2026年9月5日(土)のこどもニュースNews for Saturday, September 5, 2026

グリーンランドのカナック氷河ひょうが、13年間ねんかんで厚あつさ5.4メートルの氷こおりが消きえる

グリーンランドのカナック氷河、13年間で厚さ5.4メートルの氷が消える
グリーンランド 出典: Photo by Peter Platou on Pexels

北極ほっきょくに近ちかいグリーンランドの北西部ほくせいぶに、カナックという村むらがあります。住民じゅうみんは約やく600人にんで、村むらのそばにはカナック氷河ひょうががあります。「氷河ひょうが」とは、長ながい年月ねんげつをかけて積つもった雪ゆきが固かたまってできた、川かわのようにゆっくりと動うごく大おおきな氷こおりのかたまりです。カナック村むらの人ひとたちは、この氷河ひょうがからとけ出だして流ながれてくる川かわの水みずを、飲のんだり料理りょうりや洗せんたくをしたりする「生活用水せいかつようすい」として使つかっています。

グリーンランドのカナック氷河、13年間で厚さ5.4メートルの氷が消える
グリーンランド 出典: Photo by Peter Platou on Pexels

このカナック氷河ひょうがで、13年間ねんかんに厚あつさ5.4メートルの氷こおりが失うしなわれたことが分わかりました。北海道大学ほっかいどうだいがくの大学院生だいがくいんせいのいまづたくろうさんと、同おなじ大学だいがくの低温科学研究所ていおんかがくけんきゅうじょ・北極域研究ほっきょくいきけんきゅうセンターのすぎやましん教授きょうじゅらの研究けんきゅうグループが、名古屋大学なごやだいがく、国立極地研究所こくりつきょくちけんきゅうじょとともに、2026年ねん9月がつ1日ついたちに発表はっぴょうしました。研究けんきゅうの内容ないようをまとめた論文ろんぶんは、2026年ねん6月がつ18日にちに、氷河ひょうがの研究けんきゅうをあつかう専門誌せんもんし「Journal of Glaciology」にのせられています。この研究けんきゅうは、GRENE北ほっ極きょく気き候こう変へん動どう研けん究きゅう事じ業ぎょう、ArCS、ArCS II、ArCS III、JSPS科研費かけんひの支ささえを受うけて行おこなわれました。

研究けんきゅうグループは、2012年ねん7月がつから、カナック氷河ひょうがの標高ひょうこう243メートルから984メートルまでの6つの地点ちてんで、氷こおりの厚あつさがどう変かわるかを現地げんちで観測かんそくし続つづけてきました。その結果けっか、13年間ねんかんで氷こおりの厚あつさは合あわせて5.4メートル減へっていました。1年ねんあたりでは平均へいきんおよそ0.4メートルで、大人おとなのひざの高たかさくらいの氷こおりが毎年消まいとしきえている計算けいさんです。ただし、減へり方かたは年としによって差さがあり、少すくない年としは0.23メートル、多おおい年としは1.02メートルでした。

研究けんきゅうグループがくわしく調しらべたところ、氷こおりの減へり方かたには、雪ゆきのふる量りょうよりも気温きおんのほうが5倍ばいも大おおきくえいきょうしていることが分わかりました。そこで、この観測かんそくの結果けっかをもとに、今後気温こんごきおんが1度上どあがった場合ばあいを予測よそくすると、氷こおりが失うしなわれる速はやさは今いまの2倍ばいになると見みこまれています。

カナック村むらでは、氷河ひょうがの氷こおりがとける量りょうが増ふえたことで、近ちかごろは川かわの水みずがあふれるこう水すいのひ害がいも報告ほうこくされています。氷河ひょうがの水みずを毎日まいにちの生活せいかつに使つかっているカナック村むらにとって、氷こおりのとけ方かたの変化へんかは、くらしに直接ちょくせつかかわる問題もんだいになっています。

