2026年5月26日(火)のこどもニュース
するがわんで十数年ぶりの大きな赤潮が発生
みなさんは、海の水が赤やこげ茶色に見えることがあるのを知っていますか。これは「赤潮」と呼ばれるものです。海の中には、目に見えないほど小さな「植物プランクトン」という生き物がたくさんいます。植物プランクトンは、植物と同じように日光を受けて育ち、いろいろな生き物の食べ物のもとになります。ところが、この小さな生き物が一気にふえすぎると、海の水が色づいて見えるのです。
2026年5月20日、するがわん(静岡県)で、十数年ぶりとなる大きな赤潮が起きました。これを発表したのは、静岡県水産・海洋技術研究所と、東京大学の水野勝紀じゅん教授です。水野勝紀じゅん教授たちが海の中を観測したところ、5月19日と20日のたった1日で、海の様子が大きく変わっていました。植物プランクトンがばくはつ的にふえたため、海の中まで日光が届かなくなったのです。日光が届かないと、魚たちは酸素が足りない「酸欠」という、息が苦しい状態になってしまいます。また、夜になると「夜光虫」という小さな生き物が、青白く光って見えました。この赤潮は、はじめは静岡県の東部で見つかりましたが、5月26日には静岡市の沖まで広がっていることが確認されました。するがわんのほぼ全体で赤潮が見られるのは、たいへんめずらしいことです。ただし、今のところ、静岡県内の漁業へのひがいは確認されていません。
ここで出てきた言葉をおさらいします。「赤潮」とは、植物プランクトンが急にふえて、海の水が赤や茶色に見える現象のことです。「夜光虫」は、ゆれると青白く光る、とても小さな生き物です。赤潮が起きると、海の中の魚や貝にとって、酸素が足りなくなる原因になることがあります。わたしたちがふだん食べる魚や貝は、海の自然の中で育っています。海の様子をくわしく観測して記録することは、海の生き物を守り、これからも安心して魚を食べ続けるために、とても大切な仕事なのです。
物価高で大学の食堂ライスが値上げ? 100円朝食で学生を支える
みなさんは、お店に行ったとき、いろいろな物の値段が前より高くなっていると感じたことはありませんか。このように、たくさんの物の値段が上がり続けることを「物価高」といいます。パンやお米など、毎日の食べ物の値段も上がっています。大学で学ぶお兄さんやお姉さんたちも、この物価高でこまっているそうです。
2026年5月、全国大学生活協同組合連合会という団体が、「第69回通常総会」という大切な話し合いを開きました。この団体は、全国の大学で、学生の食事や生活を支える仕事をしています。
総会では、長引く物価高や、お米が足りなくなりそうな「需給逼迫」によって、お米の値段が高くなっていることが報告されました。そのため、多くの大学の食堂では、ごはん(ライス)の値段を見直さなければならないことが続いているそうです。物価高が、学生の「食」と「生活」を強くおびやかしているのです。
こうした中で、学生を助けるための取り組みも広がっています。全国22の大学では、100円で朝ごはんが食べられる「100円朝食」という活動が行われています。総会では、こうした活動を報告し、2026年度にどのように進めていくかという方針も話し合われました。
「需給逼迫」とは、ほしい人の数に対して、品物の量が足りなくなりそうなことをいいます。お米が足りなくなると、その値段は上がりやすくなります。「生活協同組合」とは、みんながお金を出し合って協力し、安く品物を買えるようにする組織のことです。
お米は、日本の食事に欠かせない大切な食べ物です。その値段が上がることは、大学生だけでなく、わたしたちの毎日の食事にもかかわってきます。みんなが安心してごはんを食べられるように、こうした活動や話し合いが続けられています。
エボラ出血熱が広がる WHOが世界へ「きんきゅう事態」を宣言
かぜやインフルエンザのように、病気の中には、人から人へうつるものがあります。手をよくあらうのは、こうした病気をふせぐためです。なかには、世界中に広がって、たくさんの人の命をうばう、とても危険な病気もあります。その一つが「エボラ出血熱」です。
2026年5月17日、世界中の人々の健康を守る仕事をしている「世界保健機関(WHO)」が、アフリカのコンゴ民主共和国とウガンダで広がるエボラ出血熱について、「公衆衛生上の国際的なきんきゅう事態(PHEIC)」を宣言しました。これは、世界中が力を合わせて立ち向かう必要がある、大きな病気の広がりを知らせるものです。
今回の病気は、「ブンディブギョ」という名前のウイルスによって起きています。
5月16日の時点で、コンゴ民主共和国のイツリ州では、8人がはっきりと感染したと確認され、246人に感染のうたがいがあり、80人が亡くなったと報告されました。となりの国ウガンダの首都カンパラでも、2人の感染が確認され、そのうち1人が亡くなりました。ウガンダで感染した人の中には、コンゴ民主共和国へ行ったことがある人がいると分かっています。
