1買い物客が、とつぜんさいがいの中に げきのようなぼうさいくんれん


線路や広い道路の下を、くぐるように通る道があります。坂を下りて、下をくぐり、また坂を上る形の道です。この道を「アンダーパス」とよびます。まわりの地面よりひくいところを通るので、大雨がふると水が流れこんで、たまりやすいのがとくちょうです。

アンダーパスに水がたまって道がしずむことを「冠水」といいます。かんすいしたアンダーパスに車が入ってしまうと、車が水につかって動けなくなり、中の人もあぶない目にあいます。れいわ8年8月の千葉ごう雨など、ことしの大雨では、アンダーパスのかんすいで人がひがいを受けたり、車などの物がこわれたりすることが次々と起きました。
そこで国土交通しょう道路局は、2026年10月6日、アンダーパスのかんすいによるじこをふせぐための「ガイドライン」を作って発表しました。ガイドラインとは、道路を守る人たちが何をすればよいかをまとめた手引きのことです。
ガイドラインの合い言葉は「冠水する前に止める、入らせない」です。水がたまってから動くのではなく、たまる前に車を止め、アンダーパスに入らせないという考え方です。
そのために、三つの方ほうを組み合わせます。一つ目は、大雨がふりそうなときに前もって道を通れなくすることと、かんすいしたらすぐに通行止めにすることです。二つ目は、車がアンダーパスに入れないようにするしかけです。三つ目は、たまった水を外に流し出すはたらきをたもつことです。
一つの方ほうだけにたよらず、いくつもの守りを重ねるこの考え方を「多重防御」といいます。一つがうまくいかなくても、ほかの守りでじこをふせげるようにするのです。
さらに、いつもとちがうことが起きたときには、きけんな方ではなく安全な方にうつるようにしておく「フェールセーフ」という考え方も、ガイドラインに取り入れています。

スーパーのやさい売り場で、レタスやキャベツのねだんを見ると、前に買ったときより高くなっていたり、安くなっていたりすることがあります。やさいのねだんは一年中同じではなく、時期や天気によってかわるのです。

農家が畑で育てたやさいは、多くの場合、まず「市場」に集められます。市場は、たくさんのやさいや魚を一度に集めて、スーパーや八百屋さんなどの店に売るための大きな場所です。東京には「東京都中央卸売市場」という大きな市場があり、全国の畑から、毎日たくさんのやさいが運ばれてきます。市場に運ばれてくるやさいの数が少ないと、ねだんは上がりやすく、多いと、ねだんは下がりやすくなります。
食べ物をつくる仕事について考える国の役所である「農林水産省」は、2026年9月30日、この東京都中央卸売市場に運ばれてくるやさいの育ちぐあいと、10月のねだんの見通しを発表しました。見通しというのは、「このようになりそうだ」という予想のことです。
発表によると、10月は、はくさい、レタス、ブロッコリー、きゅうり、なす、トマト、ピーマンのねだんが、「平年」より高くなる見通しです。平年とは、ふだんの年のことです。反対に、ばれいしょとたまねぎは、平年より安くなる見通しです。「ばれいしょ」は、じゃがいものことです。だいこん、にんじん、ねぎ、さといもは、平年と同じくらいのねだんになる見通しです。
レタスのねだんが高くなるのは、天気が理由です。長野県とぐんま県でつくられるレタスは、9月に雨の日が長くつづき、日光が足りなかったため、よく育たなかったり、売り物になる部分が少なくなったりしました。そのため、10月に市場に運ばれるレタスの数は平年より少なくなり、ねだんは平年より高いままになる見通しです。
キャベツは、10月の前半は平年と同じくらいですが、後半になると市場に運ばれる数が平年より少なくなり、ねだんは平年よりやや高くなる見通しです。
一方、ばれいしょとたまねぎは、北海道で育てられているものが順調に育ち、大きな玉が多いため、市場に運ばれる数が平年より多くなる見通しです。たくさん運ばれてくるので、ねだんは安くなると考えられています。
10月にスーパーのやさい売り場で、レタスやはくさいと、じゃがいもやたまねぎのねだんを見くらべると、この見通しが本当にそのとおりになったかどうかが分かります。

アメリカのニューヨーク州で、「麻疹」という病気が広がっています。麻疹は、はしかともよばれ、人から人へとてもうつりやすい病気です。

2026年7月15日からあと、ワクチンを打った人が少ないいなかの地いきで、はしかにかかる人がふえ始めました。州の中の18の地いきで、92人がはしかにかかりました。
10月3日までに、州全体でたしかめられた人は、合わせて108人になりました。ニューヨーク市では7人、ニューヨーク市の外では101人です。
そこで10月5日、ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は、州全体に向けて「災害緊急事態」をせんげんする「行政命令」を出しました。災害緊急事態とは、大きなひがいが出そうなときに、ふだんはできないことをできるようにして、急いで人たちを守るための決まりのことです。行政命令とは、知事が出すとくべつな決まりのことです。
この行政命令で、ワクチンを打てる人がふえました。きゅうきゅう車で病気やけがの人を助けるきゅうきゅうきゅうめいしや、同じようにきゅうきゅうのしごとをする人たち、薬のせんもん家であるやくざいし、赤ちゃんが生まれるのを助けるじょさんしも、ワクチンを打てるようになりました。また、かんごしも、はしかのけんさをするように言えるようになりました。
地いきの役所は、はしかをふせぐ「MMRワクチン」を、すでに1000回より多く打っています。MMRワクチンは、2回打つと、97パーセントの人がはしかにかからないようにふせぐことができます。
ホークル知事は「ワクチンでふせげる病気で、重い病気になったり、なくなったりすることが、あってはなりません」と話しています。

