63度どの温泉水おんせんすいで増ふえるアメーバを発見はっけん NASAの研究けんきゅうチーム

63度の温泉水で増えるアメーバを発見 NASAの研究チーム
アメーバ 出典: SmallRex (CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

63度どです。おふろのお湯ゆよりもずっと熱あつく、手てを入いれることもできないほどの温度おんどです。この温度おんどの水みずの中なかで、自分じぶんのさいぼうを二ふたつに分わけて数かずを増ふやすアメーバが見みつかりました。

63度の温泉水で増えるアメーバを発見 NASAの研究チーム
アメーバ 出典: SmallRex (CC BY-SA 4.0 / Wikimedia Commons)

アメーバは、体からだが一ひとつのさいぼうだけでできている小ちいさな生いき物ものです。私わたしたち人間にんげんや動物どうぶつ、植物しょくぶつ、そしてアメーバは、さいぼうの中なかにDNAをしまう部屋へやのようなつくりをもつ「真核生物しんかくせいぶつ」というなかまです。これまで、このなかまが増ふえることのできる最もっとも高たかい温度おんどは60度どで、一部いちぶのきん類るい(カビなどのなかま)や紅色こうしょくの海かいそうのなかまがその記録きろくをもっていました。今回こんかいのアメーバはそれを上回うわまわり、しんかく生物せいぶつとして過去最高かこさいこうの記録きろくをつくりました。

この発見はっけんは、NASAが支ささえる研究けんきゅうチームが2026年ねん9月がつ22日にちに科学雑誌かがくざっしのCell誌しで発表はっぴょうしました。研究けんきゅうの中心ちゅうしんとなったのは、シラキュース大学だいがくの大学院生だいがくいんせいベリル・ラパポートさんです。アメーバは、アメリカのカリフォルニア州しゅうにあるラッセン火山国立公園かざんこくりつこうえんの、高温こうおんの温泉水おんせんすいから採取さいしゅされました。新種しんしゅで、名前なまえはIncendiamoeba cascadensisです。英語えいごでは「fire amoeba(火ひのアメーバ)」ともよばれています。

このアメーバは、63度どをこえると増ふえるのは止とまりますが、64度どまでは活動かつどうして食たべ物ものを探さがすことができます。

これまで、しんかく生物せいぶつのさいぼうの中なかにある小ちいさな器官きかんを包つつむまくは、62度以上どいじょうでは安定あんていしないと考かんがえられていました。今回こんかいの発見はっけんは、その仮説かせつをくつがえしました。

研究けんきゅうチームがこのアメーバのゲノム(すべての遺伝子いでんしの情報じょうほう)を調しらべたところ、DNAを安定あんていさせて分解ぶんかいを防ふせぐ遺伝子いでんしの集あつまりや、外そとの環境かんきょうを感かんじ取とる遺伝子いでんし、高温こうおんのときにタンパク質しつの形かたちを保たもつ遺伝子いでんしが、さかんにはたらいていることが分わかりました。また、一部いちぶのタンパク質しつは表面ひょうめんが強つよい正電荷せいでんかを帯おびていました。これは、高たかい熱ねつに強つよいさいきんや古こさいきんという、もっと単純たんじゅんなつくりの生いき物ものに見みられる特とくちょうと似にています。

さらに、ニュージーランドやイエローストーン国立公園こくりつこうえんなど世界各地せかいかくちの地熱地帯ちねつちたい(地下ちかの熱ねつで地面じめんや水みずが温あたためられている場所ばしょ)の遺伝子いでんしデータからも、似にたDNAの断片だんぺんが見みつかっています。このため、関連かんれんする高熱こうねつに強つよいアメーバが世界中せかいじゅうにいる可能性かのうせいがあります。

NASA本部ほんぶの宇宙生物学うちゅうせいぶつがくプログラムの科学者かがくしゃアリソン・オルコットさんは、この発見はっけんは、複雑ふくざつな生命せいめいがどこにどのくらい存在そんざいできるのかについての理解りかいを広ひろげると話はなしています。一方いっぽう、ラパポートさんは、生いき物ものが生いきるには温度おんどだけでなく、酸性度さんせいどや酸素さんその量りょう、圧力あつりょく、水みず、食たべ物ものなど、いくつもの条件じょうけんがそろう必要ひつようがあると述のべています。