「地震雲」は本当? 気象庁「雲と地しんは全く別の現象です」

2026年7月28日、熊本県でじしんが起きました。そのあと、インターネットのSNSには「空に変わった形の雲が出ていた。これはじしんの前ぶれの、いわゆるじしん雲ではないか」という書きこみが数多く広がりました。みなさんも、細長い雲やなみのような形の雲を見上げて、なんだか気味が悪いと感じたことがあるかもしれません。日本はじしんの多い国です。だからこそ、次のゆれが心配になり、毎日目にする雲のような身近なものに手がかりを求めたくなる気持ちが生まれます。こうした声が広がる中で、気象庁がホームページに出している「地震予知について」という説明が、あらためて注目されています。

気象庁はこのページで、雲とじしんの関係についてはっきりと述べています。「雲は大気の現象であり、地震は大地の現象で、両者は全く別の現象です」というのが気象庁の説明です。じしんの前ぶれの雲が絶対に存在しないとまでは言い切れないものの、雲とじしんの間にどのようなつながりがあるのかは、科学的にはまだ説明できていないとしています。変わった形の雲は、上空の気流のようすや太陽の光の当たり方などによって見えることがあり、たまたまそのあとにじしんが起きたときに、二つが結びつけて考えられてしまうにすぎない、というわけです。数字を見ると、そのことがよく分かります。日本では、人がゆれを体で感じるじしんが1年に約2000回も起きています。物が動くほど大きい、しんど4以上のじしんも、2014年から2023年までの平均(2016年を除く)で1年に約50回起きています。つまり、めずらしい形の雲を見た数日のうちにどこかでじしんが起きるのは、日本ではふつうに起こりうることなのです。また気象庁は、じしんの予知をするには、いつ・どこで・どのくらいの大きさで起きるのかという三つの要素を精度よく限定する必要があるが、今の科学的な知見では、そのような確度の高い予測は難しいと説明しています。
「地震雲」とは、じしんの前ぶれとして現れると言われている、変わった形の雲のことです。気象庁は、その言い伝えを科学的に説明することはできていないとしています。「震度」とは、ある場所での地面や建物のゆれの大きさを表す数字です。「地震予知」とは、じしんが起きる時・場所・大きさを、前もって正しく言い当てることをいいます。じしんがいつ来るかを前もって知ることが難しいということは、言いかえれば、いつ来てもよいように備えておくことが何より大切だということです。家具が倒れないようにしておく、家族と集まる場所を決めておく、水や食べ物を用意しておくなど、自分や家庭でできる備えがあります。そして、SNSで見た話をそのまま信じるのではなく、気象庁のような確かな発信元の情報をたしかめる習かんも、みなさんの命を守る力になります。