カロリーの高い食べ物をとりすぎると、ものをおぼえたり考えたりする力が下がります。この力を「認知機能」といいます。東京科学大学の研究チームは、ていきょう大学といっしょに、なぜそうなるのかを体の中の小さな分子のレベルでつきとめたと、9月17日に発表しました。この研究をまとめた文章は、9月12日に Molecular Psychiatry という科学のざっしにのりました。

かぎをにぎっているのは、のうの中の「シナプス」です。のうにはたくさんの神けいさいぼうがあり、神けいさいぼうどうしはシナプスというつなぎ目でじょうほうをやりとりしています。シナプスがつながってできる道すじを「神経回路」といい、この回路がうまくはたらくことで、わたしたちはものをおぼえたり考えたりできます。研究チームは、高カロリーの食べ物がこのシナプスに問題を起こしていることを見つけました。
そのしくみは、つぎのような流れです。まず、カロリーをとりすぎると、「インスリン」が出す合図を通じて、PPARγという分子のはたらきがおさえられます。インスリンは、食べたあとに体の中で出るもので、体がエネルギーを使うのを調整しています。つぎに、PPARγのはたらきがおさえられると、PQBP1という分子がへります。そして、PQBP1がへると、シナプスをつくっている分子がおかしくなり、神けい回路のはたらきが下がります。PQBP1がへることから始まるこの流れを明らかにしたのは、世界ではじめてです。
PQBP1は、「知的障害」や「アルツハイマー病」にかかわることが知られている分子です。知的障害は、考えたり学んだりすることがむずかしくなることで、アルツハイマー病は、年をとってからおぼえたことをわすれやすくなる病気です。
研究チームは、このしくみを使って、なおすやり方もためしました。「糖尿病」という、インスリンがうまくはたらかなくなる病気の薬の中には、PPARγのはたらきを高めるものがあり、すでに売られています。この薬を、高カロリーの食べ物を食べさせたマウスにあたえると、シナプスの問題がよくなり、下がっていた考える力もよくなりました。マウスは、じっけんに使われる小さなネズミです。また、PQBP1を目あてにした「遺伝子治療」でも、同じようによくなりました。遺伝子治療は、体の中のいでんしにはたらきかけて病気をなおすやり方です。
今回の研究で、食べすぎで下がった考える力を、薬でなおせるかもしれないという見こみがしめされました。

南きょくの深い氷の中には、5000台をこえる「検出器」がうめられています。検出器とは、目に見えないものをつかまえて、見つけてくれるきかいのことです。

この氷の中のきかいは、「IceCube」という名前の実けんのために作られました。IceCubeは「アイスキューブ」と読みます。IceCubeがつかまえようとしているのは、「ニュートリノ」という、とても小さなつぶです。ニュートリノはうちゅうからとんできて、地球や人の体もすりぬけてしまうので、ふつうのやり方では見つけられません。そこで、たくさんのきかいを氷の中にうめて、ニュートリノが氷の中でぶつかったときに出る、ごくわずかな光をとらえているのです。
2026年10月6日、千葉大学が、このIceCubeについて発表をしました。IceCubeの実けんでのはたらきがみとめられて、フランシス・ハルゼンさんが、2026年の「ノーベル物理学賞」を受けることが決まったのです。ノーベル物理学賞は、物の仕組みやうちゅうのきまりについて、とてもすぐれた研究をした人におくられる、世界で有名なしょうです。
千葉大学は、IceCubeにさんかしている、日本でただ一つのところです。千葉大学のチームには、よしだ しげる先生と石原安野先生がいます。
千葉大学のチームもくわわるIceCubeは、これまでに大きな発見を重ねてきました。2012年には、うちゅうからとんできた、とても強いエネルギーをもつニュートリノを、世界ではじめてつかまえました。2018年には、ニュートリノがどの星からとんできたのかを、はじめてつきとめました。2021年には、「Glashow共鳴」という、ニュートリノが物にぶつかるときにまれに起きるとくべつな出来事を、はじめてとらえました。
IceCubeには、14の国から集まった研究者がさんかしています。いまは、2026年に終わる予定の「アップグレード」も進んでいます。アップグレードとは、きかいを新しくして、はたらきをよくすることです。千葉大学のチームは、その新しいきかいを考えて作る仕事で、中心となってきました。
さらに、IceCubeの次の大きな実けんである「IceCube-Gen2」でも、千葉大学は中心となってはたらく予定です。