1光で脳の神経をあやつる研究にノーベル賞 アメリカとドイツの3人


太陽のまわりを回る大きな星である「惑星」の中で、太陽に一番近い水星は、生まれてから今までに半径が10km以上も縮んでいます。しかも、その縮んだ量はこれまでの推定より大きく、12km近くに達する可能性があります。北海道大学の博士研究員、西山学さんたちの研究チームが、2026年9月11日にこの研究成果を発表しました。

水星の表面には、星全体が縮んだときにできた収縮地形が残っています。ところが、その後にできた、丸くくぼんだ地形であるクレーターからふき出した物が積もり、古い収縮地形をおおいかくしている可能性がありました。かくれてしまった地形は数えられないため、水星がどれだけ縮んだかが、これまで実際より小さく見積もられていたかもしれないのです。
西山学さんたちの研究チームは、最新の水星の地形データを使い、表面のでこぼこの度合いを数字で表した統計量「ラフネス」に注目しました。ラフネスが高い場所ほど、地質学的に新しいと考えられます。研究チームは、このラフネスを新しさの目印として使う、新しい調べ方を考え出しました。水星全体のラフネスと、すでに分かっている収縮地形の分布を比べたところ、ラフネスが高い地域ほど収縮地形が少ないという、はっきりした反対の関係が見つかりました。研究チームはこの結果から、新しい地形が古い収縮地形をかくしている可能性を確かめました。そして、そのかくれる効果を補正して計算し直すと、半径の収縮量はこれまでの推定より最大で30%ほど大きく、12km近くに達する可能性があることが分かりました。
この研究は、北海道大学の大学院理学研究院に所属する西山学さんたちの研究チームが行い、ドイツ航空宇宙センターと東京大学大学院理学系研究科の研究者も加わっています。研究の論文は、2026年9月10日に科学の専門誌Geophysical Research Lettersにオンラインで発表されました。
水星がどれだけ縮んだかは、水星の内部がどのように冷えてきたのか、中心にある「核」がどんな物でできているのかといった、星がどのように変化してきたかを考えるモデルに、新たな条件をあたえます。今後は、日本とヨーロッパが協力して進める水星探査計画「BepiColombo」のデータと組み合わせることで、さらにくわしく調べられると期待されています。また、月など、ほかの岩石でできた天体でも、同じように収縮地形がかくされている可能性があると研究チームは考えています。