2026年6月22日(月)のこどもニュース
世界自然遺産「小笠原諸島」を外来種から守れ
日本の南のほう、東京から船で遠くはなれた海の上に、「小笠原諸島」という島々があります。この島々は、これまで一度も大きな陸地とつながったことがありません。そのため、ほかの場所にはいない、この島だけのめずらしい生き物がたくさん生きています。2011年6月には、その自然の値打ちがみとめられて「世界自然遺産」に登録されました。
ところが今、この大切な自然が「外来種」によっておびやかされています。外来種とは、人の活動などによって、もともとその土地にいなかったのに、よその場所から運ばれてきた生き物のことです。
環境省、林野庁、文化庁、東京都、「小笠原村」は、外来種が島に入りこんだり広がったりするのを止めるための対策を進めていると発表しました。
たとえば、グリーンアノールというトカゲのなかまは、今では父島と母島のほぼ全体に広がっています。このトカゲは、オガサワラシジミなど、この島にしかいないめずらしいこん虫を食べてしまいます。また、アカギやモクマオウといった外来の植物は、もとからその島で育っていた在来の植物の成長をじゃまします。
そこで、外来種が森に入りこむのをふせぐためのさくを作ったり、虫がくっつく「粘着トラップ」というわなをしかけたり、薬を使ったりして、外来種をとりのぞいています。さらに、外から生き物のたねや卵を持ちこまないように、島に来た人にくつの底を洗ってもらい、注意をよびかける予防にも力を入れています。
「世界自然遺産」とは、世界でとくに大切だとみとめられた自然を、みんなで守っていくための約束です。生き物は「食べる・食べられる」というつながりの中で生きていて、外から来た一つの生き物が、島全体のつり合いを大きくくずしてしまうことがあります。そして、一度くずれた自然をもとにもどすのは、とてもむずかしいことです。私たちが旅行に行くときも、その場所の生き物やたねを持ちこまない、持ち出さないと気をつけること。それが、めずらしい自然を未来に残していくための第一歩になります。
学校のプール、どう使う? 全国の市区町村を調べた結果が出ました
夏になると、学校のプールで水泳の授業がありますね。みなさんの学校にも、プールがあるでしょうか。じつは今、学校のプールをどのように使っていくかが、全国で大きな話題になっています。プールは作るのにも、なおすのにもたくさんのお金がかかり、年月がたつと古くなって、なおさなくてはいけなくなるからです。だから、自分たちの学校のプールだけにたよらず、ほかのプールを使う町も出てきています。
「公益財団法人 笹川スポーツ財団」が、全国の市区町村に、小学校の水泳(プール授業)をどのようにおこなっているかを調べました。この調べは2024年8月16日から9月30日におこなわれ、全国の1140の市区町村が回答しました。
回答の結果、自分の学校のプールだけを使っているところが41.7%でした。市や町などが持つ、みんなで使える公共のプールを使っているところが44.1%(約4割)、そして「民間委託」をしているところが20.4%(約2割)でした。
「民間委託」をしている町のわりあいは、人口の多さによって大きくちがっていました。人口が1万人より少ない町では5.0%でしたが、人口が50万人より多い大きな市では64.0%にもなっていました。人が多い大きな市ほど、よく「民間委託」をしているのです。
これからのプールについての計画も分かりました。プールをなおしたり、建てかえたりする計画があるところが17.9%、プールをやめる計画があるところが16.9%でした。
「民間委託」とは、市や町がする仕事を、会社などほかのところにたのんで、かわりにやってもらうことです。たとえば、学校のプールのかわりに、会社が運えいするスイミングスクールで水泳の授業をする、というやり方です。古くなったプールを一つ一つなおすには、とても大きなお金がかかります。そこで、人手やお金をうまく使うために、こうしたやり方を選ぶ町がふえているのです。
みなさんが学校で当たり前のように使っているプールも、これから先は、近くのスイミングスクールや公共のプールで授業を受けるようになるかもしれません。学校のプールがどうなっていくかは、わたしたちの毎日の生活に近い、大切な話題なのです。
夜の新幹線で東京から朝の大阪へ はじめての特別列車
