1買い物客が、とつぜんさいがいの中に げきのようなぼうさいくんれん


木を切って使いながら、森にすむ生き物も守る。この二つをいっしょにかなえるには、生き物のようすを数ではかるやり方がいります。

ルリクワガタというクワガタムシのなかまは、よう虫が「広葉樹」というひらたい葉をつける木のくち木の中で育ち、せい虫は木の上の新しいめを利用します。このため、ルリクワガタのなかまは、広葉じゅの森のようすを表す目じるしになると期待されています。
ところが、これまでの調べ方には問題がありました。調べる人のうでまえによって数がかわってしまうことや、クワガタが子どもを育てる場所をこわしてしまうことです。
そこで、農学研究科のときとうみのり助教らの研究グループは、2021年に新しいわなを考え出しました。「助教」とは、大学で研究をする先生のことです。F-FITという名前のこのわなは、メスでオスをおびきよせ、とんできたオスが板にぶつかって落ちるところをつかまえるしくみです。同じ長さの時間でつかまった数を、わなごとにくらべることができます。
研究グループは、このわなをぎふ県ひだ市の、広葉じゅの林業をしている森にいくつもおきました。そして、つかまった数を、わなをおいた場所とあわせて調べました。
すると、森のおくに入るほどつかまる数が多くなるけいこうが見られました。また、木がどれくらいこみ合って生えているかとつかまる数のかんけいは、場所によってちがうかもしれないことも見えてきました。
このことから研究グループは、森のそれぞれの場所で木をどう切り、どう手入れするかだけでなく、木を運び出すための道具や丸太を集めておく場所、運び出す道などをつくるときにしばらくの間だけできる、木のない開けた場所と、まわりにのこす森とのならび方を考えることが大切だとしています。
今後は、もっと広い場所で調べてたしかめることや、じっさいの森の手入れに役立てることが期待されています。この研究は、2026年9月6日に、国さいの科学ざっし「Forest Ecology and Management」にインターネット上でけいさいされました。

8月20日の午後11時ごろ、東京都八王子市にある高お山で、ツキノワグマが出ました。場所は、高お山の1号路という登山道の近くの山の中です。夜の時間に、クマがいたことがわかりました。「ツキノワグマ」は、むねに白い月のような形のもようがあるクマです。

このことは、9月16日に東京都から八王子市に伝えられました。八王子市は同じ日に、登山する人に注意をよびかける発表を出しました。
八王子市には、クマが出たときにどうするかを決めた「ツキノワグマ対応マニュアル」があります。八王子市は、このマニュアルにもとづいて、今回のことを「危機レベル1」としました。レベル1のときは、「経過観察」といって、しばらくの間クマの様子を見守ることを行います。
今のところ、足あとなど、クマがいたというしるしは見つかっていません。
それでも八王子市が注意をよびかけたのは、これから高お山に来る人がふえると考えられるからです。秋には、「シルバーウィーク」という休みがつづく時期があります。また、木の葉が赤や黄色にかわる「紅葉」を見に、たくさんの人が高お山に来ます。
八王子市は、登山する人に、次の三つのことをたのんでいます。一つ目は、早朝や夕方、夜には山に入らないことです。二つ目は、一人で行動せず、すずやラジオで音を出しながら歩くことです。三つ目は、もしクマを見かけても、おどかしたりせず、しずかにクマからはなれることです。
八王子市は、これからもしばらくの間、クマの様子を見守っていきます。

地球は、およそ24時間で一回まわっています。これを地球の「自転」といいます。人間をはじめ多くの動物の体の中には、この地球の自転と同じ、およそ24時間のリズムで、ねむったり目ざめたりする「体内時計」があります。では、体内時計がおよそ24時間の正しいリズムをきざむことは、生きのこるために本当に大切なのでしょうか。

多くの動物では、頭の中の「のう」に体内時計の中心があります。のうは、ものを考えたり、体のあちこちに合図を出したりする部分です。しかし、およそ24時間のリズムが生きのこるために本当に大切なのかは、これまでじっけんではっきりとたしかめられていませんでした。
おかやま大学の相川さん、よしいさん、三村さんらの研究グループは、キイロショウジョウバエを使って、このぎもんにいどみました。キイロショウジョウバエは、研究者が「遺伝子」をあやつりやすい生き物です。遺伝子とは、親から子へうけつがれる、体の形やはたらきを決めるもののことです。研究グループは、のうの体内時計だけがくるったハエを作ることができました。このハエは、1日が18時間の体内時計を持っています。
研究グループは、リズムがくるったハエと、正しいリズムを持つハエを、何世代もいっしょに育てて、生きのこりのきそいをさせました。すると、1日が18時間の体内時計を持つハエは、世代を重ねるごとにへっていきました。正しいリズムを持つハエのほうが、リズムがくるったハエよりも、ずっと生きのこりやすかったのです。こうして、地球の自転と同じおよそ24時間のリズムを持つことの大切さが、じっけんではっきりとたしかめられました。
この研究は、人間について考えるヒントにもなります。人間の体内時計には、朝早く目がさめる「朝型」の人や、夜おそくまで元気な「夜型」の人など、人によって大きなちがいがあります。自分の体内時計のリズムと、学校や仕事の時間がずれることを「ミスマッチ」といいます。今回の研究は、このずれが、体や生活に目に見えない悪いえいきょうをあたえているかもしれない、ということを教えてくれます。
この研究は、2026年8月10日に、アメリカの科学のざっし「iScience」に発表されました。