2026年9月4日(金)のこどもニュースNews for Friday, September 4, 2026

30年間ねんかんなぞだった植物しょくぶつのカリウムの入はいり口ぐち「AKT5」 東北大学とうほくだいがくなどがその働はたらきを発見はっけん

30年間なぞだった植物のカリウムの入り口「AKT5」 東北大学などがその働きを発見
シロイヌナズナ 出典: Photo by Tom Fisk on Pexels

植物しょくぶつがよく育そだつためには、ちっ素そ、リンと並ならんでカリウムという栄養えいようが欠かかせません。カリウムは植物しょくぶつの三大栄養素さんだいえいようそのひとつで、植物しょくぶつは「カリウムを通とおす入はいり口ぐち」を通とおしてカリウムを取とりこみ、体からだの中なかをめぐらせています。研究けんきゅうでよく使つかわれる小ちいさな植物しょくぶつシロイヌナズナには、この入はいり口ぐちが9種類しゅるいあります。ところが、そのうちのひとつ「AKT5」は、遺伝子いでんしが見みつかってから30年間ねんかん、何なにを運はこぶのか、どんな役目やくめがあるのかが分わからないままでした。

30年間なぞだった植物のカリウムの入り口「AKT5」 東北大学などがその働きを発見
シロイヌナズナ 出典: Photo by Tom Fisk on Pexels

このなぞにいどんだのが、東とう北ほく大だい学がく大だい学がく院いん工こう学がく研けん究きゅう科かの魚住うおずみのぶゆき教授きょうじゅ、村岡勇樹助教むらおかゆうきじょきょうたちの研究けんきゅうグループです。東とう北ほく大だい学がく大だい学がく院いん生せい命めい科か学がく研けん究きゅう科か、生理学研究所せいりがくけんきゅうじょ、東京科学大学とうきょうかがくだいがく、東京農工大学とうきょうのうこうだいがくなどといっしょに、国際共同研究こくさいきょうどうけんきゅうとして調しらべました。

研究けんきゅうグループがまず見みつけたのは、AKT5が働はたらく条件じょうけんです。AKT5は、体からだの中なかのさまざまな働はたらきを助たすける物質ぶっしつである「酵素こうそ」にスイッチを入いれてもらうと、カリウムを通とおすようになることが分わかりました。さらに、とても小ちいさなものを見みることができる「クライオ電子顕微鏡でんしけんびきょう」という道具どうぐを使つかってAKT5の形かたちを決きめ、スイッチが入はいる仕組しくみも明あきらかにしました。

つぎに、AKT5が植物しょくぶつの体からだのどこにあるのかを調しらべると、葉はを支ささえる細ほそい部分ぶぶんである「葉柄ようへい」に多おおく集あつまっていることが分わかりました。そこで、AKT5をなくした植物しょくぶつを育そだててみると、ようへいが短みじかくなり、すきまなく植うえる密植みっしょくをしたときに育そだちが悪わるくなりました。

これらの結果けっかから、研究けんきゅうグループは、AKT5はまわりに植物しょくぶつがたくさんあるところで生いき残のこる力ちからを強つよくする、かぎになる分子ぶんしだと考かんがえています。AKT5の働はたらき方かたがもっと分わかれば、しゅうかく量りょうを減へらさずに、作物さくもつをせまい場所ばしょにたくさん植うえる技術ぎじゅつにつながると期待きたいしています。

この研究けんきゅうの成果せいかは、2026年ねん9月がつ3日みっか午前ごぜん3時じ(日本時間にほんじかん)に、アメリカの科学雑誌かがくざっし「Science Advances」にのりました。

「正ただしい鼻はなのかみ方かた」の研究けんきゅうにイグ・ノーベル賞しょう あさひかわ医科大学いかだいがくの海野徳二うんのとくじさんら

「正しい鼻のかみ方」の研究にイグ・ノーベル賞 あさひかわ医科大学の海野徳二さんら
ティッシュペーパー 出典: NIAID (CC BY / Wikimedia Commons)

海野徳二うんのとくじさんは、人ひとが鼻はなをかむときに、鼻はなから出でていく空気くうきの流ながれを機械きかいで細こまかく測はかる実験じっけんをしました。協力きょうりょくしたのは14才さいから48才さいまでの男性だんせい15人にんです。海野うんのさんは、和わ歌か山やま県けん立りつ医い科か大だい学がくの矢島洋やじまひろしさんとともに、「ニューモタコメーター」という空気くうきの流ながれを測はかる機械きかいを2台使だいつかい、左右さゆうの鼻はなのあなから出でる空気くうきの速はやさ・量りょう・時間じかんを調しらべました。さらに、鼻はなをかんだときに耳みみのあなの中なか(外耳道がいじどう)の圧力あつりょくがどう変かわるかも測はかりました。

「正しい鼻のかみ方」の研究にイグ・ノーベル賞 あさひかわ医科大学の海野徳二さんら
ティッシュペーパー 出典: NIAID (CC BY / Wikimedia Commons)

実験じっけんから分わかったことは、大おおきく4つあります。1つ目めは、鼻はなは左右さゆうを片方かたほうずつかむのが正ただしく、効率こうりつもよいことです。2つ目めは、強つよくかんでも中耳ちゅうじの感染かんせんに直接悪ちょくせつわるいえいきょうはなく、力ちからを入いれてかんでよいことです。3つ目めは、かむ前まえにほどよく息いきを吸すい、時間じかんをかけてゆっくりかむと効果こうかが高たかいことです。4つ目めは、鼻はなをかむことが、のどより下したの気管きかんなどにたまったものを出だすのにも役立やくだつことです。

この研究けんきゅうは「鼻はなのかみ方かた」という題だいで、1977年ねんに日本耳鼻にほんじびいんこう科学会かがくかいの会報かいほうに発表はっぴょうされました。それから49年ねんたった2026年ねん9月がつ4日よっか、あさひかわ医科大学いかだいがくは、この研究けんきゅうが第だい36回かいイグ・ノーベル賞しょうの医学賞いがくしょうを受賞じゅしょうしたと発表はっぴょうしました。イグ・ノーベル賞しょうは、人々ひとびとを笑わらわせ、そして考かんがえさせる研究けんきゅうにおくられる賞しょうです。

授賞式じゅしょうしきは9月がつ3日みっかの夜よる(日本時間にほんじかんでは4日よっかの早朝そうちょう)に、スイスのチューリッヒで開ひらかれました。海野うんのさんは2022年ねん8月がつに89才さいで亡なくなっているため、あさひかわ医科大学耳鼻いかだいがくじびいんこう科か・頭とうけい部外科学講座ぶげかがくこうざの3代目だいめの教授きょうじゅであるたか原幹はらみきさんが、代かわりに出席しゅっせきしました。

海野うんのさんは1933年ねん3月がつに生うまれ、千葉大学医学部ちばだいがくいがくぶを卒業そつぎょうした医師いしです。1976年ねん10月がつ、あさひかわ医科大学いかだいがくに耳鼻じびいんこう科学講座かがくこうざができたときに最初さいしょの教授きょうじゅとなり、1998年ねん3月がつに定年ていねんで退職たいしょくした後あとは、同おなじ大学だいがくのめいよ教授きょうじゅになりました。