インドネシアのクラカタウ火山かざんが大おおきくふん火か 気象庁きしょうちょうが日本にほんへの海うみの変化へんかを調しらべています

インドネシアのクラカタウ火山が大きくふん火 気象庁が日本への海の変化を調べています
クラカタウ火山 出典: 気象庁ホームページ

遠とおくはなれたインドネシアの火山かざんがふん火かしたとき、なぜ日本にほんの気象庁きしょうちょうが、急いそいで発表はっぴょうを出だすのでしょうか。

インドネシアのクラカタウ火山が大きくふん火 気象庁が日本への海の変化を調べています
クラカタウ火山 出典: 気象庁ホームページ

その理由りゆうは、火山かざんの大おおきなふん火かによって海うみの水みずが大おおきく動うごき、「津波つなみ」が起おきることがあるからです。つ波なみは、海うみの水みずが大おおきく動うごいて陸りくにおし寄よせる波なみのことで、海うみを伝つたわって遠とおくの国くにまで届とどくことがあります。そのため気象庁きしょうちょうは、海外かいがいで大おおきなふん火かが起おきたときにも、日本にほんにつ波なみが来くるおそれがないかをすぐに調しらべます。

令和れいわ8年ねん9月がつ5日いつか、気象庁きしょうちょうは、インドネシアのクラカタウ火山かざんで大おおきなふん火かが起おきたと発表はっぴょうしました。ふん火かが起おきたのは、日本時間にほんじかんで9月がつ5日いつかの午前ごぜん2時じ50分ぷんごろです。気象庁きしょうちょうは、ダーウィンにある「航こう空くう路ろ火か山ざん灰ばい情じょう報ほうセンター」の情報じょうほうをもとに、この発表はっぴょうを出だしました。航こう空くう路ろ火か山ざん灰ばい情じょう報ほうセンターは、飛行機ひこうきが安全あんぜんに飛とべるように、火山灰かざんばいがどこまで広ひろがっているかを調しらべて各国かっこくに伝つたえている機関きかんです。

ふん火かで上あがったけむりは、約やく5万まんフィート、メートルで表あらわすと約やく1万まん5000メートルの高たかさまで達たっしました。これは15キロメートルにあたり、ジェット機きが飛とぶ高たかさよりも高たかいところです。

5日いつかの午前ごぜん8時じ30分ぷんの時点じてんでは、海外かいがいと日本国内にほんこくないの観測点かんそくてんで、このふん火かによって起おきたと考かんがえられる大おおきな「潮位ちょうい」の変化へんかは観測かんそくされていません。潮位ちょういとは海面かいめんの高たかさのことで、つ波なみが来くると、海面かいめんの高たかさがふだんとはちがう動うごきをします。ただし、日本にほんにつ波なみが来くるかどうかについては、気象庁きしょうちょうがまだ調しらべているところです。つ波なみの心配しんぱいがないと判断はんだんしたときには、遠とおくはなれた場所ばしょで起おきた地じしんなどによるつ波なみについて伝つたえる「遠地地震えんちじしんに関かんする情報じょうほう」で、別べつに発表はっぴょうすることにしています。

今回こんかいの発表はっぴょうは2回目かいめの発表はっぴょうにあたり、様子ようすに特とくに変化へんかがなければ、この発表はっぴょうをもって報道向ほうどうむけの発表はっぴょうは終おわりになります。

国連総会こくれんそうかいが「地図ちずを正ただす」決議けつぎ アフリカを公平こうへいに表あらわす地図ちずを求もとめる

国連総会が「地図を正す」決議 アフリカを公平に表す地図を求める
メルカトル図法 出典: Strebe (CC BY-SA / Wikimedia Commons)

地球ちきゅうは丸まるいボールのような形かたちをしています。それを平たいらな紙かみの地図ちずに写うつすと、どこかの土地とちの形かたちや大おおきさが、のびたり縮ちぢんだりしてしまいます。昔むかしから広ひろく使つかわれてきた「メルカトル図法ずほう」という地図ちずの書かき方かたは、方角ほうがくを正ただしく表あらわせるように工夫くふうされたものですが、赤道せきどうからはなれた北きたや南みなみの土地とちほど実際じっさいより大おおきく見みえ、赤道せきどうの近ちかくにある土地とちは実際じっさいより小ちいさく見みえてしまいます。

