2026年9月9日(水)のこどもニュースNews for Wednesday, September 9, 2026

小ちいさすぎて見みつけられないナノプラスチック 東京科学大学とうきょうかがくだいがくがつかまえて調しらべる新あたらしいセンサーを開発かいはつ

小さすぎて見つけられないナノプラスチック 東京科学大学がつかまえて調べる新しいセンサーを開発
マイクロプラスチック 出典: Oregon State University (CC BY-SA 2.0 / Flickr)

海うみや川かわなどの水みずの中なかには、目めに見みえないほど小ちいさなプラスチックのかけらが広ひろがっていると考かんがえられています。「ナノプラスチック」と呼よばれるもので、大おおきさは1マイクロメートル未満みまんです。1マイクロメートルは1ミリメートルの1000分ぶんの1なので、ナノプラスチックはそれよりもさらに小ちいさいということになります。水みずの中なかの生いき物ものや人ひとの体からだへのえいきょうも心配しんぱいされています。

小さすぎて見つけられないナノプラスチック 東京科学大学がつかまえて調べる新しいセンサーを開発
マイクロプラスチック 出典: Oregon State University (CC BY-SA 2.0 / Flickr)

ところが、このナノプラスチックを見みつけるのはとても難むずかしいのです。マイクロプラスチックなら、光学こうがくけんび鏡きょうなどで調しらべることができます。しかしナノプラスチックは小ちいさすぎて、これまでの方法ほうほうでは簡単かんたんに見みつけられませんでした。

この問題もんだいに取とり組くんだのが、東とう京きょう科か学がく大だい学がく工こう学がく院いん電でん気き電でん子し系けいのとうま真奈まなじゅん教授きょうじゅらの研究けんきゅうグループです。研究けんきゅうグループは、水みずの試料しりょうをくわしく調しらべてナノプラスチックを探さがすのではなく、ナノプラスチックを最初さいしょからつかまえるという発想はっそうに変かえました。

注目ちゅうもくしたのは、ポリスチレンという種類しゅるいのプラスチックに結合けつごうする「ペプチド」です。ペプチドとは、タンパク質しつの短みじかい断片だんぺんのことです。研究けんきゅうグループはこのペプチドをセンサーの表面ひょうめんに固定こていしました。ナノプラスチックがペプチドに結合けつごうすると、センサーの表面ひょうめんで光ひかりの反射はんしゃが変かわります。この変化へんかを測はかることで、ナノプラスチックがつかまったことが分わかるという仕組しくみです。

実験じっけんでは、直径ちょっけい50ナノメートルのポリスチレンのつぶを、複雑ふくざつな作業さぎょうをしなくても20分以内ぷんいないに検出けんしゅつできることを実証じっしょうしました。さらに、光ひかりの反射はんしゃの変化へんかを測はかるだけでなく、電子でんしけんび鏡きょうでナノプラスチックが実際じっさいにセンサーの表面ひょうめんについていることも確たしかめ、センサーが考かんがえたとおりの仕組しくみで働はたらいていることを示しめしました。

また、不純物ふじゅんぶつの少すくない実験室じっけんしつの水みずだけでなく、さまざまな物質ぶっしつがふくまれる水みずそうや池いけの水みずを使つかった試験しけんでも、センサーが働はたらくことを確たしかめました。

この研究けんきゅうを始はじめたきっかけは、ペットボトルなどに使つかわれるPETというプラスチックを分解ぶんかいする細さいきんが、日本国内にほんこくないのリサイクル工場こうじょうで見みつかったという報告ほうこくに、研究けんきゅうグループが興味きょうみを持もったことでした。この細さいきんは、人工物じんこうぶつであるPETを分解ぶんかいするこう素そを持もっていると報告ほうこくされています。

ただし、課題かだいも残のこっています。実際じっさいの自然しぜんの中なかの水みずでは、水質すいしつによって検出けんしゅつの感度かんどが変かわるなど、まだ解決かいけつすべき点てんがあります。

今後改良こんごかいりょうが進すすめば、海うみや川かわなどの水みずの中なかのナノプラスチックを、より手軽てがるに調しらべる技術ぎじゅつにつながると期待きたいされています。将来しょうらいは、生いき物ものの体からだから取とった試料しりょうなど、もっと複雑ふくざつな試料しりょうへの応用おうようも考かんがえられています。

ねむりを調しらべる研究けんきゅうにラスカー賞しょう つくば大学だいがくのやなぎさわ正史教授まさしきょうじゅらが受賞じゅしょう

ねむりを調べる研究にラスカー賞 つくば大学のやなぎさわ正史教授らが受賞
柳沢 正史 出典: 大臣官房人事課 (CC BY / Wikimedia Commons)

1998年ねん、つくば大学だいがくのやなぎさわ正史教授まさしきょうじゅは、脳のうの中なかに新あたらしい物質ぶっしつを発見はっけんしました。「オレキシン」と名なづけられたこの物質ぶっしつは、「神経しんけいペプチド」と呼よばれる、神経しんけいの働はたらきに関かかわる物質ぶっしつの一ひとつです。オレキシンには、目めを覚さました状態じょうたいを保たもつ働はたらきがあります。

ねむりを調べる研究にラスカー賞 つくば大学のやなぎさわ正史教授らが受賞
柳沢 正史 出典: 大臣官房人事課 (CC BY / Wikimedia Commons)

翌年よくねんの1999年ねん、やなぎさわ正史教授まさしきょうじゅは、オレキシンをもたないマウスを調しらべました。マウスは実験じっけんに使つかう小ちいさなネズミです。すると、このマウスには「ナルコレプシー」という病気びょうきに似にた様子ようすが見みられました。ナルコレプシーは、ねむりすぎてしまう「過眠症かみんしょう」という病気びょうきの一ひとつです。

