体内時計たいないどけいが「約やく24時間じかん」のハエは生いき残のこりに強つよい 岡山大学おかやまだいがくがショウジョウバエで証明しょうめい

体内時計が「約24時間」のハエは生き残りに強い 岡山大学がショウジョウバエで証明
キイロショウジョウバエ 出典: NASA

人ひとの体からだには、朝あさになると目めが覚さめ、夜よるになるとねむくなるリズムがあります。このリズムを作つくっているのが、脳のうの中なかにある「体内時計たいないどけい」です。では、その体内時計たいないどけいが地球ちきゅうの自転じてんと同おなじ約やく24時間じかんで正ただしく動うごいていることは、生いき物ものが生いき残のこるうえで本当ほんとうに大切たいせつなのでしょうか。

体内時計が「約24時間」のハエは生き残りに強い 岡山大学がショウジョウバエで証明
キイロショウジョウバエ 出典: NASA

人間にんげんをはじめ多おおくの動物どうぶつには、ねむりと目覚めざめのリズムを作つくる体内時計たいないどけいの中心ちゅうしんとなる部分ぶぶんが脳のうの中なかにあります。しかし、約やく24時間じかんのリズムが本当ほんとうに生いき残のこるために大切たいせつなのかは、これまで実験じっけんでハッキリと証明しょうめいされていませんでした。

岡山大学おかやまだいがくの大学院生だいがくいんせいの相川あいかわさえさん、よし井大志教授いたいしきょうじゅ(時間生物学じかんせいぶつがく)、三村真紀子教授みむらまきこきょうじゅ(生態学せいたいがく)らの研究けんきゅうグループは、この疑問ぎもんに答こたえるため、キイロショウジョウバエを使つかって研究けんきゅうしました。キイロショウジョウバエは、遺伝子いでんしの操作そうさが得意とくいな生いき物ものです。「遺伝子いでんし」とは、生いき物ものの体からだの特とくちょうを決きめる設計図せっけいずのようなものです。研究けんきゅうグループは、遺伝子いでんしを操作そうさして、脳のうの体内時計たいないどけいだけがくるった「異常いじょうなハエ」を作つくることに成功せいこうしました。

研究けんきゅうグループは、この異常いじょうなハエと、正ただしいリズムを持もつ正常せいじょうなハエを何世代なんせだいもいっしょに飼かい、生いき残のこり競争きょうそうをさせました。

その結果けっか、約やく24時間じかんの正ただしいリズムを持もつハエは、リズムがくるったハエよりも、生いき残のこり競争きょうそうではるかに有利ゆうりであることが分わかりました。例たとえば、「1日にちが18時間じかん」の体内時計たいないどけいを持もつハエは、世代せだいを重かさねるにつれて数かずが減へっていきました。こうして、正ただしいリズムを持もつことの大切たいせつさが、実験じっけんで厳密げんみつに証明しょうめいされました。

人間にんげんの体内時計たいないどけいにも、朝早あさはやくから元気げんきな「朝型あさがた」や、夜よるおそくまで元気げんきな「夜型よるがた」など、人ひとによって大おおきな差さがあります。今回こんかいの研究けんきゅうは、自分じぶんの体内時計たいないどけいのリズムと、学校がっこうや仕事しごとといった社会しゃかいの時間じかんがずれること(ミスマッチ)が、体からだや生活せいかつに目めに見みえない悪わるいえいきょうをあたえている可能性かのうせいを示しめしています。

この研究成果けんきゅうせいかは、2026年ねん8月がつ10日とおかにアメリカの科学誌かがくし「iScience」にのりました。