グリーンランドのカナック氷河ひょうが、13年間ねんかんで厚あつさ5.4メートルの氷こおりが消きえる

グリーンランドのカナック氷河、13年間で厚さ5.4メートルの氷が消える
グリーンランド 出典: Photo by Peter Platou on Pexels

北極ほっきょくに近ちかいグリーンランドの北西部ほくせいぶに、カナックという村むらがあります。住民じゅうみんは約やく600人にんで、村むらのそばにはカナック氷河ひょうががあります。「氷河ひょうが」とは、長ながい年月ねんげつをかけて積つもった雪ゆきが固かたまってできた、川かわのようにゆっくりと動うごく大おおきな氷こおりのかたまりです。カナック村むらの人ひとたちは、この氷河ひょうがからとけ出だして流ながれてくる川かわの水みずを、飲のんだり料理りょうりや洗せんたくをしたりする「生活用水せいかつようすい」として使つかっています。

グリーンランドのカナック氷河、13年間で厚さ5.4メートルの氷が消える
グリーンランド 出典: Photo by Peter Platou on Pexels

このカナック氷河ひょうがで、13年間ねんかんに厚あつさ5.4メートルの氷こおりが失うしなわれたことが分わかりました。北海道大学ほっかいどうだいがくの大学院生だいがくいんせいのいまづたくろうさんと、同おなじ大学だいがくの低温科学研究所ていおんかがくけんきゅうじょ・北極域研究ほっきょくいきけんきゅうセンターのすぎやましん教授きょうじゅらの研究けんきゅうグループが、名古屋大学なごやだいがく、国立極地研究所こくりつきょくちけんきゅうじょとともに、2026年ねん9月がつ1日ついたちに発表はっぴょうしました。研究けんきゅうの内容ないようをまとめた論文ろんぶんは、2026年ねん6月がつ18日にちに、氷河ひょうがの研究けんきゅうをあつかう専門誌せんもんし「Journal of Glaciology」にのせられています。この研究けんきゅうは、GRENE北ほっ極きょく気き候こう変へん動どう研けん究きゅう事じ業ぎょう、ArCS、ArCS II、ArCS III、JSPS科研費かけんひの支ささえを受うけて行おこなわれました。

研究けんきゅうグループは、2012年ねん7月がつから、カナック氷河ひょうがの標高ひょうこう243メートルから984メートルまでの6つの地点ちてんで、氷こおりの厚あつさがどう変かわるかを現地げんちで観測かんそくし続つづけてきました。その結果けっか、13年間ねんかんで氷こおりの厚あつさは合あわせて5.4メートル減へっていました。1年ねんあたりでは平均へいきんおよそ0.4メートルで、大人おとなのひざの高たかさくらいの氷こおりが毎年消まいとしきえている計算けいさんです。ただし、減へり方かたは年としによって差さがあり、少すくない年としは0.23メートル、多おおい年としは1.02メートルでした。

研究けんきゅうグループがくわしく調しらべたところ、氷こおりの減へり方かたには、雪ゆきのふる量りょうよりも気温きおんのほうが5倍ばいも大おおきくえいきょうしていることが分わかりました。そこで、この観測かんそくの結果けっかをもとに、今後気温こんごきおんが1度上どあがった場合ばあいを予測よそくすると、氷こおりが失うしなわれる速はやさは今いまの2倍ばいになると見みこまれています。

カナック村むらでは、氷河ひょうがの氷こおりがとける量りょうが増ふえたことで、近ちかごろは川かわの水みずがあふれるこう水すいのひ害がいも報告ほうこくされています。氷河ひょうがの水みずを毎日まいにちの生活せいかつに使つかっているカナック村むらにとって、氷こおりのとけ方かたの変化へんかは、くらしに直接ちょくせつかかわる問題もんだいになっています。