国連総会が「地図を正す」決議 アフリカを公平に表す地図を求める
メルカトル図法 出典: Strebe (CC BY-SA / Wikimedia Commons)

この地図ちずの問題もんだいを世界せかいの国々くにぐにで話はなし合あった結果けっかが、2026年ねん9月がつ4日よっかに出でました。国際連合こくさいれんごうの全すべての加盟国かめいこくが集あつまって話はなし合あう国連総会こくれんそうかい(第だい80会期かいき)の本会議ほんかいぎで、「地図ちずを正ただす」と題だいする決議けつぎが可決かけつされたのです。「決議けつぎ」とは、会議かいぎに加くわわる国々くにぐにが投票とうひょうで決きめた意見いけんや求もとめのことです。この決議けつぎは、アフリカの国々くにぐにの集あつまりであるアフリカ・グループを代表だいひょうして、トーゴが提出ていしゅつしました。

どの国くにがどう投票とうひょうしたかを記録きろくに残のこす記録投票きろくとうひょうの結果けっかは、賛成さんせい164、反対はんたい1、きけん(賛成さんせいにも反対はんたいにも加くわわらないこと)6でした。反対はんたいしたのはアメリカで、きけんしたのはエストニア、ジョージア、リトアニア、モルドバ、セルビア、ウクライナの6か国こくです。

決議けつぎは、メルカトル図法ずほうが大陸たいりくどうしの大おおきさの比くらべ方かたをゆがめ、アフリカなど赤道せきどうの近ちかくにある地域ちいきについての人々ひとびとの見方みかたをそこなっていると述のべています。そのうえで、大陸たいりくの大おおきさを比くらべることが大切たいせつな場面ばめんでは、「イコールアース図法ずほう」などの等積図法とうせきずほうをもっと広ひろく使つかうように求もとめています。「等積図法とうせきずほう」とは、それぞれの土地とちの面積めんせきの割合わりあいが実際じっさいと同おなじになるように書かかれた地図ちずの書かき方かたです。

提案国ていあんこくのトーゴの代表だいひょうは、「ゆがんだ地図ちずは、教育きょういく、人々ひとびとの理解りかい、文化ぶんか、地政学ちせいがく(地理ちりと政治せいじの関係かんけいを考かんがえる学問がくもん)、開発かいはつについての語かたられ方かた、そしてアフリカの規模きぼと可能性かのうせいについての見方みかたにえいきょうをあたえる」と発言はつげんしました。

決議けつぎには賛成さんせいする国くにだけでなく、反対はんたいやきけんをした国くにからもさまざまな意見いけんが出でました。ロシアは、この決議けつぎを「植民地主義しょくみんちしゅぎ」や「新植民地主義しんしょくみんちしゅぎ」の遺産いさんに向むき合あうものだとして支持しじしました。植民地主義しょくみんちしゅぎとは、強つよい国くにが他ほかの地域ちいきを支配しはいして、自分じぶんの国くにのように従したがわせるやり方かたのことです。一方いっぽう、ウクライナは、「この地図ちずは、ロシアに一時的いちじてきにせんりょうされている(軍ぐんの力ちからでおさえられている)ウクライナの領土りょうどの一部いちぶを、とても受うけ入いれられない形かたちでえがいている」として、きけんしました。

ただ一ひとつ反対はんたいしたアメリカの代表だいひょうは、この決議けつぎは国連こくれんの信用しんようをそこなう「フジツボ」(船ふねの底そこなどにくっついて取とれにくい小ちいさな生いき物もの)であり、「ばいしょう(過去かこの損害そんがいをお金かねなどでつぐなうこと)と認知的正義にんちてきせいぎ」を進すすめるものだと批判ひはんしました。また、EU(ヨーロッパの国々くにぐにの集あつまり)を代表だいひょうして発言はつげんしたアイルランドは、決議けつぎの目的もくてきには賛成さんせいしながらも、決議けつぎが対象たいしょうとするはんいは「教育きょういく、理解りかいを広ひろめる活動かつどう、地理ちりを読よみ取とる力ちから」に限かぎるべきだと述のべました。

