おばあさんの名前なまえをつけた新種しんしゅ「チヨコバン」 魚さかなのおびれから発見はっけん

おばあさんの名前をつけた新種「チヨコバン」 魚のおびれから発見
シログチ 出典: Nesnad (CC BY 4.0 / Wikimedia Commons)

北海道教育大学ほっかいどうきょういくだいがくくしろ校こうの川西かわにしりょう太たじゅん教授きょうじゅは、せと内海ないかいの東側ひがしがわでとれたシログチとシロギスという魚さかなのおびれを調しらべていました。すると、そこに今いままで知しられていなかった小ちいさな生いき物ものがついているのを見みつけました。魚さかながとれたのは、あわじ島しまのおき、大阪おおさかわん、徳島とくしまのおきの三さんか所しょです。

おばあさんの名前をつけた新種「チヨコバン」 魚のおびれから発見
シログチ 出典: Nesnad (CC BY 4.0 / Wikimedia Commons)

川西かわにしじゅん教授きょうじゅはこの生いき物ものを研究けんきゅうし、新あたらしい種しゅとして、Nerocila domotoaeという学名がくめいと「チヨコバン」という標準和名ひょうじゅんわめいをつけました。標準和名ひょうじゅんわめいとは、日本にほんで正式せいしきに使つかわれる日本語にほんごの名前なまえのことです。この研究けんきゅうの論文ろんぶんは、日本時間にほんじかんの2026年ねん9月がつ3日みっかに日本動物分類学会にほんどうぶつぶんるいがっかいの英語えいごの雑誌ざっし「Species Diversity」でオンライン公開こうかいされ、9月がつ4日よっかに発表はっぴょうされました。

見みつかった生いき物ものは、「ウオノエ科か」というこうかく類るいの仲間なかまです。こうかく類るいはエビやカニなどの仲間なかまで、ウオノエ科かはその中なかでもダンゴムシと同おなじ「等とう脚きゃく目もく」というグループに入はいります。ウオノエ科かは世界せかいで46属ぞく380種以上しゅいじょう、日本にほんだけでも40種以上しゅいじょうが報告ほうこくされています。チヨコバンは、その中なかの「ウオノコバン属ぞく」という仲間なかまに入はいります。属ぞくとは、よく似にた種しゅどうしをまとめたグループのことです。

チヨコバンは、すでに知しられているウオノコバンという種しゅによく似にています。見分みわけるポイントは二ふたつあります。一ひとつは、体からだの後うしろにある「尾肢びし」と呼よばれる小ちいさなあしの内側うちがわの部分ぶぶんが、のこぎりの歯はのようにぎざぎざしていることです。もう一ひとつは、背中せなかにうすい茶色ちゃいろの線せんが3本ぼんあることです。

学名がくめいの後うしろの部分ぶぶんにあたるdomotoaeという「種小名しゅしょうめい」は、川西かわにしじゅん教授きょうじゅのおばあさんで、すでに亡なくなった堂本千代子どうもとちよこさんにささげた名前なまえです。堂本どうもとさんは、大阪おおさかの海岸近かいがんちかくでとれるシログチにこの生いき物ものがよく見みられることを、川西かわにしじゅん教授きょうじゅに教おしえてくれた人ひとでした。標準和名ひょうじゅんわめいのチヨコバンも、堂本どうもとさんの名前なまえの「千代ちよ」と、ウオノコバン属ぞくの名前なまえのもとになっている「コバン(小判こばん)」を組くみ合あわせたものです。

堂本どうもとさんは生いきているあいだに、川西かわにしじゅん教授きょうじゅといっしょにこの生いき物ものを採集さいしゅうする約束やくそくをしていました。しかし、その約束やくそくはかなわないまま、堂本どうもとさんは亡なくなりました。おばあさんが教おしえてくれた生いき物ものは、おばあさんの名前なまえとともに、新種しんしゅとして記録きろくされることになりました。