空飛ぶ救急ヘリ、飛べない地域も 国が体制を話し合います

急な病気や大きなけがのとき、わたしたちは救急車を呼びます。しかし日本の国土は山地が多く、島もたくさんあります。細い道が続く山おくや、海にうかぶ島では、救急車が着くまでに長い時間がかかることがあります。そこで役立つのが、医師や看護師を乗せて空を飛ぶヘリコプター、ドクターヘリです。消防と病院が協力し、けがや病気の人がいる場所へまっすぐ飛んでいって、その場で手当てを始めることができます。

ところが今、このドクターヘリが飛べなくなる地域が出てきました。ヘリを安全に飛ばすために欠かせない整備士が足りないためです。国は、このことを話し合う会議を開きました。
2026年(令和8年)7月23日の午前10時から昼までの2時間、厚生労働省は、救急の運び方や体制のあり方を考える検討会の第1回の会議を開き、ドクターヘリについての資料を配って説明しました。
ドクターヘリは、令和7年度には46都道府県で57機が動いていました。京都府は、近くの府や県が集まってつくる関西広域連合という組織の中で、みんなで一つのしくみとして運用しています。
お金の面では、令和8年度の初めの予算が100億円で、前の年度の99億円より少し増えました。さらに厚生労働省は、令和7年度の補正予算22億円を使い、ヘリの機体を買ったり整備したりする費用や、整備士などの人を確保する費用を助ける事業を行っています。
しかし東京都、大阪府、徳島県では、整備士が足りないことなどを理由に、ドクターヘリの運航が止まりました。厚生労働省は、整備士が足りなくなった背景についても検討会で説明しました。運航が止まった地域では、消防のヘリコプターや、医師が乗って現場へ向かうドクターカーを使ったり、近くの県とたがいに助け合ったりして対応しています。
となりの地域でドクターヘリが止まったことを受けて、奈良県、和歌山県、兵庫県でも対応策を進めています。兵庫県では、ヘリを操縦する人を2人乗せるツーパイロット制というやり方を取り入れるかどうかを考えています。
また厚生労働省は、令和7年9月26日付けと令和8年3月31日付けで、ヘリを飛ばす会社をきちんと確保することなどについて、全国の都道府県に文書を出しました。厚生労働省は、国土交通省や消防庁とも力を合わせて進めています。
検討会では今後、ドクターヘリを飛ばす体制やしくみをどうしていくか、近くの地域どうしがどのように協力していくか、といった点を話し合っていきます。
「ドクターヘリ」は、医師や看護師が乗りこみ、手当てに必要な道具や薬を積んで現場へ飛ぶヘリコプターです。病院に着く前から手当てを始めることができます。
「整備士」は、ヘリコプターや飛行機の機体を点検し、直したり部品を取りかえたりして、いつでも安全に飛べる状態に保つ仕事の人です。整備士がいなければ、ヘリがあっても飛ぶことはできません。
「補正予算」は、一年分の予算を決めたあとで、急に必要になったことのために、あとから付け足して決めるお金のことです。
病気やけがは、いつ、だれに起こるか分かりません。ドクターヘリが飛べるかどうかは、わたしたちの命を守るしくみそのものです。国や都道府県がこれからどんな話し合いをして、どのように決めていくのか、注目していきたいですね。