場所ばしょから地理的ちりてきに近ちかく、遺伝的いでんてきに合あう場所ばしょのホタルを選えらぶようにすすめています。