小ちいさすぎて見みつけられないナノプラスチック 東京科学大学とうきょうかがくだいがくがつかまえて調しらべる新あたらしいセンサーを開発かいはつ

小さすぎて見つけられないナノプラスチック 東京科学大学がつかまえて調べる新しいセンサーを開発
マイクロプラスチック 出典: Oregon State University (CC BY-SA 2.0 / Flickr)

海うみや川かわなどの水みずの中なかには、目めに見みえないほど小ちいさなプラスチックのかけらが広ひろがっていると考かんがえられています。「ナノプラスチック」と呼よばれるもので、大おおきさは1マイクロメートル未満みまんです。1マイクロメートルは1ミリメートルの1000分ぶんの1なので、ナノプラスチックはそれよりもさらに小ちいさいということになります。水みずの中なかの生いき物ものや人ひとの体からだへのえいきょうも心配しんぱいされています。

小さすぎて見つけられないナノプラスチック 東京科学大学がつかまえて調べる新しいセンサーを開発
マイクロプラスチック 出典: Oregon State University (CC BY-SA 2.0 / Flickr)

ところが、このナノプラスチックを見みつけるのはとても難むずかしいのです。マイクロプラスチックなら、光学こうがくけんび鏡きょうなどで調しらべることができます。しかしナノプラスチックは小ちいさすぎて、これまでの方法ほうほうでは簡単かんたんに見みつけられませんでした。

この問題もんだいに取とり組くんだのが、東とう京きょう科か学がく大だい学がく工こう学がく院いん電でん気き電でん子し系けいのとうま真奈まなじゅん教授きょうじゅらの研究けんきゅうグループです。研究けんきゅうグループは、水みずの試料しりょうをくわしく調しらべてナノプラスチックを探さがすのではなく、ナノプラスチックを最初さいしょからつかまえるという発想はっそうに変かえました。

注目ちゅうもくしたのは、ポリスチレンという種類しゅるいのプラスチックに結合けつごうする「ペプチド」です。ペプチドとは、タンパク質しつの短みじかい断片だんぺんのことです。研究けんきゅうグループはこのペプチドをセンサーの表面ひょうめんに固定こていしました。ナノプラスチックがペプチドに結合けつごうすると、センサーの表面ひょうめんで光ひかりの反射はんしゃが変かわります。この変化へんかを測はかることで、ナノプラスチックがつかまったことが分わかるという仕組しくみです。

実験じっけんでは、直径ちょっけい50ナノメートルのポリスチレンのつぶを、複雑ふくざつな作業さぎょうをしなくても20分以内ぷんいないに検出けんしゅつできることを実証じっしょうしました。さらに、光ひかりの反射はんしゃの変化へんかを測はかるだけでなく、電子でんしけんび鏡きょうでナノプラスチックが実際じっさいにセンサーの表面ひょうめんについていることも確たしかめ、センサーが考かんがえたとおりの仕組しくみで働はたらいていることを示しめしました。

また、不純物ふじゅんぶつの少すくない実験室じっけんしつの水みずだけでなく、さまざまな物質ぶっしつがふくまれる水みずそうや池いけの水みずを使つかった試験しけんでも、センサーが働はたらくことを確たしかめました。

この研究けんきゅうを始はじめたきっかけは、ペットボトルなどに使つかわれるPETというプラスチックを分解ぶんかいする細さいきんが、日本国内にほんこくないのリサイクル工場こうじょうで見みつかったという報告ほうこくに、研究けんきゅうグループが興味きょうみを持もったことでした。この細さいきんは、人工物じんこうぶつであるPETを分解ぶんかいするこう素そを持もっていると報告ほうこくされています。

ただし、課題かだいも残のこっています。実際じっさいの自然しぜんの中なかの水みずでは、水質すいしつによって検出けんしゅつの感度かんどが変かわるなど、まだ解決かいけつすべき点てんがあります。

今後改良こんごかいりょうが進すすめば、海うみや川かわなどの水みずの中なかのナノプラスチックを、より手軽てがるに調しらべる技術ぎじゅつにつながると期待きたいされています。将来しょうらいは、生いき物ものの体からだから取とった試料しりょうなど、もっと複雑ふくざつな試料しりょうへの応用おうようも考かんがえられています。