こまったことに、このブンディブギョというウイルスには、今のところ、よく効くと認められたくすりもワクチンもありません。同じエボラのなかまでも「エボラ・ザイール」というウイルスにはくすりやワクチンがありますが、それとはちがう種類のウイルスだからです。
今回の宣言には、もう一つ大きな特ちょうがあります。ふだんは、せんもん家が集まる「きんきゅう委員会」という会議で話し合ってから宣言しますが、今回はWHOの事務局長が、その会議を開く前に、自分の判断で宣言しました。事務局長がこのように宣言したのは、これが初めてのことです。
「PHEIC」とは、英語の頭文字をとった言葉で、「公衆衛生上の国際的なきんきゅう事態」という意味です。世界中の国々が協力して、病気の広がりを止めるために動き出す、大切なきっかけになります。
エボラ出血熱が広がっているのは遠いアフリカですが、飛行機などで人が世界中を行き来する今、病気は国をこえてあっという間に広がることがあります。だからこそ、世界の国々が早く協力することが大切です。そして、わたしたちにできることも、ふだんから手あらいをきちんとするなど、身近なところにあります。
デジタル教科書 2030年度から正式な教科書に
みなさんは、毎日教科書を使って勉強していますね。今までの教科書は紙でできていて、ランドセルに入れて学校へ持って行くのがふつうでした。でも近ごろは、タブレットやパソコンの画面で、文字や写真、動画や音声を見ながら学ぶ「デジタル教科書」を使う学校が増えています。
2025年9月24日、文部科学省は、このデジタル教科書について新しい方針を発表しました。2030年度から、デジタル教科書を「正式な教科書」として、きちんとしたルールの中で使えるようにするという内容です。
これからは、「紙だけ」「デジタルだけ」「紙とデジタルの両方を組み合わせたもの」という3つの種類から、それぞれの市や町などの自治体が選べるようになります。デジタル教科書も、今までの紙の教科書と同じように、お金がかからずに配られる予定で、国が中身を調べる「検定」の対象にもなります。
今は、小学校の5年生以上から少しずつデジタル教科書を使い始めています。小学校の低学年で使うかどうかは、これからゆっくり考えていくことになっています。一方で、学校では紙を中心に勉強したいという声もあります。読売新聞のアンケートでは、校長先生の9割をこえる人が、低学年では紙の教科書を使いたいと希望しました。
ここで出てきた言葉を説明します。「検定」とは、国が教科書の中身を調べて、学校で使ってよいかどうかを決めるしくみのことです。「制度化」とは、きちんとしたルールとして決めることをいいます。デジタル教科書が正式な教科書になると、紙とデジタルのよいところをどう生かすかが、これからの学び方を考えるうえで大切になります。みなさんが毎日使う教科書も、これから少しずつ形を変えていくかもしれません。
はしかにかかる人が10年で最も多く ワクチンの大切さ
「はしか」という病気を聞いたことがありますか。はしかは、ねつが出たり、はだに赤いぶつぶつができたりする病気です。とても強い力で人から人へうつるため、昔から気をつけられてきました。この病気を防ぐには、ワクチンという予防接種が大切だと言われています。2026年4月、国立健康危機管理研究機構が、はしかにかかる人がふえていると発表しました。
国立健康危機管理研究機構は、もとは「こくりつかんせんしょうけんきゅうじょ」という名前でした。この機構の発表によると、2026年は、はしかにかかった人の数が、この10年で最も多くなりました。4月のはじめまでに、あわせて236人が報告されています。これは、前の年の同じころとくらべて、約3.8倍にあたる数です。かかった人は10代から20代の若い世代に多く、この世代のおよそ半分は、ワクチンを2回受け終えていませんでした。報告が最も多い地域は東京都です。また、家庭や病院、学校、しせつなどで、多くの人が一度にうつる集団感染も確認されました。さらに国立健康危機管理研究機構は、はしかが空気を通して人から人へうつる「空気感染」で広がることや、ねつや赤いぶつぶつが出ることを説明し、病院での対応の進め方をまとめた手引きも示しました。
「予防接種」とは、病気にかかりにくくするために、前もって受けるものです。国立健康危機管理研究機構は、はしかからみんなを守るために、ワクチンを2回受けることが、いちばん大切な予防の方法だと話しています。2回受けることで、はしかにかかる人を大きくへらせると考えられています。みなさんも、自分がいつワクチンを受けたか、おうちの人と話してみるとよいでしょう。一人ひとりが気をつけることが、自分や友だち、まわりの人を病気から守ることにつながります。