たがやされなくなった田畑たはた とりえる地域ちいき地域ちいき 199かしょ調査ちょうさ判明はんめい

耕されなくなった田畑 鳥が増える地域と減る地域 199か所の調査で判明
オオヨシキリ

北海道ほっかいどう平地へいちで、たがやされなくなった田畑たはた。そして九州きゅうしゅうで、おなじようにたがやされなくなった田畑たはた。どちらもひとはいらなくなった土地とちですが、そこにすむとり種類しゅるいかず調しらべると、結果けっか正反対せいはんたいになりました。使つかわれなくなったまま作物さくもつつくられていない田畑たはたを「耕作放棄地こうさくほうきち」といいます。

耕されなくなった田畑 鳥が増える地域と減る地域 199か所の調査で判明
オオヨシキリ

北海道ほっかいどうでは、とりつくってそだてる時期じきに、平地へいち耕作放棄地こうさくほうきちでくらすとり種類しゅるいかずは、ちかくの整備せいびされていない水田すいでんやく2.4ばいになると見積みつもられました。ところが九州きゅうしゅうではぎゃくで、おな時期じき整備せいびされていない水田すいでんとり種類しゅるいかずは、耕作放棄地こうさくほうきちやく1.4ばい見積みつもられました。ここでいう整備せいびとは「圃場整備ほじょうせいび」のことで、ちいさな田畑たはたを、機械きかい作業さぎょうみず管理かんりがしやすいようにおおきくつくなおすことをいいます。九州きゅうしゅうでは、整備せいびされていない水田すいでんとり種類しゅるいかずは、整備せいびされた水田すいでんくらべてもやく1.8倍多ばいおおいと見積みつもられました。

この研究けんきゅうは、国立環境研究所こくりつかんきょうけんきゅうしょ森林総合研究所しんりんそうごうけんきゅうしょ北海道大学ほっかいどうだいがくなどの研究けんきゅうチームがおこない、2026ねん7がつ27にちにアメリカの科学かがく雑誌ざっし米国科学べいこくかがくアカデミー紀要きよう』で発表はっぴょうされました。チームには、国立環境研究所こくりつかんきょうけんきゅうしょ北沢宗大特別研究員きたざわそうたとくべつけんきゅういんや、森林総合研究所しんりんそうごうけんきゅうしょ山浦悠一やまうらゆういちチームちょうらがくわわっています。北海道ほっかいどうから九州きゅうしゅうまでの199しょで、耕作放棄地こうさくほうきちのほか、自然しぜん草地そうち森林しんりん整備せいびされていない水田すいでん整備せいびされた水田すいでんはたけえらび、子育こそだての時期じきふゆをこす時期じきとり調しらべました。さらに、世界各地せかいかくちおこなわれたおなじような研究けんきゅう結果けっかあつめ、平均へいきんしてどんな傾向けいこうがあるかを調しらべる方法ほうほう使つかいました。

記録きろくされたとりは、おもにどんな場所ばしょでくらすかによっていつつのグループにけられました。ヨシなどがしげるみずにつかった草地そうちとり草原そうげんとり森林しんりんとりつちがむきしの場所ばしょとり水辺みずべとりです。日本各地にほんかくち耕作放棄地こうさくほうきちでは、わせて87しゅとりがくらしていることがたしかめられました。そのなかには、かずおおきくっていなくなってしまうおそれのあるとりおおくふくまれます。国内こくないかず300個体こたいほどとされるアカモズや、50個体こたい下回したまわるとされるサンカノゴイが、ある耕作放棄地こうさくほうきち子育こそだての時期じきとおしてつかりました。ほかにオオジシギやオオセッカなど7しゅの、かずっているとり子育こそだてやふゆごしもたしかめられています。

えるかるかのかれになっていたのは、その地域ちいきにもともとおおとりのグループでした。ポーランドやブルガリア、子育こそだての時期じき本州中部ほんしゅうちゅうぶよりみなみでは、その地域ちいきとりのおよそ半数以上はんすういじょうが、農地のうちおもみかにする、つちがむきしの場所ばしょとり水辺みずべとりでした。こうした地域ちいきでは、耕作こうさくをやめるととり種類しゅるいかず農地のうちよりすくなくなります。反対はんたいにロシアやオーストラリア、子育こそだての時期じき北日本きたにほんふゆをこす時期じき南日本みなみにほんでは、みずにつかった草地そうちとり森林しんりんとりおおく、農地のうちより耕作放棄地こうさくほうきちのほうがとり種類しゅるいかずおおくなりました。土地とちのようすともかさなっていて、みずはけがわるくヨシなどがしげる低地ていち耕作放棄地こうさくほうきちにはオオジシギやオオヨシキリがおおく、みずはけがよく樹木じゅもくがしげる山地さんち耕作放棄地こうさくほうきちにはウグイスやシジュウカラがおおられました。

つまり、その地域ちいきにどんなグループのとりおおいかがかれば、耕作こうさくをやめたあとにとり種類しゅるいえるのかるのかを予測よそくできる、というのが今回こんかい研究けんきゅう中心ちゅうしんです。いろいろな種類しゅるいものがすんでいるゆたかさを「生物多様性せいぶつたようせい」といいますが、耕作放棄こうさくほうき生物多様性せいぶつたようせいにとってよいかわるいかは、世界せかいのどこでもおなじではなかったのです。

ふゆをこす時期じきには、南日本みなみにほん耕作放棄地こうさくほうきちが、北日本きたにほんみずにつかった草地そうちそだてるわたりどりふゆみかになっていました。岡山県おかやまけんのある耕作放棄地こうさくほうきちでは、2ヘクタールあたり73個体こたいのオオジュリンがたしかめられています。