2026年9月16日(水)のこどもニュースNews for Wednesday, September 16, 2026

クワガタの数かずで森もりの様子ようすを知しる メスでオスをさそう新あたらしい調査法ちょうさほうを岐阜県ぎふけんの林業地りんぎょうちで検証けんしょう

クワガタの数で森の様子を知る メスでオスをさそう新しい調査法を岐阜県の林業地で検証
ルリクワガタ 出典: Frank.Vassen (CC BY 2.0 / Flickr)

ルリクワガタ類るいという小ちいさなクワガタの仲間なかまは、幼虫ようちゅうのときはブナやナラなどの広葉樹こうようじゅのかれてくさった木きの中なかで育そだち、成虫せいちゅうになると木きの上うえで新芽しんめを利用りようしてくらします。このように広葉樹こうようじゅの森もりとつながりの深ふかい生いき物ものなので、ルリクワガタ類るいがどれくらいいるかを調しらべれば、その森もりが生いき物ものにとってどんな場所ばしょなのかを知しる目印めじるしになると期待きたいされています。木材もくざいを切きり出だして使つかいながら、森もりにすむ生いき物ものの豊ゆたかさである「生物多様性せいぶつたようせい」も守まもっていくためには、森もりの生いき物ものが木きの切きり方かたや森もりの管理かんりの仕方しかたにどう反応はんのうするかを、数かずではっきりとらえる方法ほうほうが必要ひつようだからです。

クワガタの数で森の様子を知る メスでオスをさそう新しい調査法を岐阜県の林業地で検証
ルリクワガタ 出典: Frank.Vassen (CC BY 2.0 / Flickr)

ところが、これまでのルリクワガタ類るいの調しらべ方かたには課題かだいがありました。見みつけられる数かずが調しらべる人ひとの腕前うでまえによって変かわってしまううえに、幼虫ようちゅうが育そだつくさった木きをこわしてしまうこともあったのです。

そこで時任ときとうみのり助教じょきょうらの研究けんきゅうグループは、2021年ねんに新あたらしいわなを提案ていあんしました。助教じょきょうとは、大学だいがくなどで研究けんきゅうや教育きょういくをする先生せんせいのことです。このわなは、メスのルリクワガタを使つかってオスをさそい、飛とんできたオスをつかまえる仕組しくみで、英語えいごの名前なまえを短みじかくして「F-FIT」と呼よばれています。メスでオスをおびき寄よせることから、"ハニートラップ"というあだ名なもついています。決きまった時間じかんにどれだけつかまったかを数かぞえれば、調しらべる人ひとの腕前うでまえに関係かんけいなく、場所ばしょごとの数かずを比くらべられます。

研究けんきゅうグループは今回こんかい、このわなを岐阜県ぎふけんのひだ市しにある広葉樹こうようじゅの林業地りんぎょうちに複数設置ふくすうせっちしました。林業地りんぎょうちとは、木材もくざいにするための木きを育そだてて切きり出だしている森もりのことです。そして、それぞれのわなでつかまえた数かずを、わなを置おいた場所ばしょの位置情報いちじょうほうと結むすびつけて調しらべました。

その結果けっか、森もりの内部ないぶに入はいるほどつかまる数かずが多おおくなりやすいことが見みえてきました。また、一定いっていの広ひろさにどれだけ木きが立たっているかを表あらわす「立木密度りゅうぼくみつど」とつかまる数かずとの関係かんけいは、場所ばしょによってちがう可能性かのうせいも示しめされました。ルリクワガタ類るいをつかまえた数かずを、森もりの生いき物もののすみやすさを表あらわす目印めじるしとして使つかえることが分わかったのです。

この結果けっかから研究けんきゅうグループは、森もりのそれぞれの場所ばしょで木きをどう切きり、どう管理かんりするかだけでなく、木材もくざいを運はこび出だすための設備せつびや丸太まるたを集あつめておく集積場しゅうせきじょう、木きを運はこび出だす道みちなどをつくるときに一時的いちじてきにできる開ひらけた空間くうかんと、まわりに残のこす森もりとの位置関係いちかんけいを考かんがえることが大切たいせつだと指摘してきしています。

研究けんきゅうグループは今後こんご、調しらべる場所ばしょの規模きぼを広ひろげてさらに検証けんしょうを重かさね、実際じっさいの森林管理しんりんかんりにこの方法ほうほうを取とり入いれていくことを目指めざしています。この研究けんきゅうの成果せいかは、2026年ねん9月がつ6日むいかに世界せかいの研究者けんきゅうしゃが読よむ学術誌がくじゅつし「Forest Ecology and Management」にオンラインで発表はっぴょうされました。

高たかお山やまの登山道とざんどうの近ちかくにクマが出でた 八王子市はちおうじしが登山者とざんしゃに注意ちゅういをよびかけ

高お山の登山道の近くにクマが出た 八王子市が登山者に注意をよびかけ
ツキノワグマ 出典: 環境省ホームページ

2026年ねん8月がつ20日はつかの午後ごご11時じごろ、東京都八王子市とうきょうとはちおうじしの高たかお山やまで、夜よるの山やまの中なかにツキノワグマが現あらわれました。場所ばしょは、高たかお山自然研究路やましぜんけんきゅうろ1号路ごうろ(都道とどう189号高ごうたかお山線やません)の近ちかくの山中さんちゅうで、高たかお町ちょうにあたります。1号路ごうろは、高たかお山やまの登山道とざんどうの中なかでも多おおくの人ひとが歩あるく道みちです。

