小学6年生が川底で大発見! めずらしい石が研究論文に
理科の学習で、川原の石を観察したことがある人は多いでしょう。流れる水のはたらきで、川の石は運ばれ、けずられ、積もっていくことを学びましたね。実は、川に転がる石の中には、大地の歴史を知る手がかりとなる、とてもめずらしい石がまじっていることがあります。今回、みなさんと同じ小学生が野外学習の中でそうした石を見つけ、研究論文の著者の一人になるというできごとがありました。
東京都武蔵野市の成蹊小学校(校長は荻野雅先生)がある学校法人成蹊学園は、2026年3月11日、当時6年生だった小田切愛菜さんの発見について発表しました。小田切愛菜さんは2024年10月24日、理科の野外学習で、埼玉県ちちぶ郡小鹿野町にある「ようばけ」という場所を訪れ、赤平川の川底で、「コーン・イン・コーン構造」という特別なつくりをもつ、希少な「炭酸塩岩」の「転石」を発見し、採取しました。この石が国内で見つかったのは、東京都あきる野市五日市の五日市町層群に続いて2例目で、「ジオパーク秩父」とよばれるちちぶ地域では初めてのことです。研究チームがこの石をくわしく調べ、その成果は「埼玉県小鹿野町赤平川河床から発見されたcone-in-cone構造をもつ炭酸塩岩転石」という題名の論文にまとめられました。著者は宮下敦さん、小田切愛菜さん、大久保遥峰さん、村上浩康さん(早稲田大学教育学部)、狩野彰宏さん(東京大学大学院理学系研究科)の5人です。この論文は「査読」を通過し、専門の雑誌である「地学雑誌」に2025年11月30日に受理されました(発表の時点では、印刷を待っている状態でした)。小田切愛菜さんは現在、成蹊中学校の1年生です。
ここで、ニュースに出てきた言葉を説明します。「炭酸塩岩」とは、炭酸カルシウムなどの成分が固まってできた岩石のことです。「コーン・イン・コーン構造」とは、先のとがった円すい(コーン)が入れ子のように何重にも重なってできた、めずらしいつくりのことです。「転石」とは、もともとあった場所から、流れる水などによって運ばれてきた石のことです。「査読」とは、論文の内容が正しいかどうかを、ほかの専門家が読んで確かめるしくみのことで、これを通過した論文は信用できる研究として認められます。「ジオパーク」とは、貴重な地形や地層をもつ地域を、守りながら学びや観光に生かしていく取り組みや、その地域のことです。川底の石ころ一つにも、大地の長い歴史がつまっています。みなさんも、ふだんの学習や外での観察の中で「これは何だろう」とふしぎに思う心を大切にしてください。その一歩が、小田切愛菜さんのように、世界にとって新しい発見につながるかもしれません。