AIのまとめをうつすだけでは、考える力は育ちません

学習で、インターネットを使ったことがある人は多いと思います。今は、インターネットで調べ物をすると、画面のいちばん上に、AIが作ったまとめの文章が出てくることがあります。ほしい答えがすぐに見つかるので、とても便利です。みなさんは五年生の社会科で、たくさんの情報の中から正しいものを選ぶ大切さを学びました。文章を自動で作る生成AIが広まった今、その学びが、これまでよりもいっそう大事になっています。

文部科学省は、令和8年(2026年)7月24日、これからの国語の学習指導要領のもとになる取りまとめ案を示しました。その中で文部科学省は、児童生徒が、インターネットで調べたときに画面のいちばん上に出てくるAIのまとめを、そのままコピー&ペーストするだけで、十分に考えていない様子が見られると述べました。そして文部科学省は、生成AIをふくむ情報通信技術を使うときの、基本の考え方を示しました。それは、児童生徒が、集めた情報や生成AIの出した答えをくらべてよく考え、自分で判断し、表したことを自分の言葉で説明して、責任を持てるようにする、という考え方です。文部科学省は、学習の評価では、集めた情報が本当にたしかなものか、その場面にふさわしいものかを確かめた上で、それを使って自分で考え、判断し、表現できているかという見方を、これまでよりいっそう大事にするという考え方を示しました。文部科学省は、これを当面の基本的な考え方とする方針です。あわせて文部科学省は、AIが文章を作り、SNSなどで簡単に発信できる時代だからこそ、人間ならではの言葉の力を育てることが必要だと強調しました。人間ならではの言葉の力とは、言葉の意味を理解し、自分の意思や考えを作り上げ、それを表す力などのことです。
「生成AI」とは、たのんだ内容に合わせて、文章や絵などを自動で作り出すAIのことです。「学習指導要領」とは、学校で何をどのように学ぶかのもとになる、国が決めた決まりのことです。今回のものは案なので、くわしい内容は、これから話し合って決まっていきます。AIが作った文章を、そのままうつすことはかんたんです。けれども、その文章がたしかかどうかを確かめ、自分の頭で考え、自分の言葉で説明できるかどうかは、わたしたち一人一人にかかっています。調べ学習のときも、SNSで何かを発信するときも、まず自分で考えてみることが大切です。その積み重ねが、これからのわたしたちの力になります。