1光で脳の神経をあやつる研究にノーベル賞 アメリカとドイツの3人


北海道の北西部にある、とままえ町とはぼろ町の地層から、ふつうのアンモナイトとはちがう形をしたアンモナイトの化石が見つかりました。アンモナイトは平らなうずまき形のからを持つ生き物として知られていますが、この化石は「異常巻きアンモナイト」といって、平らなうずまきにならず、変わった形にからが巻いている仲間です。

化石が入っていた地層は、中生代の「白亜紀」というきょうりゅうが栄えていた時代のうち、サントニアン期とよばれる時期にできたものです。今からおよそ8630万年前から8360万年前にあたります。
公益財団法人深田地質研究所の相場大すけ主査研究員は、この化石をX線CTで調べ、からの内側のつくりを明らかにしました。X線CTは、物を切らずに内部のようすを画像にする装置です。その結果、この化石はツリリテス科というアンモナイトの仲間で、これまで知られていなかった新属新種であることが分かりました。相場大すけ主査研究員は2026年8月31日にこの発見を発表し、新しいアンモナイトにHeterocarinella japonica(ヘテロカリネラ・ジャポニカ)という名前をつけました。研究の内容は、古生物学の専門誌「Paleontological Research」に8月29日に発表された論文にまとめられています。
「属」は生き物を分類するときの単位の一つで、よく似た種をまとめたものです。ツリリテス科の新しい属が日本で見つかって報告されたのは、およそ150年におよぶ日本の古生物学の歴史の中で初めてのことです。
さらに大きな意味があるのは、ツリリテス科が生きていた時代です。これまでツリリテス科は、およそ9390万年前のセノマニアン期の終わりにほろびたと考えられていました。ところが今回の発見によって、種類の数を大きく減らしながらも、それからおよそ1000万年後のサントニアン期まで、今の北海道のあたりで生き残っていたことが分かりました。
今回の発見は、当時の北海道付近がアンモナイトの仲間にとっての「避難所」、つまりほかの場所では生きられなくなった生き物が生きのびられる場所になっていた可能性を示しています。