トーゴの代表だいひょうは、こうも語かたっています。「公正こうせいな地図ちずは世界せかいの地理ちりを変かえるのではなく、世界せかいの見方みかたを変かえるのです」。

北海道ほっかいどうで見みつかった変かわった巻まき方かたのアンモナイト、新属新種しんぞくしんしゅと分わかる

北海道で見つかった変わった巻き方のアンモナイト、新属新種と分かる
ふつうのアンモナイト

北海道ほっかいどうの北西部ほくせいぶにある、とままえ町まちとはぼろ町まちの地層ちそうから、ふつうのアンモナイトとはちがう形かたちをしたアンモナイトの化石かせきが見みつかりました。アンモナイトは平たいらなうずまき形がたのからを持もつ生いき物ものとして知しられていますが、この化石かせきは「異常巻いじょうまきアンモナイト」といって、平たいらなうずまきにならず、変かわった形かたちにからが巻まいている仲間なかまです。

北海道で見つかった変わった巻き方のアンモナイト、新属新種と分かる
ふつうのアンモナイト

化石かせきが入はいっていた地層ちそうは、中生代ちゅうせいだいの「白亜紀はくあき」というきょうりゅうが栄さかえていた時代じだいのうち、サントニアン期きとよばれる時期じきにできたものです。今いまからおよそ8630万年前まんねんまえから8360万年前まんねんまえにあたります。

公こう益えき財ざい団だん法ほう人じん深ふか田だ地ち質しつ研けん究きゅう所じょの相場大あいばだいすけ主査研究員しゅさけんきゅういんは、この化石かせきをX線せんCTで調しらべ、からの内側うちがわのつくりを明あきらかにしました。X線せんCTは、物ものを切きらずに内部ないぶのようすを画像がぞうにする装置そうちです。その結果けっか、この化石かせきはツリリテス科かというアンモナイトの仲間なかまで、これまで知しられていなかった新属新種しんぞくしんしゅであることが分わかりました。相場大あいばだいすけ主査研究員しゅさけんきゅういんは2026年ねん8月がつ31日にちにこの発見はっけんを発表はっぴょうし、新あたらしいアンモナイトにHeterocarinella japonica(ヘテロカリネラ・ジャポニカ)という名前なまえをつけました。研究けんきゅうの内容ないようは、古生物学こせいぶつがくの専門誌せんもんし「Paleontological Research」に8月がつ29日にちに発表はっぴょうされた論文ろんぶんにまとめられています。

「属ぞく」は生いき物ものを分類ぶんるいするときの単位たんいの一ひとつで、よく似にた種しゅをまとめたものです。ツリリテス科かの新あたらしい属ぞくが日本にほんで見みつかって報告ほうこくされたのは、およそ150年ねんにおよぶ日本にほんの古生物学こせいぶつがくの歴史れきしの中なかで初はじめてのことです。

さらに大おおきな意味いみがあるのは、ツリリテス科かが生いきていた時代じだいです。これまでツリリテス科かは、およそ9390万年前まんねんまえのセノマニアン期きの終おわりにほろびたと考かんがえられていました。ところが今回こんかいの発見はっけんによって、種類しゅるいの数かずを大おおきく減へらしながらも、それからおよそ1000万年後まんねんごのサントニアン期きまで、今いまの北海道ほっかいどうのあたりで生いき残のこっていたことが分わかりました。

今回こんかいの発見はっけんは、当時とうじの北海道付近ほっかいどうふきんがアンモナイトの仲間なかまにとっての「避難所ひなんじょ」、つまりほかの場所ばしょでは生いきられなくなった生いき物ものが生いきのびられる場所ばしょになっていた可能性かのうせいを示しめしています。