2026年9月19日(土)のこどもニュースNews for Saturday, September 19, 2026

同おなじ深海しんかいの魚さかなだと思おもわれていた2つのタイプ、実じつは別べつの種しゅ 新種しんしゅホソオホラアナゴを発表はっぴょう

同じ深海の魚だと思われていた2つのタイプ、実は別の種 新種ホソオホラアナゴを発表
ホラアナゴ 出典: NOAA Photo Library (PD / Wikimedia Commons)

海うみの深ふかいところに、リュウキュウホラアナゴという魚さかながいます。ウナギ目もくホラアナゴ科かという、ウナギの仲間なかまのグループに入はいる魚さかなで、太平洋たいへいよう・大西洋たいせいよう・インド洋ように広ひろく分布ぶんぷしています。ところが、この魚さかなとして集あつめられてきた個体こたいをよく見みると、しっぽが太ふといタイプと、しっぽが細ほそいタイプの2つがまじっていました。

同じ深海の魚だと思われていた2つのタイプ、実は別の種 新種ホソオホラアナゴを発表
ホラアナゴ 出典: NOAA Photo Library (PD / Wikimedia Commons)

北ほっ海かい道どう大だい学がく総そう合ごう博はく物ぶつ館かんの田城文人助教たしろふみとじょきょうと、東とう海かい大だい学がく海かい洋よう学がく部ぶの高見宗広講師たかみむねひろこうしの研究けんきゅうグループは、この2つのタイプのちがいに注目ちゅうもくしました。しかし、深海しんかいの魚さかなは集あつめるのがとても難むずかしく、はじめは標本ひょうほんの数かずが少すくなかったため、2つを十分じゅうぶんに比くらべることができませんでした。

そこで田城文人助教たしろふみとじょきょうと高見宗広講師たかみむねひろこうしの研究けんきゅうグループは、10年以上ねんいじょうにわたって採集調査さいしゅうちょうさを続つづけ、国内外こくないがいの博物館はくぶつかんや大学だいがくに所蔵しょぞうされている標本ひょうほんも調しらべました。こうして、子こどもの魚さかなから成魚せいぎょまで、80個体こたいをこえる体からだのデータを集あつめました。その結果けっか、2つのタイプは、しっぽの太ふとさだけでなく、背骨せぼねの数かず、うろこの形かたち、「側線管そくせんかん」の長ながさでもはっきりとちがうことが分わかりました。側線管そくせんかんとは、魚さかなの体からだの横よこに線せんのようにならんでいる、細ほそい管くだのことです。

さらに、外国がいこくの博物館はくぶつかんに保管ほかんされているリュウキュウホラアナゴの「ホロタイプ標本ひょうほん」とも照てらし合あわせました。ホロタイプ標本ひょうほんとは、その種しゅに名前なまえをつけるときの基準きじゅんとなった、ただ1つの標本ひょうほんのことです。その結果けっか、しっぽが太ふといタイプがリュウキュウホラアナゴにあたり、しっぽが細ほそいタイプは、これまで学名がくめいがついていなかった魚さかなだと明あきらかになりました。学名がくめいとは、世界共通せかいきょうつうで使つかわれる生いき物ものの名前なまえのことです。田城文人助教たしろふみとじょきょうと高見宗広講師たかみむねひろこうしの研究けんきゅうグループは2026年ねん、この細ほそいタイプを新種しんしゅとして、ホソオホラアナゴ(学名がくめい Ilyophis fukuii)という名前なまえで発表はっぴょうしました。標本ひょうほんは、するがわんをはじめとした南日本みなみにほんの、水深すいしんおよそ1500メートルより深ふかいところから集あつめられたものです。

ホラアナゴ科かの魚さかなの多おおくは深海しんかいの底そこにすみ、大おおきな海うみの生いき物ものの死しがいを食たべる種しゅもふくまれます。そのため、深海しんかいの生態系せいたいけいを支ささえる大切たいせつな生いき物もののグループだと考かんがえられています。今回こんかいの成果せいかは、世界中せかいじゅうに分布ぶんぷすると考かんがえられてきた深海魚しんかいぎょの中なかに、複数ふくすうの「隠蔽種いんぺいしゅ」がふくまれている可能性かのうせいをあらためて示しめすものです。隠蔽種いんぺいしゅとは、見みた目めがよく似にているために同おなじ種しゅだと思おもわれてきたけれど、実じつは別べつの種しゅである生いき物もののことです。

