使われなくなった田や畑に87しゅるいの鳥がすんでいた

作る人がいなくなって、そのままになった田や畑を「耕作放棄地」といいます。日本のあちこちにあるこうした土地を調べたところ、合わせて87しゅるいの鳥がすんでいることが分かりました。その中には、数がとても少なくなっている鳥もふくまれていました。日本にぜんぶで300羽ほどしかいないといわれるアカモズや、50羽より少ないとされるサンカノゴイが、子育ての時期のあいだずっと、ある土地で見つかりました。オオジシギやオオセッカなど、数が少なくなって心配されている7しゅるいの鳥が、そこで子育てをしたり冬をこしたりしていることもたしかめられました。

調べたのは、国立かんきょう研究所と森林そうごう研究所、北海道大学の研究チームです。北海道から九州までの199か所で、鳥を数えました。使われなくなった田や畑のほかに、ヨシなどがしげるしめった草地、森、小さい田を大きく作りなおした水田、作りなおしていない水田、畑もふくめて、子育ての時期と冬をこす時期の二回ずつ調べています。さらに、世界のあちこちで行われた同じような研究を集めて調べ直し、日本の外の土地とも見くらべました。
見つかった鳥は、主なすみかによって五つのグループに分けられました。しめった草地の鳥、草原の鳥、森の鳥、土がむき出しの場所をこのむ鳥、川や池のそばにすむ鳥です。すると、使われなくなった田や畑にすむ鳥は、土地のようすによって大きくちがっていました。水はけが悪くヨシがしげるひくい土地では、オオジシギやオオヨシキリのような、しめった草地の鳥が多くいました。水はけがよく木がしげる山では、ウグイスやシジュウカラのような森の鳥が多くいました。
おどろいたのは、田や畑が使われなくなることが鳥にとってよいことかどうかが、土地によって反対になっていたことです。ポーランドやブルガリア、それに子育ての時期の本州の真ん中より南では、その土地にすむ鳥の半分より多くが、農地を主なすみかにする鳥でした。こうした場所では、使われなくなった田や畑の鳥のしゅるいは、農地よりも少なくなっていました。子育ての時期の九州では、作りなおしていない水田の鳥のしゅるいは、使われなくなった田や畑のおよそ1.4倍と考えられます。その水田は、大きく作りなおした水田とくらべても、およそ1.8倍でした。
一方、ロシアやオーストラリア、子育ての時期の北日本、冬をこす時期の南日本では、これと反対でした。ここではしめった草地の鳥や森の鳥が多く、農地よりも使われなくなった田や畑のほうが、鳥のしゅるいが多かったのです。子育ての時期の北海道では、ひくい土地の使われなくなった田や畑にすむ鳥のしゅるいは、作りなおしていない水田のおよそ2.4倍になると考えられます。
冬には、南日本の使われなくなった田や畑が、北日本のしめった草地で子育てをしたわたり鳥の、冬をこす場所にもなっていました。おか山県のある土地では、冬に2ヘクタールあたり73羽のオオジュリンが見つかりました。
この研究から、その土地にどのグループの鳥が多いかを見れば、田や畑が使われなくなったときに鳥のしゅるいがふえるのか、へるのかを前もって見当をつけられることが分かりました。研究のまとめは、2026年7月27日にアメリカの科学のざっしに発表されました。