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東京にすむゲンジボタルの群れのうち、70%をこえる群れに、もともと東京のあたりにはいなかったはずの遺伝子の型が混ざっていました。明星大学、国際きりすと教大学、鹿児島大学、佐賀大学の共同研究グループが、9月8日に発表した調査の結果です。研究の内容は、科学の専門雑誌Conservation Geneticsにのりました。

ここでいう群れとは、同じ川など一つの場所で暮らして仲間を増やしているホタルの集まりのことで、研究では「個体群」と呼びます。研究グループは、ホタルの体の中にある「ミトコンドリアDNA」を調べました。ミトコンドリアDNAは、生き物の体の中にある遺伝子の一部で、母親から子へそのまま受けつがれるという性質があります。その並び方の型を「ハプロタイプ」といい、型を比べると、そのホタルの先祖がどの地域で暮らしてきたのかを知る手がかりになります。
研究グループは、全国164か所の個体群から集めた1,109ひきのゲンジボタルを調べました。すると、日本のゲンジボタルは、大きく分けて東本州、西本州・四国、九州の三つの地域ごとの「系統」に分かれていることが確認されました。系統とは、同じ先祖から分かれてきた大きなグループのことです。ところが東京では、70%をこえる個体群に、東京をふくむ東本州の系統ではない型が見つかりました。特に西本州・四国の系統の型がたびたび見つかり、九州の系統の型も一部の地点で確認されました。調べた他の地域には、東京のように地域全体で広く混ざっている様子は見られませんでした。
今回の結果は、人が他の地域からホタルを運んで放すことが、長い時間をかけてできあがった地域ごとの分かれ方を乱してしまう場合があることを示しています。
そこで研究グループは、東京のゲンジボタルを、複数の地域の系統が混ざり合った一つの「管理単位」、つまり守り方を考えるときのひとまとまりとしてあつかうことを提案しました。また、ホタルの数を増やすために外から個体を放す「補強」や、ホタルがいなくなった場所にもう一度ホタルを放す「再導入」を行うときには、どこから来たのか分からない個体を決まりのないまま放すことはさけ、その場所から地理的に近く、遺伝的に合う場所のホタルを選ぶようにすすめています。