1光で脳の神経をあやつる研究にノーベル賞 アメリカとドイツの3人


485カ所。これは、インド洋の深い海の底で、クジラの化石や骨が見つかった場所の数です。中国の研究チームが約1,200kmにわたって海底を調べたところ、これほど多くのクジラの骨がしずんでいることが分かりました。

この発見をしたのは、中国科学院の深海科学・知能技術国家重点実験室にいるポン・シャオトンさんたちの研究チームです。研究の結果は2026年6月10日、科学の専門誌「ネイチャー」に発表されました。
調べたのは、インド洋の南東部にある「ディアマンティーナ断裂帯」という場所です。ここは海底が大きく割れてできた深い地形が長く続いていて、水深は4,616mから7,001mもあります。研究チームは2023年2月から3月にかけて、人が乗りこんで深い海にもぐる乗り物「有人潜水艇」の「奮闘者」号を使い、32回の調査を行いました。
調査した面積は約0.64平方キロメートルで、1辺が800mの正方形と同じくらいの広さです。その中で、クジラの化石がある地点と、しずんだクジラの骨のまわりに今も生き物が集まって暮らしている場所が、合わせて485カ所見つかりました。海の底にしずんだクジラの骨のまわりに生き物が集まってできる集団を「鯨骨生物群集」といいます。
最も深いところで見つかったのは、水深6,788.7mにあったせぼねの骨3個です。骨にふくまれる物質を調べて年代をはかったところ、いちばん古い骨は少なくとも約530万年前のものだと分かりました。
骨のまわりでは、海の底にすむ大きめの生き物が35種確認されました。また、骨の持ち主であるクジラは6種いると分かり、その中には今は地球上からいなくなった種類「絶滅種」が2種ふくまれていました。研究チームはさらに、これまで知られていなかった新しい種類のクジラ1種に、プテロケトゥス・ディアマンティナエという名前をつけて発表しました。

63度です。おふろのお湯よりもずっと熱く、手を入れることもできないほどの温度です。この温度の水の中で、自分のさいぼうを二つに分けて数を増やすアメーバが見つかりました。

アメーバは、体が一つのさいぼうだけでできている小さな生き物です。私たち人間や動物、植物、そしてアメーバは、さいぼうの中にDNAをしまう部屋のようなつくりをもつ「真核生物」というなかまです。これまで、このなかまが増えることのできる最も高い温度は60度で、一部のきん類(カビなどのなかま)や紅色の海そうのなかまがその記録をもっていました。今回のアメーバはそれを上回り、しんかく生物として過去最高の記録をつくりました。
この発見は、NASAが支える研究チームが2026年9月22日に科学雑誌のCell誌で発表しました。研究の中心となったのは、シラキュース大学の大学院生ベリル・ラパポートさんです。アメーバは、アメリカのカリフォルニア州にあるラッセン火山国立公園の、高温の温泉水から採取されました。新種で、名前はIncendiamoeba cascadensisです。英語では「fire amoeba(火のアメーバ)」ともよばれています。
このアメーバは、63度をこえると増えるのは止まりますが、64度までは活動して食べ物を探すことができます。
これまで、しんかく生物のさいぼうの中にある小さな器官を包むまくは、62度以上では安定しないと考えられていました。今回の発見は、その仮説をくつがえしました。
研究チームがこのアメーバのゲノム(すべての遺伝子の情報)を調べたところ、DNAを安定させて分解を防ぐ遺伝子の集まりや、外の環境を感じ取る遺伝子、高温のときにタンパク質の形を保つ遺伝子が、さかんにはたらいていることが分かりました。また、一部のタンパク質は表面が強い正電荷を帯びていました。これは、高い熱に強いさいきんや古さいきんという、もっと単純なつくりの生き物に見られる特ちょうと似ています。
さらに、ニュージーランドやイエローストーン国立公園など世界各地の地熱地帯(地下の熱で地面や水が温められている場所)の遺伝子データからも、似たDNAの断片が見つかっています。このため、関連する高熱に強いアメーバが世界中にいる可能性があります。
NASA本部の宇宙生物学プログラムの科学者アリソン・オルコットさんは、この発見は、複雑な生命がどこにどのくらい存在できるのかについての理解を広げると話しています。一方、ラパポートさんは、生き物が生きるには温度だけでなく、酸性度や酸素の量、圧力、水、食べ物など、いくつもの条件がそろう必要があると述べています。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、すわ おさむ宇宙飛行士が「クルードラゴン宇宙船運用14号機」に乗ることが決まったと発表しました。クルードラゴン宇宙船は、人を宇宙へ運ぶためのアメリカの宇宙船で、その14回目の運用となる機体です。

すわ宇宙飛行士が向かうのは、国際宇宙ステーション(ISS)です。ISSは地球のまわりを回りながら、宇宙飛行士がくらし、さまざまな実験を行う場所です。すわ宇宙飛行士はここでの「長期滞在」、つまり長い期間ISSにとどまって仕事をするミッションに向けて、今も準備や訓練を続けています。
すわ宇宙飛行士にとって、今回が初めての宇宙飛行になります。
クルードラゴン宇宙船運用14号機の打上げは、2027年3月以降の予定です。打上げの日はまだ決まっておらず、JAXAは、決まったら改めて発表するとしています。
すわ宇宙飛行士は、打上げまでにまだ多くの訓練があるとコメントしています。また、宇宙で得た経験や感動を地球に持ち帰り、多くの人に伝えたいとも話しています。