30年間ねんかんなぞだった植物しょくぶつのカリウムの入はいり口ぐち「AKT5」 東北大学とうほくだいがくなどがその働はたらきを発見はっけん

30年間なぞだった植物のカリウムの入り口「AKT5」 東北大学などがその働きを発見
シロイヌナズナ 出典: Photo by Tom Fisk on Pexels

植物しょくぶつがよく育そだつためには、ちっ素そ、リンと並ならんでカリウムという栄養えいようが欠かかせません。カリウムは植物しょくぶつの三大栄養素さんだいえいようそのひとつで、植物しょくぶつは「カリウムを通とおす入はいり口ぐち」を通とおしてカリウムを取とりこみ、体からだの中なかをめぐらせています。研究けんきゅうでよく使つかわれる小ちいさな植物しょくぶつシロイヌナズナには、この入はいり口ぐちが9種類しゅるいあります。ところが、そのうちのひとつ「AKT5」は、遺伝子いでんしが見みつかってから30年間ねんかん、何なにを運はこぶのか、どんな役目やくめがあるのかが分わからないままでした。

30年間なぞだった植物のカリウムの入り口「AKT5」 東北大学などがその働きを発見
シロイヌナズナ 出典: Photo by Tom Fisk on Pexels

このなぞにいどんだのが、東とう北ほく大だい学がく大だい学がく院いん工こう学がく研けん究きゅう科かの魚住うおずみのぶゆき教授きょうじゅ、村岡勇樹助教むらおかゆうきじょきょうたちの研究けんきゅうグループです。東とう北ほく大だい学がく大だい学がく院いん生せい命めい科か学がく研けん究きゅう科か、生理学研究所せいりがくけんきゅうじょ、東京科学大学とうきょうかがくだいがく、東京農工大学とうきょうのうこうだいがくなどといっしょに、国際共同研究こくさいきょうどうけんきゅうとして調しらべました。

研究けんきゅうグループがまず見みつけたのは、AKT5が働はたらく条件じょうけんです。AKT5は、体からだの中なかのさまざまな働はたらきを助たすける物質ぶっしつである「酵素こうそ」にスイッチを入いれてもらうと、カリウムを通とおすようになることが分わかりました。さらに、とても小ちいさなものを見みることができる「クライオ電子顕微鏡でんしけんびきょう」という道具どうぐを使つかってAKT5の形かたちを決きめ、スイッチが入はいる仕組しくみも明あきらかにしました。

つぎに、AKT5が植物しょくぶつの体からだのどこにあるのかを調しらべると、葉はを支ささえる細ほそい部分ぶぶんである「葉柄ようへい」に多おおく集あつまっていることが分わかりました。そこで、AKT5をなくした植物しょくぶつを育そだててみると、ようへいが短みじかくなり、すきまなく植うえる密植みっしょくをしたときに育そだちが悪わるくなりました。

これらの結果けっかから、研究けんきゅうグループは、AKT5はまわりに植物しょくぶつがたくさんあるところで生いき残のこる力ちからを強つよくする、かぎになる分子ぶんしだと考かんがえています。AKT5の働はたらき方かたがもっと分わかれば、しゅうかく量りょうを減へらさずに、作物さくもつをせまい場所ばしょにたくさん植うえる技術ぎじゅつにつながると期待きたいしています。

この研究けんきゅうの成果せいかは、2026年ねん9月がつ3日みっか午前ごぜん3時じ(日本時間にほんじかん)に、アメリカの科学雑誌かがくざっし「Science Advances」にのりました。