2026年8月10日(月)のこどもニュース
南米コロンビアでマグニチュード7.4の大きな地しん アメリカ地質調査所がくわしいデータを発表

みなさんは理科の授業で、地しんや火山のふん火が土地を変化させ、災害をもたらすことを学びましたね。地しんが起きるのは日本だけではありません。地球の表面は、プレートと呼ばれる厚い岩の板が何枚も組み合わさってできていて、プレートどうしがおし合う場所では大きな地しんが起きやすいのです。南アメリカ大陸の西側もそのような場所の一つで、今回、南米のコロンビアという国で大きな地しんが起きました。

2026年8月10日、コロンビア西部のチョコ県で、マグニチュード7.4(Mwwという表し方での値)の地しんが発生しました。現地時間では同じ日の午前7時34分ごろ、日本時間では同じ日の午後9時34分ごろ、世界共通の時刻(世界標準時)では12時34分28秒のことです。地しんなどを調べているアメリカの国の機関、アメリカ地質調査所(USGS)は、専門家が確かめ直した(査読済みの)しん源のデータと、地しんが起きたしくみを説明する公式のまとめを発表しました。
アメリカ地質調査所によると、しん源はサン・ホセ・デル・パルマルという町の南5キロメートルにあり、地球上の位置で表すと、南北の位置を示すい度は北へ4.8436度、東西の位置を示す経度は西へ76.2422度です。しん源の深さは約110キロメートル(くわしい値では110.285キロメートル)です。はじめの速報では107キロメートルと伝えられましたが、専門家が確かめ直した後に、この値にあらためられました。アメリカ地質調査所の説明では、この地しんは、海側のナスカプレートが大陸側の南米プレートの下にしずみこむ境目の近くで起きた、やや深い場所の地しんで、地下の岩が主に横向きにずれ動く、横ずれ断層と呼ばれる動きが中心でした。
さらに、アメリカ地質調査所には、地しんによるひ害の大きさを予想して伝えるPAGERというしくみがあり、今回の警報のレベルは、上から2番目に高いオレンジでした。また、アメリカ地質調査所のデータでは、つ波の発生を示す値は0でしたが、これはつ波のおそれについての公式の発表そのものではありません。1950年からあと、このしん源から250キロメートル以内でマグニチュード7以上の地しんが起きたのは2回だけで、どちらも海に近い沿岸部で起きていました。今回のように内陸寄りの場所で起きた大きな地しんは、この地域ではめずらしいのです。
ここで、ニュースに出てきた言葉をふり返りましょう。「マグニチュード」は、地しんそのものの規模、つまりエネルギーの大きさを表す数字です。「震源」は、地下で地しんが始まった場所のことです。「プレート」は、地球の表面をおおう厚い岩の板で、少しずつ動いています。「断層」は、地下の岩に大きな力が加わって、岩がずれた場所のことです。「査読」は、専門家がデータや内容を確かめ直すことで、査読を経た値は速報の値よりも正確です。日本もプレートの境目にある、地しんの多い国です。遠い国のニュースに思えるかもしれませんが、地しんのしくみを知り、ふだんから家の備えを確かめたり、ひなんする場所を家族と話し合ったりしておくことが、いざというときに自分や家族の命を守る力になります。
日本人の大腸がん 約半数に毒素コリバクチンのあと 東京大学と大阪大学の研究グループが発表

みなさんが食べた物は、口から胃や腸を通る間に消化され、養分として体に吸収されます。その腸の中には、目に見えないほど小さな生き物がたくさんすんでいます。その多くはわたしたちの体を助けてくれますが、中には体によくないはたらきをするものもいます。日本では大腸にがんができる人が多く、近ごろは40歳より若い人が大腸がんになる例が世界で増えていて、その理由ははっきりとは分かっていませんでした。そこで、がんになった人の体の設計図である遺伝子をすみずみまで調べ、原因のてがかりをさがす研究が続けられてきました。