高お山の登山道の近くにクマが出た 八王子市が登山者に注意をよびかけ
ツキノワグマ 出典: 環境省ホームページ

東京都とうきょうとはこの出来事できごとについて、9月がつ16日にちに八王子市はちおうじしへ情報じょうほうを伝つたえました。八王子市はちおうじしはこれを受うけて、市しの「ツキノワグマ対応たいおうマニュアル」にもとづき、今回こんかいの出没しゅつぼつを「危機ききレベル1」と決きめました。危機ききレベル1とは、しばらくの間あいだようすを見守みまもる「経過観察けいかかんさつ」を行おこなう段階だんかいのことです。今いまのところ、クマの足あしあとやふんなどのあとは見みつかっていません。

八王子市はちおうじしがこの発表はっぴょうをしたのは、これからシルバーウィークや紅葉こうようのシーズンをむかえ、高たかお山やまをおとずれる人ひとが増ふえると考かんがえられるからです。八王子市はちおうじしは登山者とざんしゃに向むけて、次つぎのことを守まもるようによびかけています。早朝そうちょうや夕方ゆうがた、夜よるの入山にゅうざんはひかえること、一人ひとりで行動こうどうせず、すずやラジオで音おとを出だしながら歩あるくこと、そしてクマを見みかけたときは、しげきせずに静しずかにはなれることです。

八王子市はちおうじしは、今後こんごもクマの出没しゅつぼつについてようすを見守みまもっていくとしています。

体内時計たいないどけいが「約やく24時間じかん」のハエは生いき残のこりに強つよい 岡山大学おかやまだいがくがショウジョウバエで証明しょうめい

体内時計が「約24時間」のハエは生き残りに強い 岡山大学がショウジョウバエで証明
キイロショウジョウバエ 出典: NASA

人ひとの体からだには、朝あさになると目めが覚さめ、夜よるになるとねむくなるリズムがあります。このリズムを作つくっているのが、脳のうの中なかにある「体内時計たいないどけい」です。では、その体内時計たいないどけいが地球ちきゅうの自転じてんと同おなじ約やく24時間じかんで正ただしく動うごいていることは、生いき物ものが生いき残のこるうえで本当ほんとうに大切たいせつなのでしょうか。

体内時計が「約24時間」のハエは生き残りに強い 岡山大学がショウジョウバエで証明
キイロショウジョウバエ 出典: NASA

人間にんげんをはじめ多おおくの動物どうぶつには、ねむりと目覚めざめのリズムを作つくる体内時計たいないどけいの中心ちゅうしんとなる部分ぶぶんが脳のうの中なかにあります。しかし、約やく24時間じかんのリズムが本当ほんとうに生いき残のこるために大切たいせつなのかは、これまで実験じっけんでハッキリと証明しょうめいされていませんでした。

岡山大学おかやまだいがくの大学院生だいがくいんせいの相川あいかわさえさん、よし井大志教授いたいしきょうじゅ(時間生物学じかんせいぶつがく)、三村真紀子教授みむらまきこきょうじゅ(生態学せいたいがく)らの研究けんきゅうグループは、この疑問ぎもんに答こたえるため、キイロショウジョウバエを使つかって研究けんきゅうしました。キイロショウジョウバエは、遺伝子いでんしの操作そうさが得意とくいな生いき物ものです。「遺伝子いでんし」とは、生いき物ものの体からだの特とくちょうを決きめる設計図せっけいずのようなものです。研究けんきゅうグループは、遺伝子いでんしを操作そうさして、脳のうの体内時計たいないどけいだけがくるった「異常いじょうなハエ」を作つくることに成功せいこうしました。

研究けんきゅうグループは、この異常いじょうなハエと、正ただしいリズムを持もつ正常せいじょうなハエを何世代なんせだいもいっしょに飼かい、生いき残のこり競争きょうそうをさせました。

その結果けっか、約やく24時間じかんの正ただしいリズムを持もつハエは、リズムがくるったハエよりも、生いき残のこり競争きょうそうではるかに有利ゆうりであることが分わかりました。例たとえば、「1日にちが18時間じかん」の体内時計たいないどけいを持もつハエは、世代せだいを重かさねるにつれて数かずが減へっていきました。こうして、正ただしいリズムを持もつことの大切たいせつさが、実験じっけんで厳密げんみつに証明しょうめいされました。

人間にんげんの体内時計たいないどけいにも、朝早あさはやくから元気げんきな「朝型あさがた」や、夜よるおそくまで元気げんきな「夜型よるがた」など、人ひとによって大おおきな差さがあります。今回こんかいの研究けんきゅうは、自分じぶんの体内時計たいないどけいのリズムと、学校がっこうや仕事しごとといった社会しゃかいの時間じかんがずれること(ミスマッチ)が、体からだや生活せいかつに目めに見みえない悪わるいえいきょうをあたえている可能性かのうせいを示しめしています。

この研究成果けんきゅうせいかは、2026年ねん8月がつ10日とおかにアメリカの科学誌かがくし「iScience」にのりました。