まんがの中なかの「見みえなくなる技術ぎじゅつ」を本物ほんものに 東京大学とうきょうだいがくのいなみ教授きょうじゅが語かたる

まんがの中の「見えなくなる技術」を本物に 東京大学のいなみ教授が語る
東京大学 出典: Richard, enjoy my life! (CC BY-SA 2.0 / Flickr)

東京大学とうきょうだいがくのいなみまさひこ教授きょうじゅは、長ながい間あいだ、立体映像りったいえいぞうや、現実げんじつの景色けしきに映像えいぞうを重かさねて見みせる「拡張現実かくちょうげんじつ」の研究けんきゅうを続つづけてきました。拡張現実かくちょうげんじつとは、目めの前まえの本物ほんものの景色けしきにコンピューターの映像えいぞうを重かさねて、現実げんじつを広ひろげて見みせる技術ぎじゅつです。

まんがの中の「見えなくなる技術」を本物に 東京大学のいなみ教授が語る
東京大学 出典: Richard, enjoy my life! (CC BY-SA 2.0 / Flickr)

ある日ひ、いなみ教授きょうじゅは「人ひとの後うしろにある景色けしきを、その人ひとの体からだの上うえに立体的りったいてきに映うつし出だせば、体からだがとう明めいに見みえるはずだ」と気付きづきました。そのとき頭あたまにうかんだのが、SFまんが「攻殻機動隊こうかくきどうたい」に登場とうじょうする「熱光学迷彩ねつこうがくめいさい」でした。熱光学迷彩ねつこうがくめいさいは、この作品さくひんの中なかで、体からだをまわりの景色けしきにとけこませて見みえなくする空想くうそうの装置そうちです。いなみ教授きょうじゅは、自分じぶんが思おもいついたことは、まさにその装置そうちと同おなじだと気付きづいたと話はなしています。

この気付きづきから、いなみ教授きょうじゅは、背景はいけいの映像えいぞうを体からだの上うえに映うつして姿すがたを見みえにくくする「光学迷彩こうがくめいさい」の技術ぎじゅつを実現じつげんしました。

「迷彩めいさい」という言葉ことばは、まわりの景色けしきに合あわせた色いろや模様もようで姿すがたを目立めだたなくすることを表あらわします。いなみ教授きょうじゅは、この言葉ことばが「背景はいけいと色いろを合あわせる」という発想はっそうにつながったと説明せつめいしています。

いなみ教授きょうじゅは、2021年ねん4月がつ9日ここのかに行おこなわれた対談たいだんの中なかで、こうしたいきさつを本人ほんにんの言葉ことばで語かたりました。さらに、テクノロジーの力ちからで人ひとの身体能力しんたいのうりょくを広ひろげる「自在化身体じざいかしんたい」という考かんがえ方かたを提唱ていしょうしていることも説明せつめいしました。自在化身体じざいかしんたいとは、テクノロジーを使つかって、人ひとの体からだでできることを思おもいのままに広ひろげていこうという考かんがえ方かたです。

いなみ教授きょうじゅは、1999年ねん3月がつに東とう京きょう大だい学がく大だい学がく院いん工こう学がく系けい研けん究きゅう科かの博士後期課程はくしこうきかていを終おえ、2001年ねん9月がつに東とう京きょう大だい学がく大だい学がく院いん情じょう報ほう理り工こう学がく系けい研けん究きゅう科かの助手じょしゅになりました。2015年ねん11月がつに同おなじ研究科けんきゅうかの教授きょうじゅとなり、2016年ねん4月がつからは、東京大学とうきょうだいがくの「先せん端たん科か学がく技ぎ術じゅつ研けん究きゅうセンター」の教授きょうじゅも務つとめています。このセンターは、新あたらしい科学技術かがくぎじゅつを研究けんきゅうする東京大学とうきょうだいがくの組織そしきです。

まんがにえがかれた空想くうそうの技術ぎじゅつが、研究けんきゅうの積つみ重かさねと一ひとつの気付きづきによって、現実げんじつのものになりました。