2026年8月10日の午後6時、東京大学医科学研究所の柴田龍弘教授と、大阪大学大学院医学系研究科の谷内田真一教授の研究グループが、その成果をイギリスの科学誌ネイチャージェネティクスのインターネット版で発表しました。柴田龍弘教授と谷内田真一教授の研究グループは、東京と大阪で大腸がんになった200人について、体がもつ遺伝子の情報を丸ごと読み取る、大がかりな調べ方を行いました。すると、とくべつな大腸きんが作る毒素コリバクチンが遺伝子(DNA)につけた傷のあと、つまり変異シグネチャーが、日本人の大腸がんの約半分にあたる44.8%で見つかりました。さらに、40歳になっていない若い人の大腸がんにかぎると、その割合は約70%にのぼりました。
コリバクチンによる変異は、APC、BRAF、TP53といった、大腸がんの発生に強く関わるドライバー遺伝子にも見られました。中でもAPCという遺伝子の異常は、10歳になる前の子どものころに、すでにできてしまっている可能性があると分かりました。また、この変異シグネチャーは、1965年より後に生まれた世代で多く見つかりました。研究グループは、腸の中にすむ生き物全体の遺伝子をまとめて読み取るメタゲノムという方法と、AIによる調べ方も組み合わせ、大腸がんが4つのタイプ(サブタイプ)に分けられることも明らかにしました。この研究は、2025年に発表された約1000例(そのうち日本人は28例)の国じゅうをまたぐ国際共同研究に続くもので、より多くの日本人を対象にしてたしかめた研究です。
今回のニュースに出てきた言葉を説明します。「大腸菌」は、人や動物の大腸にすんでいる小さな生き物で、多くは害がありませんが、中には毒素を作る種類がいます。「コリバクチン」は、そうした大腸きんが作る毒素で、遺伝子を傷つけるはたらきがあります。「変異シグネチャー」は、遺伝子についた傷のあとに残る決まった形のことで、これを読み取ると、何が原因で傷ついたのかを見分けることができます。「ドライバー遺伝子」は、傷つくとがんが起こる引き金になる、大切な遺伝子です。大腸がんは大人の病気だと思われがちですが、今回の研究では、そのもとになる傷が子どものころにできている可能性が示されました。腸の中の生き物のようすは、毎日の食事や生活と深く関わっています。原因が分かってくれば、がんを早く見つけたり防いだりする方法の研究が進みます。今のわたしたちの食事や生活が、遠い未来の自分の体とつながっていることを、あらためて考えるきっかけになるニュースです。
南極のしごとを聞いてみよう 日本科学未来館で夏休みの自由研究イベント

夏休みの自由研究で、何を調べようかと迷っている人はいませんか。地球のいちばん南にある南極は、厚い氷におおわれた、とても寒い土地です。日本からは遠くはなれていますが、日本も南極へ観測隊を送り、空気や氷、生き物などを長い間調べてきました。こうした調査を続けるには、研究者の力だけでは足りません。寒さに負けない建物や服、毎日の食べ物、電気を用意する人たちなど、たくさんの人の仕事に支えられています。そのような、ふだんはあまり知られていない南極の仕事を、子どもたちが直接聞ける会が開かれます。

東京にある日本科学未来館は、いま開かれている特別展「大南極展」の関連イベントとして、「夏休み自由研究フェス ~おしえて!南極観測応援隊~」を行うと発表しました。この会には、実際に南極の観測を支えている会社の担当者と、南極地域観測隊として現地で活動した経験のある人が登場します。ふだんはなかなか知ることのできない南極のしごとを、トークセッションやワークショップを通してくわしく伝えます。これは1日限りの特別なイベントで、夏休みの自由研究に役立つ内容になっています。
「トークセッション」とは、何人かが集まって、あるテーマについて話し合うことです。「ワークショップ」とは、話を聞くだけでなく、参加した人が自分の手を動かして体験する集まりのことです。南極地域観測隊は、国が南極に送り出している調査のチームで、研究者のほかに、食事づくりや機械、電気などを受け持つ人たちも加わっています。南極で調べたことは、地球の空気や気温がどう変わってきたのかを知る手がかりになり、わたしたちのくらしにもつながっています。南極の研究が、いろいろな会社やさまざまな役割の人たちに支えられていると知れば、自分の好きなことや得意なことが、いつか未来の研究につながるかもしれないと気づけるはずです。