夏休みに、家族で遠くへ旅行する人もいるかもしれません。新しい場所へ行くときには、新幹線などの電車を使うことが多いです。ふつう、夜おそくには新幹線は走っていないので、遠くへ行くときは、向こうの町のホテルなどにとまります。ところが、今は東京のまわりの「首都けん」や、大阪のまわりの「関西けん」で、ホテルにとまるお金がとても高くなっています。そのため、夜の間に電車で動いて、ねている時間を使って遠くまで進みたいと考える人が増えてきました。
こうした中、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)は、東海道新幹線で、夜に東京を出発して、次の朝に新大阪へつく特別な列車「東海道ルミエールエクスプレス」を走らせると発表しました。東海道新幹線で、夜に東京を出て翌朝に新大阪へつく列車が走るのは、はじめてのことです。
この列車が走るのは、2026年8月8日(土)の1日だけです。東京駅を午後10時に出発し、品川駅、新横はま駅を通って進みます。そして午前0時から午前6時までは、岐阜羽島駅にとまります。この間は、駅の改札の中だけで過ごすことができます。そのあと、午前6時44分に京都駅、午前6時59分に新大阪駅へつく予定です。
料金は、ふつう車の指定席で、大人1人15,000円(税こみ)になる予定です。ほかに、ゆったり過ごせるグリーン車や、子ども用のきっぷも売られる予定です。このきっぷは、2026年7月3日(金)の午後2時から、JR東海ツアーズのWEBサイトで売り出されます。
夜の長い時間を、安心して過ごせるようにする工夫もあります。女性だけが乗れる車両が用意され、乗務員や警備員が車内を見て回って、安全に気をつけます。
ここで、いくつかの言葉を説明します。「指定席」とは、座る場所が前もって決められている席のことです。「改札」は、駅できっぷを見せて、ホームに入ったり出たりする場所のことです。
夜にねている間に遠くまで動ければ、ホテルにとまるお金をへらせたり、次の日の朝から時間をたっぷり使えたりします。この新しい列車は、人々のくらしの中から生まれた工夫だと言えます。みなさんも、どんな旅の仕方が自分に合っているか、考えてみると楽しいかもしれません。
黄色い新幹線「ドクターイエロー」がいよいよ引退します
新幹線の駅で電車を待っているとき、ふだんは見かけない真っ黄色い新幹線が走っていくのを見たことがある人はいるでしょうか。この黄色い車両は『ドクターイエロー』とよばれ、「見ると幸せになれる」といううわさがあるほど、めったに会えない人気者です。なぜ黄色いのかというと、お客さんを乗せて走るふつうの新幹線とはちがう、特別な役目をもっているからです。そんな『ドクターイエロー』が、いよいよ引退することになりました。
2026年6月22日、西日本旅客鉄道株式会社(JR西日本)が、二つの新幹線の引退を発表しました。一つ目は、山陽新幹線を走る検査専用の車両『ドクターイエロー』923形T5編成です。この車両は、線路や電気の様子に問題がないかを走りながら調べる「検測」という大切な仕事をしてきましたが、2027年1月にその運転を終え、完全に引退する予定です。そのかわりとして、ふだんお客さんを乗せて走る列車に検測のしくみを取り入れた『ドクターS』が、2026年10月から走り始める予定です。二つ目は、丸くて長い先頭の形で知られる500系新幹線です。500系は2027年1月13日に毎日決まった時間に走る運転を終え、そのあとは特別なときだけ走る列車として走り続けたあと、2027年7月に営業運転をすべて終える予定です。どちらの車両についても、引退を記念したもよおしや、数を限って売られるグッズが用意されるということです。
「検測」とは、新幹線が安全に走れるように、線路のゆがみや電気の流れぐあいを、走りながら細かく調べることです。『ドクターイエロー』はこの仕事を毎日のお客さんの安全のためにこなしてきました。これからは『ドクターS』のように、ふつうの列車が走りながら同じ調べものをするしくみに変わっていきます。長い間活やくしてきた車両が役目を終えるのは少しさびしいことですが、新しい技術によって、わたしたちの新幹線の旅はこれからも安全に守られていきます。もし引退までの間にあの黄色い新幹線や500系に出会えたら、それはとてもめずらしい、思い出に残るできごとになるはずです。