一方いっぽう、アメリカのスタンフォード大学だいがくのEmmanuel Mignot教授きょうじゅは、ナルコレプシーの病気びょうきの人ひとを調しらべました。その結果けっか、脳のうとせきずいのまわりにある「脳脊髄液のうせきずいえき」という液えきの中なかで、オレキシンの量りょうが少すくなくなっていることを報告ほうこくしました。

マウスの実験じっけんと、病気びょうきの人ひとを調しらべた結果けっかから、オレキシンが足たりなくなるとナルコレプシーが発病はつびょうすることが明あきらかになりました。

9月がつ9日ここのか、やなぎさわ正史教授まさしきょうじゅとEmmanuel Mignot教授きょうじゅが、2026年ねんの「アルバート・ラスカー基礎医学研究賞きそいがくけんきゅうしょう」を受賞じゅしょうしたことが発表はっぴょうされました。医学いがくの研究けんきゅうに対たいしておくられる賞しょうで、受賞じゅしょうの理由りゆうは、目めを覚さました状態じょうたいを保たもつ神経しんけいペプチドであるオレキシンを発見はっけんしたことと、オレキシンが足たりなくなることで過眠症かみんしょうのナルコレプシーが発病はつびょうするしくみを解明かいめいしたことです。

授賞式じゅしょうしきは9月がつ17日にちに、アメリカのニューヨーク市内しないで開ひらかれる予定よていです。

世界せかい91か国くに・地域ちいきの約やく76万人まんにんが受うけた学力調査がくりょくちょうさ 日本にほんが3分野ぶんやすべてでOECD加盟国中かめいこくちゅう1位いに

世界91か国・地域の約76万人が受けた学力調査 日本が3分野すべてでOECD加盟国中1位に
高校生 出典: 文部科学省ホームページ

世界せかいの91か国くに・地域ちいきから、約やく76万人まんにんの生徒せいとが参加さんかしました。これは、「PISA2025」という国際的こくさいてきな学力調査がくりょくちょうさを受うけた生徒せいとの数かずです。日本にほんからは、全国ぜんこくの高等学校こうとうがっこうなどの1年生ねんせいのうち、国際的こくさいてきなルールにもとづいて選えらばれた183校こう、約やく6,500人にんが参加さんかしました。

世界91か国・地域の約76万人が受けた学力調査 日本が3分野すべてでOECD加盟国中1位に
高校生 出典: 文部科学省ホームページ

PISAは、OECD(経けい済ざい協きょう力りょく開かい発はつ機き構こう)という国際的こくさいてきな組織そしきが行おこなっている調査ちょうさで、生徒せいとが学校がっこうで学まなんだ知識ちしきを、実際じっさいの生活せいかつの中なかでどれだけ使つかえるかを調しらべるものです。2025年ねんの調査ちょうさは、2025年ねん6月がつから8月がつにかけて行おこなわれました。

文部科学省もんぶかがくしょうと国こく立りつ教きょう育いく政せい策さく研けん究きゅう所じょは、2026年ねん9月がつ8日ようか、この調査ちょうさの結果けっかを公表こうひょうしました。日本にほんは、科学かがくコンピテンシー、読解力どっかいりょく、数学的すうがくてきリテラシーの3つの分野ぶんやすべてで、OECD加盟国かめいこくの中なかで1位いになりました。3分野ぶんやすべてで1位いになるのは、調査ちょうさが始はじまって以来いらい、初はじめてのことです。「科学かがくコンピテンシー」は、科学かがくの知識ちしきを使つかって考かんがえたり説明せつめいしたりする力ちからのことで、2025年ねんの調査ちょうさから「科学的かがくてきリテラシー」という名前なまえが変かわりました。「数学的すうがくてきリテラシー」は、数学すうがくの知識ちしきを生活せいかつの中なかで使つかう力ちからのことです。

日本にほんの平均得点へいきんとくてんは、科学かがくコンピテンシーが538点てん(OECD平均へいきんは482点てん)、読解力どっかいりょくが503点てん(同どう461点てん)、数学的すうがくてきリテラシーが525点てん(同どう463点てん)でした。OECD加盟国以外かめいこくいがいもふくめた全参加国ぜんさんかこく・地域ちいきの中なかでは、科学かがくコンピテンシーが5位い、読解力どっかいりょくが4位い、数学的すうがくてきリテラシーが5位いでした。

今回初こんかいはじめて行おこなわれた「ラーニング・イン・デジタルワールド(LDW)」という新あたらしい分野ぶんやでも、日本にほんはOECD加盟国中かめいこくちゅう1位い、全参加国ぜんさんかこく・地域中ちいきちゅうでは4位いでした。LDWは、デジタルな世界せかいの中なかで学まなぶ力ちからを調しらべる分野ぶんやです。

一方いっぽうで、気きになる結果けっかもありました。読解力どっかいりょくの平均得点へいきんとくてんは、前回ぜんかい2022年ねんの調査ちょうさから13点下てんさがりました。これは、ぐうぜんの差さとは言いえないほど、はっきりした低下ていかです。また、3分野ぶんやすべてで、得点とくてんの低ひくい生徒せいとの割合わりあいがはっきりと増ふえました。得点とくてんの高たかい生徒せいとの割合わりあいには、はっきりした変化へんかはありませんでした。

LDWについて今回公表こんかいこうひょうされたのは、一部いちぶの結果けっかです。自分じぶんで学まなび方かたを調整ちょうせいしながら学まなぶ「自己調整学習じこちょうせいがくしゅう」などもふくめたLDW全体ぜんたいの結果けっかは、2027年ねんに公表こうひょうされる予定よていです。