1光で脳の神経をあやつる研究にノーベル賞 アメリカとドイツの3人


地球は丸いボールのような形をしています。それを平らな紙の地図に写すと、どこかの土地の形や大きさが、のびたり縮んだりしてしまいます。昔から広く使われてきた「メルカトル図法」という地図の書き方は、方角を正しく表せるように工夫されたものですが、赤道からはなれた北や南の土地ほど実際より大きく見え、赤道の近くにある土地は実際より小さく見えてしまいます。

この地図の問題を世界の国々で話し合った結果が、2026年9月4日に出ました。国際連合の全ての加盟国が集まって話し合う国連総会(第80会期)の本会議で、「地図を正す」と題する決議が可決されたのです。「決議」とは、会議に加わる国々が投票で決めた意見や求めのことです。この決議は、アフリカの国々の集まりであるアフリカ・グループを代表して、トーゴが提出しました。
どの国がどう投票したかを記録に残す記録投票の結果は、賛成164、反対1、きけん(賛成にも反対にも加わらないこと)6でした。反対したのはアメリカで、きけんしたのはエストニア、ジョージア、リトアニア、モルドバ、セルビア、ウクライナの6か国です。
決議は、メルカトル図法が大陸どうしの大きさの比べ方をゆがめ、アフリカなど赤道の近くにある地域についての人々の見方をそこなっていると述べています。そのうえで、大陸の大きさを比べることが大切な場面では、「イコールアース図法」などの等積図法をもっと広く使うように求めています。「等積図法」とは、それぞれの土地の面積の割合が実際と同じになるように書かれた地図の書き方です。
提案国のトーゴの代表は、「ゆがんだ地図は、教育、人々の理解、文化、地政学(地理と政治の関係を考える学問)、開発についての語られ方、そしてアフリカの規模と可能性についての見方にえいきょうをあたえる」と発言しました。
決議には賛成する国だけでなく、反対やきけんをした国からもさまざまな意見が出ました。ロシアは、この決議を「植民地主義」や「新植民地主義」の遺産に向き合うものだとして支持しました。植民地主義とは、強い国が他の地域を支配して、自分の国のように従わせるやり方のことです。一方、ウクライナは、「この地図は、ロシアに一時的にせんりょうされている(軍の力でおさえられている)ウクライナの領土の一部を、とても受け入れられない形でえがいている」として、きけんしました。
ただ一つ反対したアメリカの代表は、この決議は国連の信用をそこなう「フジツボ」(船の底などにくっついて取れにくい小さな生き物)であり、「ばいしょう(過去の損害をお金などでつぐなうこと)と認知的正義」を進めるものだと批判しました。また、EU(ヨーロッパの国々の集まり)を代表して発言したアイルランドは、決議の目的には賛成しながらも、決議が対象とするはんいは「教育、理解を広める活動、地理を読み取る力」に限るべきだと述べました。
トーゴの代表は、こうも語っています。「公正な地図は世界の地理を変えるのではなく、世界の見方を変えるのです」。