するがわんで十数年ぶりの大きな赤潮が発生
みなさんは、海の水が赤やこげ茶色に見えることがあるのを知っていますか。これは「赤潮」と呼ばれるものです。海の中には、目に見えないほど小さな「植物プランクトン」という生き物がたくさんいます。植物プランクトンは、植物と同じように日光を受けて育ち、いろいろな生き物の食べ物のもとになります。ところが、この小さな生き物が一気にふえすぎると、海の水が色づいて見えるのです。
2026年5月20日、するがわん(静岡県)で、十数年ぶりとなる大きな赤潮が起きました。これを発表したのは、静岡県水産・海洋技術研究所と、東京大学の水野勝紀じゅん教授です。水野勝紀じゅん教授たちが海の中を観測したところ、5月19日と20日のたった1日で、海の様子が大きく変わっていました。植物プランクトンがばくはつ的にふえたため、海の中まで日光が届かなくなったのです。日光が届かないと、魚たちは酸素が足りない「酸欠」という、息が苦しい状態になってしまいます。また、夜になると「夜光虫」という小さな生き物が、青白く光って見えました。この赤潮は、はじめは静岡県の東部で見つかりましたが、5月26日には静岡市の沖まで広がっていることが確認されました。するがわんのほぼ全体で赤潮が見られるのは、たいへんめずらしいことです。ただし、今のところ、静岡県内の漁業へのひがいは確認されていません。
ここで出てきた言葉をおさらいします。「赤潮」とは、植物プランクトンが急にふえて、海の水が赤や茶色に見える現象のことです。「夜光虫」は、ゆれると青白く光る、とても小さな生き物です。赤潮が起きると、海の中の魚や貝にとって、酸素が足りなくなる原因になることがあります。わたしたちがふだん食べる魚や貝は、海の自然の中で育っています。海の様子をくわしく観測して記録することは、海の生き物を守り、これからも安心して魚を食べ続けるために、とても大切な仕事なのです。