2026年8月19日(水)のこどもニュース
川にたおれた木が魚の子どもを育てていた 東北大学などが発表

川にたおれこんだ木は、流れをふさぐじゃまものに見えるかもしれません。ところが、この「倒木」が川の生き物のすみかを支える大切な働きをしていることが、新しい研究で分かりました。東北大学の宇野ひろみじゅん教授たちの研究グループが、北海道大学の根岸教授や岸田教授、東京大学と協力して調べ、2026年8月18日に発表しました。

なぜたおれた木が生き物を支えるのでしょうか。研究グループは、北海道北部にある北海道大学のうりゅう研究林を流れるブトカマベツ川で調査しました。この川のまわりには、増水すると川の水があふれて広がる「氾濫原」と呼ばれる土地が、人の手がほとんど入っていない自然に近い姿で残っています。また、川沿いには「渓畔林」と呼ばれる森が広がっています。
調査では、約10キロメートルの川沿いを、水が増えたときと少ないときの二回、ドローンで空からさつえいしました。そして水辺を、いつも水が流れる場所、増水のときだけ流れる場所、いつも水が止まっている場所に分けました。さらに、水が少ないときに10キロメートルを歩いて、たおれた木がどこにあるかも調べました。
その結果、約10キロメートルの間に、たおれた木が631本、木が川の流れなどで寄せ集まってできた「ログジャム」が77か所ありました。また、いつも水が流れる「分流」が19、増水のときだけ水が流れてふだんは池のようになる「よどみ」が29、いつも水が止まっている池が38ありました。そして、たおれた木が多いところほど、よどみや池が多く集まっていました。
よどみや池は、川の本流に比べると面積は小さいものの、そこを主なすみかにしている水生生物がたくさんいました。大人になると本流で見られるイワナやイトウも、子どもの魚の大半はよどみや池で暮らしていたのです。
これまで川沿いの森には、魚のかくれ場所や日かげをつくったり、えさを落としたりする直接の働きが知られていました。今回の研究で、森からたおれこんだ木が川の地形を複雑にし、複雑な水の流れをつくって、多様な生き物のすみかを生み出すという、もう一つの働きがあることが分かりました。
この研究の論文は、8月12日付で科学雑誌「Ecosphere」にのりました。研究はJSPS科研費という国の研究のためのお金の支えを受けて行われました。研究グループは今後、川の生態学や森林の生態学、地形学、水の流れの学問などの専門家が集まる国際研究チームをつくり、ブトカマベツ川をモデルにさらにくわしく調べる予定です。
動物のうんちが教えてくれる、見た目では分からない健康のサイン

さっぽろ市にある円山動物園で、動物たちのうんちが集められました。ただのうんちではありません。動物の体の中のようすを教えてくれる、大切な手がかりです。

うんちの中には、腸にすんでいるたくさんの細きんがふくまれています。この細きんの集まりを「腸内細菌叢」といいます。人の腸にもたくさんの細きんがいて、食べ物の消化を助けるなど、健康と深い関係があることが知られています。
2026年8月18日、北海道大学とさっぽろ市円山動物園は、この腸内細きんそうについての研究の成果を発表しました。北海道大学の研究者である中尾亮さんたちは、円山動物園で飼育されている8種の草食動物のうんちを使って、腸内細きんそうのようすをくわしく調べました。
その結果、見た目は健康そうに見える動物でも、体に不調があると腸内細きんそうが変化していることが分かりました。動物は言葉で「具合が悪い」と伝えることができないので、見た目だけでは病気に気づきにくいことがあります。うんちの中の細きんを調べれば、かくれた不調のサインを早く見つけられるかもしれないのです。
北海道大学と円山動物園は、今回の研究を、腸内細きんそうを動物園の動物の健康管理に生かせるかどうかを探るための第一歩だと説明しています。
月に新しいクレーター発見 正体はロケットの一部がぶつかったあと

月の表面に、直径約18メートルの真新しい丸い穴が写った画像があります。NASA(アメリカ航空宇宙局)とNASAの探査機「ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)」のチームが2026年8月18日に公開したもので、月のまわりを回るLROが8月11日から12日にかけて写したものです。

この穴は「クレーター」と呼ばれる、いん石などが天体にぶつかったときにできる丸いくぼ地です。ただし今回ぶつかったのは、いん石ではなくロケットの一部でした。2025年1月、アメリカのスペースX社のファルコン9ロケットが、民間会社ファイアフライの月着陸船「ブルーゴースト1」を打ち上げました。その打ち上げに使われたロケットの上の段が宇宙を飛び続け、2026年8月5日に月面にぶつかって、この新しいクレーターができたのです。
クレーターの直径は約18メートルで、深さは約3メートルより浅いと考えられています。深さは、クレーターにできたかげの長さから計算されました。場所は、月の地図の上で北へ19.4759度、東へ266.7138度の地点で、高さは511メートルです。LROは月面から約96キロメートル上空を、1秒間に約1.6キロメートル進む速さで回りながら、「ナローアングルカメラ」という細かいところまで写せるカメラを使い、ちがう角度や光の当たり方のもとで何回も写しました。
このクレーターは、かんこくの月探査機「ダヌリ」のチームも、LUTIというカメラで写しています。また、NASAのジェット推進研究所にある「地球接近天体研究センター(CNEOS)」は、地球に近づく天体などの動きを調べる研究チームで、ロケットの一部が月のどこにぶつかるかを前もって予測していました。今回の画像から、その予測は実際の地点から約1キロメートル以内という高い正確さだったことが分かりました。