AIで台風たいふうの進路予測しんろよそくがもっと正確せいかくに 気象研究所きしょうけんきゅうじょが研究成果けんきゅうせいかを発表はっぴょう

AIで台風の進路予測がもっと正確に 気象研究所が研究成果を発表
台風の衛星画像 出典: Peka (CC BY / Wikimedia Commons)

夏なつから秋あきにかけて、日本にほんには毎年まいとしたくさんの台風たいふうがやってきます。台風たいふうは大雨おおあめや強風きょうふうで災害さいがいを起おこすことがあるので、どこへ進すすむのかをできるだけ早はやく、正ただしく知しることがとても大切たいせつです。これまでの天気予報てんきよほうは、空気くうきの動うごきなどをスーパーコンピュータで細こまかく計算けいさんする数値予報すうちよほうモデルという方法ほうほうで作つくられてきました。ところが最近さいきん、大量たいりょうのデータから自分じぶんで学まなぶAI(人工知能じんこうちのう)の技術ぎじゅつが大おおきく進すすみ、天気予報てんきよほうの世界せかいでも使つかわれ始はじめています。

AIで台風の進路予測がもっと正確に 気象研究所が研究成果を発表
台風の衛星画像 出典: Peka (CC BY / Wikimedia Commons)

気き象しょう庁ちょう気き象しょう研けん究きゅう所じょの山口やまぐちむねひこさん(台風たいふう・災害気象研究部さいがいきしょうけんきゅうぶの研究室長けんきゅうしつちょう)は、2024年ねん12月がつ17日にちに開ひらかれた令和れいわ6年ねん度ど気き象しょう研けん究きゅう所じょ研けん究きゅう成せい果か発はっ表ぴょう会かいで、AIを使つかった台風予測たいふうよそくの研究けんきゅうを発表はっぴょうしました。山口やまぐちむねひこさんは、Pangu-Weather(パングーウェザー)というAI気象きしょうモデルを使つかって台風たいふうの進路しんろを予測よそくし、2021年ねんから2023年ねんまでに発生はっせいした全部ぜんぶで64個この台風たいふうで結果けっかを確たしかめました。すると、AI気象きしょうモデルは従来じゅうらいの数値予報すうちよほうモデルよりも予測よそくの誤差ごさが小ちいさく、2日ふつか先さきの予測よそくでは誤差ごさが19%も小ちいさくなりました。急きゅうに進すすむ向むきを変かえたり、円えんをえがくように進すすんだりする特異とくいな進路しんろの台風たいふうでも、従来じゅうらいの技術ぎじゅつと同おなじかそれ以上いじょうの精度せいどが出でました。さらに、従来じゅうらいのモデルには、台風たいふうが向むきを変かえた後あとの進すすむ速はやさを実際じっさいよりおそく予測よそくしてしまうくせがありましたが、AI気象きしょうモデルではこのくせがやわらぎました。一方いっぽう、台風たいふうの強つよさの予測よそくについて、気象研究所きしょうけんきゅうじょは2019年ねん3月がつからTIFSという方法ほうほうを運用うんようしています。これは気圧きあつや風かぜなど26個このデータをもとに、機械学習きかいがくしゅうで台風たいふうの強つよさを予測よそくする方法ほうほうで、海うみの状態じょうたいを計算けいさんする海洋かいようモデルと組くみ合あわせると、台風たいふうの中心気圧ちゅうしんきあつの予測誤差よそくごさがおよそ10%減へりました。ただし、AI気象きしょうモデルは進路しんろの予測よそくは得意とくいでも、強つよさの予測よそくにはまだ課題かだいが残のこっているそうです。この研究けんきゅうは、2026年ねん5月がつに開ひらかれた、地球ちきゅうや宇宙うちゅうの研究者けんきゅうしゃが集あつまる学会がっかいの日本地球にほんちきゅうわく星科学連合大会せいかがくれんごうたいかいでも講演こうえんされました。

ここで、ニュースに出でてきた言葉ことばを確認かくにんしましょう。「数値予報すうちよほうモデル」は、空気くうきの動うごきなどを物理ぶつりの法則ほうそくにもとづいてスーパーコンピュータで計算けいさんし、未来みらいの天気てんきを予測よそくするしくみです。「機械学習きかいがくしゅう」は、コンピュータが大量たいりょうのデータからきまりを自分じぶんで見みつけ出だす技術ぎじゅつのことです。「AI気象きしょうモデル」は、過去かこの気象きしょうデータをこの技術ぎじゅつで学まなんで天気てんきを予測よそくする新あたらしいしくみで、Pangu-Weatherはその一ひとつです。「TIFS」は、機械学習きかいがくしゅうを使つかって台風たいふうの強つよさを予測よそくする気象研究所きしょうけんきゅうじょの方法ほうほうです。台風たいふうの進路しんろや強つよさが今いまよりも正確せいかくに分わかるようになれば、みなさんの家いえや学校がっこうでも早はやめに備そなえたり、安全あんぜんな行動こうどうをとったりしやすくなります。AIと従来じゅうらいの技術ぎじゅつが力ちからを合あわせることで天気予報てんきよほうがさらに進歩しんぽし、台風たいふうによる災害さいがいから多おおくの命いのちを守まもることにつながっていくでしょう。