海があたたかくなり、親のちがうフグの子どもがたくさんとれている

2012年から2013年ごろ、東日本の海で、これまで見たことのないフグが一度にたくさんとれるようになりました。調べてみると、ショウサイフグとゴマフグという、ちがうフグの間に生まれた子どもだったのです。このように、ちがう親どうしから生まれた子どもを「雑種」といいます。とれたざっしゅは、ショウサイフグのオスとゴマフグのメスの組み合わせが、とても多いことも分かりました。

なぜこんなことが起きたのでしょうか。理由は、海の水の温度が上がったことです。ゴマフグはもともと日本海にすみ、日本海でたまごをうんでいました。ところが、日本海の水があたたかくなったため、すむ場所が北のほうへ広がり、北海道と青森県の間にある海、「津軽海峡」を通って、太平洋のほうまで出てきました。そして、太平洋のショウサイフグがたまごをうむ場所に入りこみ、二つのフグの間に子どもが生まれるようになったのです。
東京わんでは、トラフグのオスとマフグのメスの組み合わせで、ざっしゅが生まれていることも分かっています。
ここで、こまった問題があります。フグの体にはどくがあり、食べてよい部分は、フグのしゅるいごとに国が決めています。たとえば、トラフグの皮は食べられますが、マフグの皮にはどくがあるため食べられません。ところが、ざっしゅのフグは、どこが食べられるのかほとんど分かっていません。まちがえて食べると、どくで病気になる「食中毒」を起こすおそれがあります。そのため、いまはざっしゅのフグはすてるしかないのです。
そこで2019年、国の役所である「厚生労働省」は、フグを安全にさばくことができる人、「ふぐ処理者」になるためのきまりを全国で同じにしました。そのとき、ふぐしょり者は、ざっしゅのフグが全国でどれくらい出ているかをたしかめる、ということも、きまりの文章にはっきり書かれました。また、こうせいろうどうしょうがまとめている「自然毒のリスクプロファイル」というしりょうには、ざっしゅをふくむ、しゅるいの分からないフグが全国でどれくらい見つかっているかをのせるところが、新しく作られました。
ざっしゅのフグにどれくらい強いどくがあるのかは、いま、こうせいろうどうしょうの研究として調べられているところです。この話は、国立かんきょう研究所のホームページ「A-PLAT」で、フグの研究者である高橋洋さんが、くわしく話しています。