SNSへの投こうが世界初の発見に カマキリの卵に寄生するハチを九州大学が発表

みなさんは、秋にカマキリが木の枝などに産みつける、あわのかたまりのような卵を見たことがありますか。カマキリの卵は、あわのようなじょうぶな入れ物に包まれていて、これを卵のうといいます。生き物の研究というと、研究者だけがするものと思うかもしれません。しかし今は、ふつうの人がSNSに投こうした写真や動画が、思いがけない大発見につながることがあるのです。

九州大学は2026年7月2日、寄生バチの一種「Eupelmus curvator」(ナガコバチ科)を日本で初めて記録し、さらにこのハチがカマキリの卵のうに寄生することを世界で初めて解明したと発表しました。このハチは、これまで中国で1例が記録されていただけの、とてもめずらしいハチです。発見のきっかけは、当時九州大学農学部の学生だった野口しょうごさんがSNS(旧ツイッター)に投こうした観察動画と写真でした。九州大学総合研究博物館の河野たいすけ協力研究員がこの投こうに気づき、さらにSNS上で情報提供を呼びかけたところ、神奈川県でこのハチを見たという記録が寄せられ、国内で2番目の生息地として確認されました。この研究成果は2026年7月1日、ルーマニアの科学雑誌「Travaux du Muséum National d'Histoire Naturelle "Grigore Antipa"」にのった論文として発表されました。論文は、河野たいすけさんと野口しょうごさんをふくむ4人の研究者によって書かれ、野口しょうごさんは今、九州大学の大学院で研究を続けています。
ここで、むずかしい言葉をせつめいします。「寄生バチ」とは、ほかのこん虫の卵や幼虫などに自分の卵を産みつけ、そこから養分をもらって育つハチのなかまです。「卵嚢」とは、カマキリが卵を守るために作る、あわのようなじょうぶな入れ物のことで、中にはたくさんの卵が入っています。今回のニュースは、専門家でなくても、身近な自然をよく観察して記録すれば、世界初の発見につながることを教えてくれます。みなさんが公園や庭で見つけた小さな生き物の写真や記録も、いつか科学の役に立つかもしれません。