1光で脳の神経をあやつる研究にノーベル賞 アメリカとドイツの3人


1998年、つくば大学のやなぎさわ正史教授は、脳の中に新しい物質を発見しました。「オレキシン」と名づけられたこの物質は、「神経ペプチド」と呼ばれる、神経の働きに関わる物質の一つです。オレキシンには、目を覚ました状態を保つ働きがあります。

翌年の1999年、やなぎさわ正史教授は、オレキシンをもたないマウスを調べました。マウスは実験に使う小さなネズミです。すると、このマウスには「ナルコレプシー」という病気に似た様子が見られました。ナルコレプシーは、ねむりすぎてしまう「過眠症」という病気の一つです。
一方、アメリカのスタンフォード大学のEmmanuel Mignot教授は、ナルコレプシーの病気の人を調べました。その結果、脳とせきずいのまわりにある「脳脊髄液」という液の中で、オレキシンの量が少なくなっていることを報告しました。
マウスの実験と、病気の人を調べた結果から、オレキシンが足りなくなるとナルコレプシーが発病することが明らかになりました。
9月9日、やなぎさわ正史教授とEmmanuel Mignot教授が、2026年の「アルバート・ラスカー基礎医学研究賞」を受賞したことが発表されました。医学の研究に対しておくられる賞で、受賞の理由は、目を覚ました状態を保つ神経ペプチドであるオレキシンを発見したことと、オレキシンが足りなくなることで過眠症のナルコレプシーが発病するしくみを解明したことです。
授賞式は9月17日に、アメリカのニューヨーク市内で開かれる予定です。