国連総会こくれんそうかいが「地図ちずを正ただす」決議けつぎ アフリカを公平こうへいに表あらわす地図ちずを求もとめる

国連総会が「地図を正す」決議 アフリカを公平に表す地図を求める
メルカトル図法 出典: Strebe (CC BY-SA / Wikimedia Commons)

地球ちきゅうは丸まるいボールのような形かたちをしています。それを平たいらな紙かみの地図ちずに写うつすと、どこかの土地とちの形かたちや大おおきさが、のびたり縮ちぢんだりしてしまいます。昔むかしから広ひろく使つかわれてきた「メルカトル図法ずほう」という地図ちずの書かき方かたは、方角ほうがくを正ただしく表あらわせるように工夫くふうされたものですが、赤道せきどうからはなれた北きたや南みなみの土地とちほど実際じっさいより大おおきく見みえ、赤道せきどうの近ちかくにある土地とちは実際じっさいより小ちいさく見みえてしまいます。

国連総会が「地図を正す」決議 アフリカを公平に表す地図を求める
メルカトル図法 出典: Strebe (CC BY-SA / Wikimedia Commons)

この地図ちずの問題もんだいを世界せかいの国々くにぐにで話はなし合あった結果けっかが、2026年ねん9月がつ4日よっかに出でました。国際連合こくさいれんごうの全すべての加盟国かめいこくが集あつまって話はなし合あう国連総会こくれんそうかい(第だい80会期かいき)の本会議ほんかいぎで、「地図ちずを正ただす」と題だいする決議けつぎが可決かけつされたのです。「決議けつぎ」とは、会議かいぎに加くわわる国々くにぐにが投票とうひょうで決きめた意見いけんや求もとめのことです。この決議けつぎは、アフリカの国々くにぐにの集あつまりであるアフリカ・グループを代表だいひょうして、トーゴが提出ていしゅつしました。

どの国くにがどう投票とうひょうしたかを記録きろくに残のこす記録投票きろくとうひょうの結果けっかは、賛成さんせい164、反対はんたい1、きけん(賛成さんせいにも反対はんたいにも加くわわらないこと)6でした。反対はんたいしたのはアメリカで、きけんしたのはエストニア、ジョージア、リトアニア、モルドバ、セルビア、ウクライナの6か国こくです。

決議けつぎは、メルカトル図法ずほうが大陸たいりくどうしの大おおきさの比くらべ方かたをゆがめ、アフリカなど赤道せきどうの近ちかくにある地域ちいきについての人々ひとびとの見方みかたをそこなっていると述のべています。そのうえで、大陸たいりくの大おおきさを比くらべることが大切たいせつな場面ばめんでは、「イコールアース図法ずほう」などの等積図法とうせきずほうをもっと広ひろく使つかうように求もとめています。「等積図法とうせきずほう」とは、それぞれの土地とちの面積めんせきの割合わりあいが実際じっさいと同おなじになるように書かかれた地図ちずの書かき方かたです。

提案国ていあんこくのトーゴの代表だいひょうは、「ゆがんだ地図ちずは、教育きょういく、人々ひとびとの理解りかい、文化ぶんか、地政学ちせいがく(地理ちりと政治せいじの関係かんけいを考かんがえる学問がくもん)、開発かいはつについての語かたられ方かた、そしてアフリカの規模きぼと可能性かのうせいについての見方みかたにえいきょうをあたえる」と発言はつげんしました。

決議けつぎには賛成さんせいする国くにだけでなく、反対はんたいやきけんをした国くにからもさまざまな意見いけんが出でました。ロシアは、この決議けつぎを「植民地主義しょくみんちしゅぎ」や「新植民地主義しんしょくみんちしゅぎ」の遺産いさんに向むき合あうものだとして支持しじしました。植民地主義しょくみんちしゅぎとは、強つよい国くにが他ほかの地域ちいきを支配しはいして、自分じぶんの国くにのように従したがわせるやり方かたのことです。一方いっぽう、ウクライナは、「この地図ちずは、ロシアに一時的いちじてきにせんりょうされている(軍ぐんの力ちからでおさえられている)ウクライナの領土りょうどの一部いちぶを、とても受うけ入いれられない形かたちでえがいている」として、きけんしました。

ただ一ひとつ反対はんたいしたアメリカの代表だいひょうは、この決議けつぎは国連こくれんの信用しんようをそこなう「フジツボ」(船ふねの底そこなどにくっついて取とれにくい小ちいさな生いき物もの)であり、「ばいしょう(過去かこの損害そんがいをお金かねなどでつぐなうこと)と認知的正義にんちてきせいぎ」を進すすめるものだと批判ひはんしました。また、EU(ヨーロッパの国々くにぐにの集あつまり)を代表だいひょうして発言はつげんしたアイルランドは、決議けつぎの目的もくてきには賛成さんせいしながらも、決議けつぎが対象たいしょうとするはんいは「教育きょういく、理解りかいを広ひろめる活動かつどう、地理ちりを読よみ取とる力ちから」に限かぎるべきだと述のべました。

トーゴの代表だいひょうは、こうも語かたっています。「公正こうせいな地図ちずは世界せかいの地理ちりを変かえるのではなく、世界せかいの見方みかたを変かえるのです」。