7000万年前まんねんまえの北極ほっきょくはなぜ暖あたたかかった? 地球ちきゅうの動うごき方かたに手てがかり

7000万年前の北極はなぜ暖かかった? 地球の動き方に手がかり
北極 出典: NASA Goddard Photo and Video (CC BY 2.0 / NASA)

地球ちきゅうは太陽たいようのまわりを1年ねんかけて回まわっていますが、その回まわり方かたや地球ちきゅうのじくのかたむきは、長ながい年月ねんげつの間あいだに少すこしずつ変かわります。こうした地球ちきゅうの動うごき方かたを表あらわす数かずのことを「軌道要素きどうようそ」といいます。じくのかたむきが変かわると、北極ほっきょくや南極なんきょくに近ちかい地域ちいきに届とどく日光にっこうの量りょうが変かわり、気温きおんにえいきょうします。

7000万年前の北極はなぜ暖かかった? 地球の動き方に手がかり
北極 出典: NASA Goddard Photo and Video (CC BY 2.0 / NASA)

この軌道要素きどうようその変化へんかを考かんがえに入いれると、大昔おおむかしの地球ちきゅうの気候きこうをこれまでより良よく説明せつめいできることが、日本にほんの研究けんきゅうチームの計算けいさんで分わかりました。研究けんきゅうをしたのは、東とう京きょう大だい学がく大たい気き海かい洋よう研けん究きゅう所じょのあべあやこ教授きょうじゅとチャン・ウィン・レ特任研究員とくにんけんきゅういん、東とう京きょう科か学がく大だい学がく地ち球きゅう生せい命めい研けん究きゅう所じょのひぐち太郎研究員たろうけんきゅういんと大石おおいしりゅう太研究員たけんきゅういんです。研究けんきゅうの結果けっかをまとめた論文ろんぶんは、2026年ねん7月がつ22日にちに、Geophysical Research Letters(ジオフィジカル・リサーチ・レターズ)という科学かがくの雑誌ざっしにのりました。

研究けんきゅうチームが調しらべたのは、約やく7000万年前まんねんまえの「白亜紀はくあき」後期こうきの気候きこうです。白亜紀はくあきとは、地球ちきゅうの長ながい歴史れきしを区切くぎった時代じだいの一ひとつの名前なまえです。化石かせきを調しらべた研究けんきゅうからは、このころの北極ほっきょくに近ちかい地域ちいきは、産業革命さんぎょうかくめいの前まえより10度以上どいじょうも気温きおんが高たかく、とても暖あたたかかったと推定すいていされています。ところが、これまでのコンピューターによる計算けいさんでは、この暖あたたかさを十分じゅうぶんには再現さいげんできていませんでした。

研究けんきゅうチームは、MIROC(ミロク)という全球気候ぜんきゅうきこうモデルを使つかい、スーパーコンピューターで当時とうじの気候きこうをシミュレーションしました。全球気候ぜんきゅうきこうモデルとは、地球全体ちきゅうぜんたいの大気たいきや海うみの動うごきを計算けいさんして、気候きこうを再現さいげんするプログラムのことです。約やく7000万年前まんねんまえのマーストリヒチアン期きと呼よばれる時期じきの大陸たいりくの配置はいちを使つかい、空気中くうきちゅうの二酸化炭素にさんかたんそのこさだけでなく、軌道要素きどうようそも変化へんかさせて計算けいさんしました。その結果けっか、軌道要素きどうようその変化へんかを考かんがえに入いれることで、化石かせきから推定すいていされた北極ほっきょくの暖あたたかさを、これまでより良よく再現さいげんできることが分わかりました。

なぜ軌道要素きどうようその変化へんかがそれほど大おおきくきくのでしょうか。白亜紀後期はくあきこうきには、今いまのような大おおきな「大陸氷床たいりくひょうしょう」、つまり陸りくの上うえをおおう大おおきな氷こおりのかたまりがありませんでした。また、北半球きたはんきゅうの北極ほっきょくに近ちかい地域ちいきには、今いまより広ひろい陸地りくちがありました。そのため、地球ちきゅうのじくのかたむきが変かわったときの気温きおんの変化へんかが、今いまより大おおきくなっていたと考かんがえられます。研究けんきゅうチームの計算けいさんでは、北半球きたはんきゅうの北極ほっきょくに近ちかい地域ちいきで、じくのかたむきが大おおきくなったときの気温きおんの上あがり方かたは、白亜紀はくあきでは現代げんだいの数倍すうばいに達たっしました。